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第131話 よしひろの配慮

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よしひろとよしひさの話合いは状況の打開にはなりませんでした。
よしひさはその後、胃の調子が悪いということで会社に出社しなくなりました。
でも、会社の代表は依然としてよしひさでした。

なので、よしひろとしてもよしひさを通して決めなければならないことが多いので、難儀していました。
よしひろがこの時期に取った手段は以前と同じように、よしひさの部下である役員を通して、よしひさに意見を伝えるというモノでした。

前回の話し合いで、兄を追い詰めたのは失敗だったと反省したようです。
しかし、その分よしひさの役員にくどくどと説明やら愚痴やらを伝えるのでとしひさの部下もとても困っていました。

以前紹介した、うわいという役員はよしひさの忠実な部下でしたが、この時期、事あるごとに会社を辞めたい、隠居したいとよしひさに手紙を出していて、それは彼の日記にも沢山記されていました。

よしひさも兄弟の争いに部下を巻き込んだ罪悪感があったのか、うわいを叱ることはありませんでした。
でも、手紙を受け取ると、その度にうわいをなだめ、すかし、励まして辞めないように穏かに命令していました。

この時期、ナニワ万博のパピリオンの納期が迫っていて、しまづ全体が追い詰められていました。
正直、誰も責任を取りたがらない状況になり、さすがのよしひろも内心諦めていました。

なお、この時期、酒に関して思うことがあったのか、よしひろは息子のただつねに酒に関してこれまたくどい手紙で注意書きを書いています。

内容をかいつまんで説明すると、酒に絶対溺れるな、酒を飲んでいる時はいつも意識があるようにして相手に言質を与えるな!その他細々とした内容があり、たとえ相手が身内であっても酒の席では気をつけるように!
という内容です。

これは、ただつねが若く、性格も危なっかしいことから親心としてのアドバイスと、兄との酒席での失敗を意識したものだったのでしょう。

親心と言うと聞こえはいいですが、ただつねから見ると身内のもやもやをこっちに持ってきてあれこれ小言を言われているわけで、ますますただつねの反抗期ゲージが高まる結果となりました。

※本作ではナニワ万博による負担という表現ですが、史実ベースだと海外出兵による準備と負担を島津が負うことになっています。
なので、義久や島津の国衆が反対したのはそうした戦争の賦役でした。

一方、義弘は三成と密接に接触し、豊臣に逆らえない以上、島津の制度を豊臣に合わせて負担に耐えうるようにするのが生きる道として邁進していきます。
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