18 / 639
第19話 障碍を持つ薄幸少女
しおりを挟む
コモロウは楽しい創作活動に勤しんでいました。
この機会に「彼女」について触れたいと思います。
彼女の外見は小柄でショートカットの髪形とめがねをつけたふっくらした女性でした。
コモロウは渋谷区で生まれました。
5歳のころ交差点で自転車に乗っていたら車とぶつかり事故となりました。
彼女はそのことを隠しましたが、小学校に入るとその事実が彼女の人生に初めて干渉してきました。
身体測定の時に片耳が聞こえないことが分かったのです。
すぐに病院に行きましたが医者はこう言って治療をしませんでした。
右耳が聞こえず三半規管の神経も切れているね。残された左耳を大切にしなさい。
彼女は補聴器は?と尋ねましたが必要ないとの答えでした。
その日以降彼女は時よりめまいにも苦しめられることになりました。
やがて高校2年となり、体力はないものの偏差値としては中の上レベルの公立校に通う彼女に第2の不幸が訪れます。
彼女の家は中堅の建設会社でしたが、父親が酒に溺れ会社が倒産してしまいました。
なんとか、2億もの借金は親戚の援助で助かったものの、進学率98%の学校で進路が変えられたのは彼女の自尊心を傷つけました。
彼女は一時朝の8時から夜の10時まで工場などで働き、休みも月に数えるほどしかない生活をしていました。
こうして月日がながれ、彼女は長い目で見ればお金のあまりかからないネットを趣味とすることになりました。有料ゲームも買い物もしない彼女にとって、ネットでネガティブな話題を話すのは、ある種ストレス解消でした。
ただ、そうした性格のせいかネットの友達は出来にくく、すぐに離れてしまいました。
彼女は自分を女性として表現したがらなかったため、また容姿に自信がなかったために男性からの人気もありませんでした。
お互いにとって苦にならない存在だったのは、祭り之介とフウイだけでした。
祭り之介は竹を割ったような性格のため、コモロウの毒舌を気にしませんでした。
またフウイもまた穏やかでとげのある言葉にもスルーをして涼し気な会話をしていたので衝突はなく、特にコモロウにとって居心地が良かったのでした。
男2人はというと歴史についてあれこれ話したり、祭り之介は地元愛を、フウイは歴史うんちくを語ります。
こうした長くも不毛ともコモロウに思える言葉の洪水の中に女性に対するある種の配慮は皆無でそのことも彼女にとって気分の良いものでした。
そうした歴史の事実や憧れや知識の発見によって、毒舌を交えつつも吸収していったコモロウは穏やかになっていきました。
そして、彼らの夢と野心と妄想に当てられた彼女は人生で初めて自分の夢を持ちそれを形にするべく小説の内容を一所懸命かんがえていました。
それはBLやドロドロした人のやり取りなど彼女の好物のフルコースではありましたが、それでも彼女は幸せな気分で楽しんでいました。
この機会に「彼女」について触れたいと思います。
彼女の外見は小柄でショートカットの髪形とめがねをつけたふっくらした女性でした。
コモロウは渋谷区で生まれました。
5歳のころ交差点で自転車に乗っていたら車とぶつかり事故となりました。
彼女はそのことを隠しましたが、小学校に入るとその事実が彼女の人生に初めて干渉してきました。
身体測定の時に片耳が聞こえないことが分かったのです。
すぐに病院に行きましたが医者はこう言って治療をしませんでした。
右耳が聞こえず三半規管の神経も切れているね。残された左耳を大切にしなさい。
彼女は補聴器は?と尋ねましたが必要ないとの答えでした。
その日以降彼女は時よりめまいにも苦しめられることになりました。
やがて高校2年となり、体力はないものの偏差値としては中の上レベルの公立校に通う彼女に第2の不幸が訪れます。
彼女の家は中堅の建設会社でしたが、父親が酒に溺れ会社が倒産してしまいました。
なんとか、2億もの借金は親戚の援助で助かったものの、進学率98%の学校で進路が変えられたのは彼女の自尊心を傷つけました。
彼女は一時朝の8時から夜の10時まで工場などで働き、休みも月に数えるほどしかない生活をしていました。
こうして月日がながれ、彼女は長い目で見ればお金のあまりかからないネットを趣味とすることになりました。有料ゲームも買い物もしない彼女にとって、ネットでネガティブな話題を話すのは、ある種ストレス解消でした。
ただ、そうした性格のせいかネットの友達は出来にくく、すぐに離れてしまいました。
彼女は自分を女性として表現したがらなかったため、また容姿に自信がなかったために男性からの人気もありませんでした。
お互いにとって苦にならない存在だったのは、祭り之介とフウイだけでした。
祭り之介は竹を割ったような性格のため、コモロウの毒舌を気にしませんでした。
またフウイもまた穏やかでとげのある言葉にもスルーをして涼し気な会話をしていたので衝突はなく、特にコモロウにとって居心地が良かったのでした。
男2人はというと歴史についてあれこれ話したり、祭り之介は地元愛を、フウイは歴史うんちくを語ります。
こうした長くも不毛ともコモロウに思える言葉の洪水の中に女性に対するある種の配慮は皆無でそのことも彼女にとって気分の良いものでした。
そうした歴史の事実や憧れや知識の発見によって、毒舌を交えつつも吸収していったコモロウは穏やかになっていきました。
そして、彼らの夢と野心と妄想に当てられた彼女は人生で初めて自分の夢を持ちそれを形にするべく小説の内容を一所懸命かんがえていました。
それはBLやドロドロした人のやり取りなど彼女の好物のフルコースではありましたが、それでも彼女は幸せな気分で楽しんでいました。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説



どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
織田信長 -尾州払暁-
藪から犬
歴史・時代
織田信長は、戦国の世における天下統一の先駆者として一般に強くイメージされますが、当然ながら、生まれついてそうであるわけはありません。
守護代・織田大和守家の家来(傍流)である弾正忠家の家督を継承してから、およそ14年間を尾張(現・愛知県西部)の平定に費やしています。そして、そのほとんどが一族間での骨肉の争いであり、一歩踏み外せば死に直結するような、四面楚歌の道のりでした。
織田信長という人間を考えるとき、この彼の青春時代というのは非常に色濃く映ります。
そこで、本作では、天文16年(1547年)~永禄3年(1560年)までの13年間の織田信長の足跡を小説としてじっくりとなぞってみようと思いたった次第です。
毎週の月曜日00:00に次話公開を目指しています。
スローペースの拙稿ではありますが、お付き合いいただければ嬉しいです。
(2022.04.04)
※信長公記を下地としていますが諸出来事の年次比定を含め随所に著者の創作および定説ではない解釈等がありますのでご承知置きください。
※アルファポリスの仕様上、「HOTランキング用ジャンル選択」欄を「男性向け」に設定していますが、区別する意図はとくにありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる