上 下
14 / 175

第12話 オダカンパニー総帥ノブナガとみつひで

しおりを挟む
「オダカンパニー」日ノ本の中心部を抑え、お菓子業界の中で覇権に一番近いとされる超大型企業群の名称です。
独立軍団長制を取っており、日ノ本の四方にそれぞれ軍団長を配置してお菓子業界の天下統一を目指していました。

そのトップは「総帥」という尊称を与えられていて強力な指導力を発揮していました。
総帥の名は「ノブナガ」別名魔王とも言われる恐るべき人物です。

 ノブナガの恐ろしさはその判断力の速さにありました。
新しいもので役に立ちそうなものはすぐに自分の元に情報を集め試します。

オダカンパニーの商品である、「ごんぺいとう」や「ガステーラ」も彼の新しい物好きがもたらした新製品でした。
この西洋のお菓子を取り入れることで、饅頭が主力であった日ノ本のお菓子業界の勢力図が一気にオダ有利に進んでいきました。

普段のノブナガは陽気なキャラで、相撲をとったり、雑談に花を咲かせたりと社交的な一面がありました。
ノブナガの噂を聞いて、会う時に緊張する者もいましたが、会ってみると意外と話しやすい人物だと拍子抜けする者もいるようです。

しかし、彼は短気で声も甲高く、機嫌を損ねるととても狂暴になるそうです。
あと、怒った時に悪口を吐くのですが、これもまた例の甲高い声で独特の表現を使います。

ある軍団長は「猿」だの「禿ネズミ」だのとののしられながら蹴飛ばされました。
また、ある者は「キンカン頭」とののしられながら蹴りを何発も食らいました。
この「キンカン頭」とののしられたのがオダカンパニーの懐刀と言われる「みつひで」です。

みつひでは南蛮渡来のごんぺいとうやガステーラをうまく営業で用い、各地で売り上げを伸ばしていきました。

また、彼は茶の湯にも造詣が深く、ごんぺいとうやガステーラとお茶の組み合わせで新たなブランドを立ち上げることで、諸国に対して圧倒的優位を築くことに成功したのです。

こうして、オダカンパニーは東は岐阜から西は岡山近辺まで勢力を広げていきました。
日ノ本の端っこのしまづからは考えられないような勢力範囲を広げていったのです。

そして、しまづ四兄弟の末っ子である「いえひさ」とその子「とよひさ」は都会の知識がほとんどない状態でこの怖いノブナガに会いに行こうとしていたのです。
さて、このままで果たしていえひさたちの旅は上手くいくのでしょうか。

そんな心配をものともせずいえひさたちは旅を楽しんでいました。
しかし、心配性の長男、よしひさは策を巡らしていました。
しまづ必殺の戦法がこの時さく裂します。
皆さんも予想してみて下さいネ。

次回に続く。

※ お菓子の名前について。
万が一、大人の事情のお世話にならないために、お菓子の名前を変えています。
例えばカステラ→ガステーラ、かるかん→がるかん、金平糖→ごんぺいとう等です。

大人の皆さんが見て問題がないようでしたら、表記を変えたいと考えています。
でも、万が一本作でやらかしがある場合に備え、とりあえずは架空のお菓子で、現代あるお菓子と似たもんだと思って想像していただけたら幸いです。
しおりを挟む
感想 86

あなたにおすすめの小説

武田信玄の奇策・東北蝦夷地侵攻作戦ついに発動す!

沙羅双樹
歴史・時代
歴史的には、武田信玄は上洛途中で亡くなったとされていますが、もしも、信玄が健康そのもので、そして、上洛の前に、まずは東北と蝦夷地攻略を考えたら日本の歴史はどうなっていたでしょうか。この小説は、そんな「夢の信玄東北蝦夷地侵攻大作戦」です。 カクヨムで連載中の小説を加筆訂正してお届けします。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

赤ずきんちゃんと狼獣人の甘々な初夜

真木
ファンタジー
純真な赤ずきんちゃんが狼獣人にみつかって、ぱくっと食べられちゃう、そんな甘々な初夜の物語。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。

すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。 そこで私は一人の男の人と出会う。 「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」 そんな言葉をかけてきた彼。 でも私には秘密があった。 「キミ・・・目が・・?」 「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」 ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。 「お願いだから俺を好きになって・・・。」 その言葉を聞いてお付き合いが始まる。 「やぁぁっ・・!」 「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」 激しくなっていく夜の生活。 私の身はもつの!? ※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 では、お楽しみください。

戦国を駆ける軍師・山本勘助の嫡男、山本雪之丞

沙羅双樹
歴史・時代
川中島の合戦で亡くなった軍師、山本勘助に嫡男がいた。その男は、山本雪之丞と言い、頭が良く、姿かたちも美しい若者であった。その日、信玄の館を訪れた雪之丞は、上洛の手段を考えている信玄に、「第二啄木鳥の戦法」を提案したのだった……。 この小説はカクヨムに連載中の「武田信玄上洛記」を大幅に加筆訂正したものです。より読みやすく面白く書き直しました。

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

処理中です...