令和欲張りギャグコメディ「しまづの県」

郭隗の馬の骨

文字の大きさ
上 下
36 / 175

第34話 新たな動き

しおりを挟む
株式会社しまづの専務、としひさが京の都から帰ってきました。
彼は京での情報を携えて社長のよしひさに元に報告に行きます。
その報告を重要と捉えたよしひさは相談役である父と祖父、そして4兄弟、およびしまづの管理職を集めて会議を行うことにしました。

としひさの持ってきた情報は下記の内容です。
「日ノ本お菓子道連盟」の幹部であるこのえ親子から、オダカンパニーは近々、中国地方のもうり連合とカードゲームで決着する意向である。

なので、しまづはオダカンパニーに協力して欲しいという内容でした。
具体的にはもうりの情報の提供やカードの貸与などを望んでいるとのこと。

ただ、これは表向きの話で、このえ親子の真意はオダカンパニーが大きくなるといろいろ不都合なので、このえ家とえにしのあるしまづに勢力拡大をして欲しいという要請が本音だという話でした。

とりあえず、オダカンパニーとは友好を保ちつつ、社内を引き締めようということで会議はまとまりました。

話は変わってこちらはもうり連合、若社長のてるもとがオダカンパニーとの戦について叔父のたかかげともとはるに相談をしていました。
たかかげは「向こうがやる気なのですからとりあえず初手は受けて立つしかないでしょう」といいます。

もとはるがそれに対して「西のおおともはどうする、東西はさみうち、二正面作戦ではこちらが不利であろう」と懸念を表明します。

たかかげは待ってましたとばかりに、「おおともには蛮族のしまづをぶつけるように策を講じました、心配ご無用です!」と胸を叩きます。

叔父たちに絶大な信頼をもつてるもとは納得して会議を終えました。
それから数日後、辺境の地しまづの東側で今まで問題なく共存していた一部のお菓子メーカーが反旗を翻してきました。

しまづは不意を突かれましたが、副社長のよしひろがカードゲームでライバルメーカーを撃退、何とかその場をおさめました。
その後、もうりから使者が来ました。

使者曰く「今回の乱の黒幕はおおともです、ここはわれらもうりと組んでおおともを共に攻めませんか?」だそうです。

使者の言葉を聞いたよしひさは老舗のおおともとことを構えたくありませんでしたが、よしひろをはじめしまづの社中の多くがこの機会にしまづの勢力を強めるべし、と血気盛んであるため、よしひろに事前によく自分に相談することと、あまり派手にカードゲームで勝敗をつけないように注文しつつ、様子を見ることにしました。

こうして、しまづは中央ともうりの思惑の渦中に流されることになりました。

※戦国時代、織田と島津の関係は少ないながらも良好だったようです。
一方近衛前久は織田信長と親しかった将軍の足利義昭と対立して一度薩摩に追放されています。

その後信長とは関係修復をしたようです。
本編でもある通り、織田は毛利との対決を目指していたので、その牽制の為にも島津とは友好を保とうとしていたようです。

一方毛利の方は中央との対立がある間は敵を増やさぬためにいろんな工作をしていたようで、一時島津と同盟を結ぶような話もちらほら。
ただし、中央との情勢が変わると・・・これは後日のネタバレなので伏せておきます。

しおりを挟む
感想 86

あなたにおすすめの小説

拝啓、愛しの侯爵様~行き遅れ令嬢ですが、運命の人は案外近くにいたようです~

藤原ライラ
ファンタジー
心を奪われた手紙の先には、運命の人が待っていた――  子爵令嬢のキャロラインは、両親を早くに亡くし、年の離れた弟の面倒を見ているうちにすっかり婚期を逃しつつあった。夜会でも誰からも相手にされない彼女は、新しい出会いを求めて文通を始めることに。届いた美しい字で洗練された内容の手紙に、相手はきっとうんと年上の素敵なおじ様のはずだとキャロラインは予想する。  彼とのやり取りにときめく毎日だがそれに難癖をつける者がいた。幼馴染で侯爵家の嫡男、クリストファーである。 「理想の相手なんかに巡り合えるわけないだろう。現実を見た方がいい」  四つ年下の彼はいつも辛辣で彼女には冷たい。  そんな時キャロラインは、夜会で想像した文通相手とそっくりな人物に出会ってしまう……。  文通相手の正体は一体誰なのか。そしてキャロラインの恋の行方は!? じれじれ両片思いです。 ※他サイトでも掲載しています。 イラスト:ひろ様(https://xfolio.jp/portfolio/hiro_foxtail)

神様の手違いで、おまけの転生?!お詫びにチートと無口な騎士団長もらっちゃいました?!

カヨワイさつき
恋愛
最初は、日本人で受験の日に何かにぶつかり死亡。次は、何かの討伐中に、死亡。次に目覚めたら、見知らぬ聖女のそばに、ポツンとおまけの召喚?あまりにも、不細工な為にその場から追い出されてしまった。 前世の記憶はあるものの、どれをとっても短命、不幸な出来事ばかりだった。 全てはドジで少し変なナルシストの神様の手違いだっ。おまけの転生?お詫びにチートと無口で不器用な騎士団長もらっちゃいました。今度こそ、幸せになるかもしれません?!

転生前のチュートリアルで異世界最強になりました。 準備し過ぎて第二の人生はイージーモードです!

小川悟
ファンタジー
いじめやパワハラなどの理不尽な人生から、現実逃避するように寝る間を惜しんでゲーム三昧に明け暮れた33歳の男がある日死んでしまう。 しかし異世界転生の候補に選ばれたが、チートはくれないと転生の案内女性に言われる。 チートの代わりに異世界転生の為の研修施設で3ヶ月の研修が受けられるという。 研修施設はスキルの取得が比較的簡単に取得できると言われるが、3ヶ月という短期間で何が出来るのか……。 ボーナススキルで鑑定とアイテムボックスを貰い、適性の設定を始めると時間がないと、研修施設に放り込まれてしまう。 新たな人生を生き残るため、3ヶ月必死に研修施設で訓練に明け暮れる。 しかし3ヶ月を過ぎても、1年が過ぎても、10年過ぎても転生されない。 もしかしてゲームやりすぎで死んだ為の無間地獄かもと不安になりながらも、必死に訓練に励んでいた。 実は案内女性の手違いで、転生手続きがされていないとは思いもしなかった。 結局、研修が15年過ぎた頃、不意に転生の案内が来る。 すでにエンシェントドラゴンを倒すほどのチート野郎になっていた男は、異世界を普通に楽しむことに全力を尽くす。 主人公は優柔不断で出て来るキャラは問題児が多いです。

スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜

櫛田こころ
ファンタジー
僕は、諏方賢斗(すわ けんと)十九歳。 パンの製造員を目指す専門学生……だったんだけど。 車に轢かれそうになった猫ちゃんを助けようとしたら、あっさり事故死。でも、その猫ちゃんが神様の御使と言うことで……復活は出来ないけど、僕を異世界に転生させることは可能だと提案されたので、もちろん承諾。 ただ、ひとつ神様にお願いされたのは……その世界の、回復アイテムを開発してほしいとのこと。パンやお菓子以外だと家庭レベルの調理技術しかない僕で、なんとか出来るのだろうか心配になったが……転生した世界で出会ったスライムのお陰で、それは実現出来ることに!! 相棒のスライムは、パン製造の出来るレアスライム! けど、出来たパンはすべて回復などを実現出来るポーションだった!! パン職人が夢だった青年の異世界のんびりスローライフが始まる!!

見た目の良すぎる双子の兄を持った妹は、引きこもっている理由を不細工だからと勘違いされていましたが、身内にも誤解されていたようです

珠宮さくら
恋愛
ルベロン国の第1王女として生まれたシャルレーヌは、引きこもっていた。 その理由は、見目の良い両親と双子の兄に劣るどころか。他の腹違いの弟妹たちより、不細工な顔をしているからだと噂されていたが、実際のところは全然違っていたのだが、そんな片割れを心配して、外に出そうとした兄は自分を頼ると思っていた。 それが、全く頼らないことになるどころか。自分の方が残念になってしまう結末になるとは思っていなかった。

新しい道を歩み始めた貴方へ

mahiro
BL
今から14年前、関係を秘密にしていた恋人が俺の存在を忘れた。 そのことにショックを受けたが、彼の家族や友人たちが集まりかけている中で、いつまでもその場に居座り続けるわけにはいかず去ることにした。 その後、恋人は訳あってその地を離れることとなり、俺のことを忘れたまま去って行った。 あれから恋人とは一度も会っておらず、月日が経っていた。 あるとき、いつものように仕事場に向かっているといきなり真上に明るい光が降ってきて……? ※沢山のお気に入り登録ありがとうございます。深く感謝申し上げます。

聖女の力を隠して塩対応していたら追放されたので冒険者になろうと思います

登龍乃月
ファンタジー
「フィリア! お前のような卑怯な女はいらん! 即刻国から出てゆくがいい!」 「え? いいんですか?」  聖女候補の一人である私、フィリアは王国の皇太子の嫁候補の一人でもあった。  聖女となった者が皇太子の妻となる。  そんな話が持ち上がり、私が嫁兼聖女候補に入ったと知らされた時は絶望だった。  皇太子はデブだし臭いし歯磨きもしない見てくれ最悪のニキビ顔、性格は傲慢でわがまま厚顔無恥の最悪を極める、そのくせプライド高いナルシスト。  私の一番嫌いなタイプだった。  ある日聖女の力に目覚めてしまった私、しかし皇太子の嫁になるなんて死んでも嫌だったので一生懸命その力を隠し、皇太子から嫌われるよう塩対応を続けていた。  そんなある日、冤罪をかけられた私はなんと国外追放。  やった!   これで最悪な責務から解放された!  隣の国に流れ着いた私はたまたま出会った冒険者バルトにスカウトされ、冒険者として新たな人生のスタートを切る事になった。  そして真の聖女たるフィリアが消えたことにより、彼女が無自覚に張っていた退魔の結界が消え、皇太子や城に様々な災厄が降りかかっていくのであった。

捨てた騎士と拾った魔術師

吉野屋
恋愛
 貴族の庶子であるミリアムは、前世持ちである。冷遇されていたが政略でおっさん貴族の後妻落ちになる事を懸念して逃げ出した。実家では隠していたが、魔力にギフトと生活能力はあるので、王都に行き暮らす。優しくて美しい夫も出来て幸せな生活をしていたが、夫の兄の死で伯爵家を継いだ夫に捨てられてしまう。その後、王都に来る前に出会った男(その時は鳥だった)に再会して国を左右する陰謀に巻き込まれていく。

処理中です...