上 下
10 / 175

第8話 しまづ社訓、舐められたらコ〇〇〇

しおりを挟む
さて、脳筋しまづの社風に押され、平穏な暮らしを求める社長よしひさ。
今日も社内の巡回です。
また、あのしまづ特有の熱気にあてられるのかと気が沈みがちな彼はいつものように副社長よしひろたちが働く職場に足を運びます。

いつものようによしひろの「ガハハハ」という声とがるかん隊のこれまた勇ましい声が部屋中に響き渡ります。

「またか」と落胆しそうになったよしひさですが、ふとある変化に気づきました。
あの看板、しまづの社訓の看板に微妙な変化があったことに気づいたのです。
いつもなら「舐められたらコ〇ス」であったのが、よく見ると「舐められたらコロコロ」に変わっていたのです!

どうしたのかと、よしひさがよしひろに尋ねるとよしひろはこう返します。
「ガハハハ!兄者気づいたか!!最近猫に首ったけでな、面白いと思って猫を思いつつ書いてみたんじゃ!!!」

よく見ると、文字の左には猫の絵が、右には猫の肉球の絵がそれぞれ描かれていました。
「兄者も最近疲れてるだろうから、癒しの一つでもあったらええかと思ってな!!!


よしひろは外見こそ大男だが顔は優しく、心根もやさしい人間です。
そしてよしひさに対しての兄弟愛も強いものがありました。
よしひさはそのことにあらためて気づき、冷静な彼の心にも熱い何かがこみ上げてきました。

「よしひろ、悪いが少し席をはずすぞ!」
そういって彼はしばし席を外して一人静かな所で涙するのでした。

少しして、よしひさは帰ってきました。
「兄者!調子はよくなったか!!」よしひろの元気な掛け声に表向きはクールにしつつも、よしひさの顔色はずいぶんとよくなっていました。

そして、言葉がなくてもよしひろは事情を察し、満身の笑みを浮かべつつ仕事をするのでした。終わり

※島津メモ 島津義弘は沢山の猫を飼っていたと思われます。
関白にもなった近衛前久から猫が欲しいという手紙をもらったという逸話や海外遠征の時に猫を7匹連れていき、後に猫のために小さな神社を建立したとされる。

彼の息子の久保(ひさやす)はこの遠征の途中で病死しましたが、久保の愛猫は茶トラで「ヤス」という名前だったそうです。
鹿児島では茶トラにゃんのことを「ヤスネコ」と呼んでます。
引用元 ヤスネ様スペシャルサンクス
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

選ばれたのは美人の親友

杉本凪咲
恋愛
侯爵令息ルドガーの妻となったエルは、良き妻になろうと奮闘していた。しかし突然にルドガーはエルに離婚を宣言し、あろうことかエルの親友であるレベッカと関係を持った。悔しさと怒りで泣き叫ぶエルだが、最後には離婚を決意して縁を切る。程なくして、そんな彼女に新しい縁談が舞い込んできたが、縁を切ったはずのレベッカが現れる。

夫を愛することはやめました。

杉本凪咲
恋愛
私はただ夫に好かれたかった。毎日多くの時間をかけて丹念に化粧を施し、豊富な教養も身につけた。しかし夫は私を愛することはなく、別の女性へと愛を向けた。夫と彼女の不倫現場を目撃した時、私は強いショックを受けて、自分が隣国の王女であった時の記憶が蘇る。それを知った夫は手のひらを返したように愛を囁くが、もう既に彼への愛は尽きていた。

〈完結〉この女を家に入れたことが父にとっての致命傷でした。

江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」アリサは父の後妻の言葉により、家を追い出されることとなる。 だがそれは待ち望んでいた日がやってきたでもあった。横領の罪で連座蟄居されられていた祖父の復活する日だった。 十年前、八歳の時からアリサは父と後妻により使用人として扱われてきた。 ところが自分の代わりに可愛がられてきたはずの異母妹ミュゼットまでもが、義母によって使用人に落とされてしまった。義母は自分の周囲に年頃の女が居ること自体が気に食わなかったのだ。 元々それぞれ自体は仲が悪い訳ではなかった二人は、お互い使用人の立場で二年間共に過ごすが、ミュゼットへの義母の仕打ちの酷さに、アリサは彼女を乳母のもとへ逃がす。 そして更に二年、とうとうその日が来た…… 

最後に言い残した事は

白羽鳥(扇つくも)
ファンタジー
 どうして、こんな事になったんだろう……  断頭台の上で、元王妃リテラシーは呆然と己を罵倒する民衆を見下ろしていた。世界中から尊敬を集めていた宰相である父の暗殺。全てが狂い出したのはそこから……いや、もっと前だったかもしれない。  本日、リテラシーは公開処刑される。家族ぐるみで悪魔崇拝を行っていたという謂れなき罪のために王妃の位を剥奪され、邪悪な魔女として。 「最後に、言い残した事はあるか?」  かつての夫だった若き国王の言葉に、リテラシーは父から教えられていた『呪文』を発する。 ※ファンタジーです。ややグロ表現注意。 ※「小説家になろう」にも掲載。

転生料理人の異世界探求記(旧 転生料理人の異世界グルメ旅)

しゃむしぇる
ファンタジー
 こちらの作品はカクヨム様にて先行公開中です。外部URLを連携しておきましたので、気になる方はそちらから……。  職場の上司に毎日暴力を振るわれていた主人公が、ある日危険なパワハラでお失くなりに!?  そして気付いたら異世界に!?転生した主人公は異世界のまだ見ぬ食材を求め世界中を旅します。  異世界を巡りながらそのついでに世界の危機も救う。  そんなお話です。  普段の料理に使えるような小技やもっと美味しくなる方法等も紹介できたらなと思ってます。  この作品は「小説家になろう」様及び「カクヨム」様、「pixiv」様でも掲載しています。  ご感想はこちらでは受け付けません。他サイトにてお願いいたします。

勇者じゃないと追放された最強職【なんでも屋】は、スキル【DIY】で異世界を無双します

華音 楓
ファンタジー
旧題:re:birth 〜勇者じゃないと追放された最強職【何でも屋】は、異世界でチートスキル【DIY】で無双します~ 「役立たずの貴様は、この城から出ていけ!」  国王から殺気を含んだ声で告げられた海人は頷く他なかった。  ある日、異世界に魔王討伐の為に主人公「石立海人」(いしだてかいと)は、勇者として召喚された。  その際に、判明したスキルは、誰にも理解されない【DIY】と【なんでも屋】という隠れ最強職であった。  だが、勇者職を有していなかった主人公は、誰にも理解されることなく勇者ではないという理由で王族を含む全ての城関係者から露骨な侮蔑を受ける事になる。  城に滞在したままでは、命の危険性があった海人は、城から半ば追放される形で王城から追放されることになる。 僅かな金銭で追放された海人は、生活費用を稼ぐ為に冒険者として登録し、生きていくことを余儀なくされた。  この物語は、多くの仲間と出会い、ダンジョンを攻略し、成りあがっていくストーリーである。

社会復帰日記

社会復帰中
現代文学
鬱病に至る経過から、社会復帰の過程を書きます。 日記として、毎日更新を行っていきます。 この文章は、note、エブリスタ、小説家になろう、セルバンテス、ShortNoteに同じ内容のものを投稿しています。見やすい媒体でご覧ください。

処理中です...