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第35話 形勢逆転 風が吹く

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フォロワーの名前とアイコンをすべて見、将来の目標に好意的と期待できそうな人は可能な限り情報を見る、フウイは3週間その作業をしていました。
風をネームにつけたその人は鹿児島の人であり保守的な思想でした。
前の話で触れた通り、フウイはネットでの炎上を恐れていました。
それと同時に国防について関心がある人にメッセージを送れる環境が起きることを望んでいました。
その2つの分析に対する答えとして、相手が現れてからの交渉というシチュエーションを待っていて、ついにその時が来たのです。
長きのあいだ(少なくともフウイにとっては)焦れるかのように待っていたせいかフウイはいつもの彼とは違う積極的な動きを示しました。
あいさつもそこそこに島津大河誘致の運動をしているので協力してほしいとストレートに語った。
薩摩隼人ならこれで十分通じるはずだ、と。
その後フウイにとって長く感じる数十秒が経過しました。
いきなり、初対面で焦りすぎたか、もっと地味に慎重に行くべきだったか、フウイは消極的な考えに押されていきます。
その時、返答がありました。
「はい いいですよ」ある意味薩摩隼人らしい短い返事だった。
フウイは天を仰ぎ、感謝しました。
「これで形勢逆転だ」風がついに吹いた、彼は心の底から感謝の挨拶をしその後のやり取りでさらなる情報交換と協力関係を構築しました。
彼は一転攻勢に出ます、まずは風の人の情報からどのような情報の流れがあったか分析します。
次に多くの議論やいいねのある、保守的なサイトを探します。
ツイッターの特性上議論の場というのは少なかったですがついにお目当てとなるホームページを見つけます。
そこはとある20K(20000)近いフォロワーを誇る保守派のたまり場でした。
さらにそこを読み進めるといろいろ気づくことがありました。
保守系のひとびとが集まっているが扱う話題は扇のように多岐にわたっていること。
主はあまり自分の発言をしないが必要と思われる情報は情熱をもって発信していること。
人の注目を集めやすい話題は「いいね」が沢山ついていること。
その中でフウイはある日本最奥のとある地方がよそ者に土地をかいたたかれていたこと、とあるカルト団体が危険であり、油断しないようにすること、この2つの話題の流れに身を置くことに決めました。
フウイはスレの雰囲気を読み取り、スレの見学者が同意できるような、言葉を変えるならうなずくような意見や提案を書いていきました。
しばらく(10分くらい)は何も起こりませんでしたが、ついにその時が来ます。
20K越えのスレの主からいいねとリツイートが来たのです。
「勝った」フウイは心の声で叫びました。
彼はなぜ勝ったと確信したのでしょうか、それは次回のお話でしましょう。
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