141 / 175
第139話 ミカワ屋の味噌
しおりを挟む
ナニワ万博でオダ カンパニーが順調なスタートを切ったころとなりのパピリオンは地味に存在感を発揮していました。
ミカワ屋のいえやすを頭とする企業群もまた、この万博で己の存在をアピールせんとしていました。
ミカワ屋のパピリオンは明らかにサンサン商事やオダ カンパニーと比べて地味でしたが、テーマはかなり凝ったものでした。
テーマはズバリ!「お菓子と味噌」です。
これは、健康オタクであるいえやすが周りの部下の反対を押し切って決めたテーマでした。
ミカワ屋傘下の味噌会社と健康食品会社、そして本体であるお菓子メーカーが異次元コラボした企画でした。
ちなみにいえやすは女性も年上好き、趣味も年寄り臭いため、最初から若い層ではなく思い切って年配層に狙いを定めてきました。
特に苦労したのが、健康を売り物にするために、お菓子の場合糖分、味噌の場合塩という摂り過ぎると悪いとされる内容物をどのように抑え、健康をアピールするかでした。
その結果、フルーティで飲みやすい味噌と甘さ控えめのお菓子の組み合わせを編み出し、両方を一緒に食べても抵抗感の無い新しい食のアイデアを提出することが出来ました。
もちろんねちっこく考えが深いいえやすはこれだけで満足しません。
味噌に入っている乳酸菌や体によい物質を高らかに宣伝し、お腹の代謝に不安がある客層にアピールしていきます。
そして、お菓子にも最新の栄養学を取り入れて、健康に良いお菓子と味噌というフレーズをかたくなに守り宣伝していきました。
これが、ひでよしなら味で勝負、ノブナガなら甘さマシマシな製品を提供したでしょうが、そこはいえやす、ミカワ武士の頑固さで突っ走りました。
しかし、いえやすも人の子、やはりおいしいものが大好きなので、一品だけ彼のわがままの品がエントリーします。
それは「鯛の天ぷら」です。
彼の地元のミカワ湾では美味しい鯛が手に入り、それをごま油で炒めるといえやすですら食べ過ぎてしまうという天ぷらが完成します。
ちなみに、これもいえやすのリクエストで美味しいナスを添えて提供されました。
これが、まだまだ若いと自負する観光客や噂を聞きつけた若者に受けて、スタートこそ地味でしたが、毎日観客が増えて人気をはくすことになりました。
※俗説で徳川家康は鯛の天ぷらに当たって亡くなったという話がありますが、最近の学説では違うようです。
※パピリオンのくだりは最初富士山型のドームにしようかと思いましたが、名家いまがわが存在する世界線なのでこのような表現になりました。
ミカワ屋のいえやすを頭とする企業群もまた、この万博で己の存在をアピールせんとしていました。
ミカワ屋のパピリオンは明らかにサンサン商事やオダ カンパニーと比べて地味でしたが、テーマはかなり凝ったものでした。
テーマはズバリ!「お菓子と味噌」です。
これは、健康オタクであるいえやすが周りの部下の反対を押し切って決めたテーマでした。
ミカワ屋傘下の味噌会社と健康食品会社、そして本体であるお菓子メーカーが異次元コラボした企画でした。
ちなみにいえやすは女性も年上好き、趣味も年寄り臭いため、最初から若い層ではなく思い切って年配層に狙いを定めてきました。
特に苦労したのが、健康を売り物にするために、お菓子の場合糖分、味噌の場合塩という摂り過ぎると悪いとされる内容物をどのように抑え、健康をアピールするかでした。
その結果、フルーティで飲みやすい味噌と甘さ控えめのお菓子の組み合わせを編み出し、両方を一緒に食べても抵抗感の無い新しい食のアイデアを提出することが出来ました。
もちろんねちっこく考えが深いいえやすはこれだけで満足しません。
味噌に入っている乳酸菌や体によい物質を高らかに宣伝し、お腹の代謝に不安がある客層にアピールしていきます。
そして、お菓子にも最新の栄養学を取り入れて、健康に良いお菓子と味噌というフレーズをかたくなに守り宣伝していきました。
これが、ひでよしなら味で勝負、ノブナガなら甘さマシマシな製品を提供したでしょうが、そこはいえやす、ミカワ武士の頑固さで突っ走りました。
しかし、いえやすも人の子、やはりおいしいものが大好きなので、一品だけ彼のわがままの品がエントリーします。
それは「鯛の天ぷら」です。
彼の地元のミカワ湾では美味しい鯛が手に入り、それをごま油で炒めるといえやすですら食べ過ぎてしまうという天ぷらが完成します。
ちなみに、これもいえやすのリクエストで美味しいナスを添えて提供されました。
これが、まだまだ若いと自負する観光客や噂を聞きつけた若者に受けて、スタートこそ地味でしたが、毎日観客が増えて人気をはくすことになりました。
※俗説で徳川家康は鯛の天ぷらに当たって亡くなったという話がありますが、最近の学説では違うようです。
※パピリオンのくだりは最初富士山型のドームにしようかと思いましたが、名家いまがわが存在する世界線なのでこのような表現になりました。
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
またね。次ね。今度ね。聞き飽きました。お断りです。
朝山みどり
ファンタジー
ミシガン伯爵家のリリーは、いつも後回しにされていた。転んで怪我をしても、熱を出しても誰もなにもしてくれない。わたしは家族じゃないんだとリリーは思っていた。
婚約者こそいるけど、相手も自分と同じ境遇の侯爵家の二男。だから、リリーは彼と家族を作りたいと願っていた。
だけど、彼は妹のアナベルとの結婚を望み、婚約は解消された。
リリーは失望に負けずに自身の才能を武器に道を切り開いて行った。
「なろう」「カクヨム」に投稿しています。
もふもふ相棒と異世界で新生活!! 神の愛し子? そんなことは知りません!!
ありぽん
ファンタジー
[第3回次世代ファンタジーカップエントリー]
特別賞受賞 書籍化決定!!
応援くださった皆様、ありがとうございます!!
望月奏(中学1年生)は、ある日車に撥ねられそうになっていた子犬を庇い、命を落としてしまう。
そして気づけば奏の前には白く輝く玉がふわふわと浮いていて。光り輝く玉は何と神様。
神様によれば、今回奏が死んだのは、神様のせいだったらしく。
そこで奏は神様のお詫びとして、新しい世界で生きることに。
これは自分では規格外ではないと思っている奏が、規格外の力でもふもふ相棒と、
たくさんのもふもふ達と楽しく幸せに暮らす物語。
異世界でチート能力貰えるそうなので、のんびり牧場生活(+α)でも楽しみます
ユーリ
ファンタジー
仕事帰り。毎日のように続く多忙ぶりにフラフラしていたら突然訪れる衝撃。
何が起こったのか分からないうちに意識を失くし、聞き覚えのない声に起こされた。
生命を司るという女神に、自分が死んだことを聞かされ、別の世界での過ごし方を聞かれ、それに答える
そして気がつけば、広大な牧場を経営していた
※不定期更新。1話ずつ完成したら更新して行きます。
7/5誤字脱字確認中。気づいた箇所あればお知らせください。
5/11 お気に入り登録100人!ありがとうございます!
8/1 お気に入り登録200人!ありがとうございます!
俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される
こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる
初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。
なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています
こちらの作品も宜しければお願いします
[イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]
飯屋の娘は魔法を使いたくない?
秋野 木星
ファンタジー
3歳の時に川で溺れた時に前世の記憶人格がよみがえったセリカ。
魔法が使えることをひた隠しにしてきたが、ある日馬車に轢かれそうになった男の子を助けるために思わず魔法を使ってしまう。
それを見ていた貴族の青年が…。
異世界転生の話です。
のんびりとしたセリカの日常を追っていきます。
※ 表紙は星影さんの作品です。
※ 「小説家になろう」から改稿転記しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる