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第112話 ミノおわりで起死回生!

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京おとよ隊の隊員数名がよしひろの前に忍者の格好と忍者座りをして参上しました。

そのうちの一人、隊長格と思われる者が第一声でこう報告します。

「ミノおわりで起死回生の動きがあり急いで報告に上がりました。」



よしひろは?という顔をしてそのものに尋ねます。

「そなたの言葉はしまづ弁でもないな!何を言ってるのかよくわからん、いいから一から詳しく話せ!」



報告の内容は次のような事でした。

まず、ミノおわりとは、オダ・カンパニーの拠点の一つミノの事、そしておわりというのはオダ・カンパニーの同盟者であるみかわ屋の拠点おわりを指しています。



つまり、オダとみかわ屋が起死回生のプロジェクトを行っているという内容でした。

サンサン商事のひでよしたちが会社の規模を大きくする中、彼らに負けないための方策ということだとよしひろは理解しました。



よしひろはさらに「そのプロジェクトとはどのようなものか?」と説明を催促します。

それに対しての答えは「アニメです!」



よしひろは一瞬頭が空っぽになったかの如く固まってしまいました。

報告をしにわざわざ来た京おとよ隊も、オダやみかわの連中も頭をぶつけたのかという思いが頭に浮かんできました。



しかし、京おとよ隊はさらに説明をしました。

「まず、オダの方は通称「やくも」なるアニメを放映し、ミノの特産品である陶磁器と自社製品のタイアップ企画を精力的に行い、売り上げが上昇したという報告が上がっています」



「そして同じ時期にみかわ屋の方はもともとアニメに強いおわりの技術を利用してご当地アニメを作成しました。

それも何と2本!!」



「一つはやとが〇ちゃんと高校生たちがみかわ屋の日常を紹介しながら、特産品をこれでもかと紹介する番組。

もう一本はシキザク〇というアニメでこれも舞台はおわりの中心なごやというご当地アニメです」



「しかも恐ろしいことに、声優など出来るだけ自前で作ろうということでみかわ率の高い番組となっています、さらに恐ろしいことに先ほど紹介した「やとが〇ちゃん観察日記」と「シキザク〇」がコラボするという離れ業を繰り出し一部の界隈から大いに評価された模様です」



みかわ率という謎のワードやオタク特有の早口での説明に戸惑いつつもよしひろは報告の内容を理解しました。

京に近い連中はアニメに対して高い期待を持っていること、そしてそのために人員や予算を惜しむことなくつぎ込み、成功していること!



よしひろは報告をした京おとよ隊員たちに「ご苦労だった!!!」とねぎらいの言葉をかけ、彼らもまた、すぐに姿を消しました。

そしてよしひろは「遅れている我々には縁のない話だが、もしわれらもご当地アニメがあれば突破口がひらけるかもなあ」と独り言を口にして業務に戻るのでした。



※リスペクト作品 「八十亀ちゃんかんさつにっき」 「シキザクラ」

どちらも名古屋を中心に地元を活性化させることを目標に立ち上げられた企画で、ともに多くの人々の心に響き、地方活性を促した良作です。
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