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第119話 新世代3人組の親との葛藤

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サッカーが好きで、父親に複雑な感情をいだくという共通点を持つ3人、ただつね、ただおき、うじざね。
彼らは若いゆえなのか、反抗期をこじらせて父親に反発していました。

そんな彼らがある日、その不満を解消するべく、父親にとあるいたずらをすることにしました。
その内容は、それぞれの父親に向かってサッカーボールをおみまいするという微笑ましいものでした。

しかし、この三人、実はみな性格はともかくサッカーの技能は鋭く、おまけにこの機会にとばかりに父親に向かってマジでボールをくらわそうと企んでいました。

というわけでまずはしまづのただつねから親のよしひろにこん身のパスが・・・
おっとー、よしひろダイレクトに蹴り返しサッカーボールは空をかけてお星様のように消えていきました。

とっさの判断でしたが、よしひろは何事もなかったかのようにガハハハッと笑いながら去っていきました。

その時のただつねの悔しそうな顔と、それを見て笑う残り二人の意地悪な顔が、ああ、さすが友人、似た者同士通じるものがあるんだと第三者に納得させるものでした。

次はほそかわのただおきが父のふじたかに向かって鋭いパスを送ります。
それを察知したふじたかは冷静にトラップしてボールを巧みに頭、足、胸と巧みに操り、ボールの勢いがなくなってから息子のただおきにパスして返しました。

さすが完璧超人のふじたかです!
巧緻な技を息子に披露して格の違いを見せつけました。
対して、ただおきは唖然としてボールを受けた後、すっかり気分が落ち込んでしまいました。

それを見ていたただつねは先ほどの仕返しとばかりに笑い、うじざねも同調しました。

さあ、最後はいまがわのうじざねとその父よしもとです。
体力の衰えで隠居した父を思い、うじざねは前の二人と比べると優しいパスを送りました。

このあたり、ただつねやただおきと違い、うじざねは優しい人柄が見て取れます。
しかし、この後3人の予想を外す出来事が起きます。
なんと!よしもとはボールを踏みつけ、その圧倒的力でボールが破裂してしまったのです。

これは下手すると最初のよしひろよりもパワーがあるかも!?
そして、こう怒鳴ります。
「将軍の親族なめとんのか!コソコソ奇襲などせず堂々とでてこいやー!!!」

年の為体力が落ち込んだから隠居したという話なのに、話が違う!?
反抗期で威勢のよかった三人組はそれまでの余裕が嘘かと思われる体でその場を一目散に逃げていきました。

恐るべし、よしもと!恐るべし!!街道一の弓取り!!!
という話でした。

※今川義元の公家としてのイメージは多くの場合ステレオタイプな事が多く、それ以前の親類との争いや武田信玄や北条氏康などとの闘争を鑑みると体力的に劣るということはない可能性も。

ただ、本作はギャグパロディーなので敢て、今までの義元像の逆を突いただけなので真に受けないようによろしくお願いします。

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