令和欲張りギャグコメディ「しまづの県」

郭隗の馬の骨

文字の大きさ
上 下
140 / 175

第138話 オダカンパニーのパピリオン

しおりを挟む
現在、サンサン商事と緊張関係にあるオダ カンパニー。
サンサン商事がグループから抜けた形ですが、その後は小康状態を保っています。
サンサン商事主催のナニワ万博の参加については賛成、反対両意見があり、役員会でも揉めに揉めました。

しかし、現在オダ カンパニーで専務を務めるみつひでが次のように意見します。
「今のサンサン商事の勢いはまさに日の出のようなもの、今だ陰る気配がありません!ゆえに今回は穏便に彼らに協力するのが得策と考えます」

その発言の後、今度は総帥であるノブナガが「イベントの優越で勝負をつけるというのであれば、面白い!これも一つの戦と思えば張り合いがでるというもの、皆の者よいな!!!」

と会議室の役員たちを鼓舞する仕方で参加を表明しました

オダ カンパニーのパピリオンはサンサン商事の隣にあり、お客さんが多く集まる立地条件でとても良いものでした。

それは、日ノ本の地図に忠実な事もありましたが、サンサン商事もこの時期オダ カンパニーとことをかまえるよりも元の主人に礼を尽くした方がお得ではないか、という計算が働いたようです。

さて、オダ カンパニーのパピリオンを見ると、テーマは「お菓子とお茶」という内容でした。
一時は天下を席捲した、オダ カンパニーのお菓子群と全国のお茶をコラボして巨大なモニターやパネルを用いて紹介と、観光客に提供するというモノでした。

そして、オダ カンパニーならではの催しもありました。
一つはノブナガの先見性から海外との取引が多いので、南蛮、インド、東南アジアなどのお茶を取り寄せ、それぞれの会場をエキゾチックにするというアイデアでした。

サンサン商事も海外との交易はありましたが、最近は国内での活動に重点を置いていたため、まさにオダ カンパニーの独壇場となるイベントでした。

もう一つは、ノブナガのコレクションである高価な茶器の実物を展示、観光客にはレプリカと最新の立体映像でもてなしました。
まさにオダ カンパニーの財力を生かして高級志向を示す一方、一般客にもそうした気分を味わってもらおうというノブナガらしい試みでした。

会場がバラエティに富んで豊かな色彩をはなっていたせいか、サンサン商事に負けない盛況ぶりで、ノブナガも上機嫌なスタートを切ることが出来ました。

※海外貿易に関しては信長が一番相性が良かったかもしれません。
宣教師たちとの距離感がちょうどよい時期に信長は南蛮と付き合っていたからです。
秀吉や家康の時代になると、地元の宗教との軋轢や、秀吉の場合は覇権主義に陥ってしまったのでお互いが緊張することになりました。

本作の今回の話はそのような史実をスパイスにしてみました。
しおりを挟む
感想 86

あなたにおすすめの小説

夫は平然と、不倫を公言致しました。

松茸
恋愛
最愛の人はもういない。 厳しい父の命令で、公爵令嬢の私に次の夫があてがわれた。 しかし彼は不倫を公言して……

どうやらお前、死んだらしいぞ? ~変わり者令嬢は父親に報復する~

野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
「ビクティー・シークランドは、どうやら死んでしまったらしいぞ?」 「はぁ? 殿下、アンタついに頭沸いた?」  私は思わずそう言った。  だって仕方がないじゃない、普通にビックリしたんだから。  ***  私、ビクティー・シークランドは少し変わった令嬢だ。  お世辞にも淑女然としているとは言えず、男が好む政治事に興味を持ってる。  だから父からも煙たがられているのは自覚があった。  しかしある日、殺されそうになった事で彼女は決める。  「必ず仕返ししてやろう」って。  そんな令嬢の人望と理性に支えられた大勝負をご覧あれ。

公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~

朱色の谷
恋愛
公爵家の末娘として生まれた幼いティアナ。 お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。 お父様やお兄様は私に関心がないみたい。 ただ、愛されたいと願った。 そんな中、夢の中の本を読むと自分の正体が明らかに。

貴族令嬢に生まれたからには念願のだらだらニート生活したい。

譚音アルン
ファンタジー
ブラック企業に勤めてたのがいつの間にか死んでたっぽい。気がつくと異世界の伯爵令嬢(第五子で三女)に転生していた。前世働き過ぎだったから今世はニートになろう、そう決めた私ことマリアージュ・キャンディの奮闘記。 ※この小説はフィクションです。実在の国や人物、団体などとは関係ありません。 ※2020-01-16より執筆開始。

貧乏男爵家の末っ子が眠り姫になるまでとその後

空月
恋愛
貧乏男爵家の末っ子・アルティアの婚約者は、何故か公爵家嫡男で非の打ち所のない男・キースである。 魔術学院の二年生に進学して少し経った頃、「君と俺とでは釣り合わないと思わないか」と言われる。 そのときは曖昧な笑みで流したアルティアだったが、その数日後、倒れて眠ったままの状態になってしまう。 すると、キースの態度が豹変して……?

子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!

八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。 『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。 魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。 しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も… そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。 しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。 …はたして主人公の運命やいかに…

お菓子店の経営に夢中な私は、婚約破棄されても挫けない!

キョウキョウ
恋愛
「僕と店、どっちが大事なんだ?」 「それは当然、お店です」 「なんて失礼な奴だ! お前との婚約は、破棄させてもらう!!」 王都で大繁盛する菓子店の経営者である、公爵令嬢のシャルロッテ。 エヴラール王子は、婚約相手のシャルロッテが経営に夢中になっていることが気に入らなかった。 ある日シャルロッテを呼び出して、自分とお店、どちらが大事なのかを天秤にかけて王子は問いかけた。 彼女の答えを聞いて、エヴラール王子は怒りながら勢い任せでシャルロッテに婚約破棄を言い渡す。 それだけでなく、シャルロッテのお店を営業停止処分にすると宣告した。 婚約者で王族でもある僕のことを最優先に考えて大切にしろ、と王子は言った。 そんな無茶苦茶な理由で婚約を破棄されたシャルロッテはツテを頼って隣国に移り住み、新しい菓子店をオープンする。 ※カクヨムにも掲載中の作品です。

この度、猛獣公爵の嫁になりまして~厄介払いされた令嬢は旦那様に溺愛されながら、もふもふ達と楽しくモノづくりライフを送っています~

柚木崎 史乃
ファンタジー
名門伯爵家の次女であるコーデリアは、魔力に恵まれなかったせいで双子の姉であるビクトリアと比較されて育った。 家族から疎まれ虐げられる日々に、コーデリアの心は疲弊し限界を迎えていた。 そんな時、どういうわけか縁談を持ちかけてきた貴族がいた。彼の名はジェイド。社交界では、「猛獣公爵」と呼ばれ恐れられている存在だ。 というのも、ある日を境に文字通り猛獣の姿へと変わってしまったらしいのだ。 けれど、いざ顔を合わせてみると全く怖くないどころか寧ろ優しく紳士で、その姿も動物が好きなコーデリアからすれば思わず触りたくなるほど毛並みの良い愛らしい白熊であった。 そんな彼は月に数回、人の姿に戻る。しかも、本来の姿は類まれな美青年なものだから、コーデリアはその度にたじたじになってしまう。 ジェイド曰くここ数年、公爵領では鉱山から流れてくる瘴気が原因で獣の姿になってしまう奇病が流行っているらしい。 それを知ったコーデリアは、瘴気の影響で不便な生活を強いられている領民たちのために鉱石を使って次々と便利な魔導具を発明していく。 そして、ジェイドからその才能を評価され知らず知らずのうちに溺愛されていくのであった。 一方、コーデリアを厄介払いした家族は悪事が白日のもとに晒された挙句、王家からも見放され窮地に追い込まれていくが……。 これは、虐げられていた才女が嫁ぎ先でその才能を発揮し、周囲の人々に無自覚に愛され幸せになるまでを描いた物語。 他サイトでも掲載中。

処理中です...