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第9羽 魔人?
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アクトを中心に、空が少しずつ赤く染まって行く。それに気付いた市民たちが、慌てて街の外に向かって走り出した。
「なぜ、どうやって?この街に入ったのじゃ?」
何をそんなに慌てているのだろうか?魔人ってあれでしょ、魔力の高い人でしょ。昔なんかで読んだことあるよ。
「リロリさん」
「なんじゃ!」
「あれがアクトさんですよ」
「は!?一国の騎士が、魔人じゃったのか!まさかそんなはずは、じゃが確かにあの紋章はって、そんな場合じゃないのじゃ!来るぞ!儂は、防御の真理を読み解き魔法を発動するのじゃ!魔を防ぐ白い盾よ、儂たちを魔から守りたまえ!聖なる盾!!」
大きく白い透明な盾が、僕たちと魔人の間に出現し、魔人の放った黒い炎を防いだ。
「けけけ、けけけ……これを防ぐか、おい!そこの魔物と亜人!よくも、よくも朝はやってくれたな!!のしつけてお前らの魂喰らってやる!!」
「イースターさん!!」
「きゅう!」
イースターさんは、魔人が放つ炎を空中だというのに華麗に避けながら、ジリジリと魔人に迫って行く。魔人は、苦虫を噛み潰したような顔で、イースターさんから距離を取って行く。
どうする?これでは強いイースターさんでも、魔人に近づくことが出来なければ攻撃が……良いこと思いついちゃった。
「リロリさん!盾で足場作れる?」
「何か考えがあるようじゃな、2枚しか出せないがそれで足りるか?」
「うん、僕が合図したら頼む」
僕はイースターさんが飛んだタイミングで、リロリさんに合図を出した。
「儂は、防御の真理を、再度読み解き魔法を発動するのじゃ!課の者の足場を作りたまえ、浮遊する盾!」
「イースターさんやったれぇーーー!!」
「きゅいーーー!」
「何ぃ!?」
詠唱が中途半端なそんな魔法だったら、僕の生活魔法でも防げんだよ!
「ぐはぁ!!」
魔人のお腹がイースターさんのキックで爆砕する。
「やったか!」
それ今1番言っちゃダメな奴だよ!
「けけけ、お前ら道連れにしてやるよ!!俺は、爆破の真理を、もう一度読み解き魔法を発動させる!俺の命を糧に、爆発せよ!範囲爆破」
ほらやっぱり、1番災厄な事態になったよ!
魔人は、イースターさんとリロリさんのコンボを恐れて、飛んでも届かないようなとこで、詠唱の4分の3を言い終わったとき、一気に降下し始めた。
てか、どうしよう…え、もしかして僕たちの旅、ここで終わるの?まじ。イースターさんに会えて良かった。死ぬときは……一緒だよ。
『そんなことはさせません。香月莉緒さんは、この世界に必要な人物なのですから。イースターさん、耐えて下さいね。対象イースターさんに、一時的にヘスティアの加護を付与。この街にいる魔人を除いた生き物全てに、不惜身命を使用いたします。そして、一時的に痛覚を遮断します』
今何か聞こえた気もするけど、今はイースターさんと最後のひと時を…イースターさん、天国で会おうね。
「きゅう♡」
「死ねぇ!!」
僕たちは強い光と衝撃に襲われた。人たちの断末魔が爆音に包まれる。僕らは死を覚悟し目を瞑った。音が収まり、目を開けると灰とかした街、そして僕を庇うようにイースターさんが、傷だらけで立っていた。イースターさんは、力無く倒れた。
「イースタァーしゃん?…嫌ぁ!!!!」
イースターさんが死んじゃう!誰か誰か、回復魔法を!そうだ!あの木ノ実なら、回復させれる。僕は急いでランドセルから、木ノ実を取り出してイースターさんの口に、絞り汁を無理矢理突っ込んだ。
「お願い、お願い。起きて、起きて…イーシュターーシャンが、死んじゃったよぉーーーーーー(´༎ຶོρ༎ຶོ`)」
直ぐに後を追うからね、イースターさんを1人になんてしないよ。僕はそこら辺にあった、尖った瓦礫を震えた手で持って、心臓の前で構える。
「今行くよ……」
僕が思っいっきり突き刺そうと目を瞑る。天国で会おうね。
「え?!」
「きゅ、きゅい」
僕は目を見開いて、石を投げ捨てイースターさんに思いっきり抱きついて、わんわん泣いた。イースターさんは、僕を優しく抱きしめて、頭を優しく撫でてくれた。
ーーーーーーーーーー数分後ーーーーーーーーーーー
僕は未だに涙が止まらず、イースターさんの兎毛を濡らしていた。そんなときだった、知っていた声が背後の方から聞こえてきた。
「リオさぁーん!イースターァーさん!」
「お姉ちゃーーーん!!」
「おねぇーーー!」
「おねぇ!」
僕は涙を袖で拭いて振り返った。そこには孤児院の人たちがいた。その後ろからは、ハゲ眼鏡さん、ゲロリさん、そしてギルマスと、爆風で飛ばされたリロリさんも走ってきていた。良かった、良かった。みんな無事で、本当に……僕は今度は嬉し涙を流した。
「みんなぁーーー!」
「きゅーーーうー!」
あの事件で死者は、人口35,000人居たのにもかかわらず、死者は誰もいなかったとギルマスから聞いた。知り合いの人以外、あの爆発で死ななかった理由が、イースターさんだってことは、誰も知らないのであった。
この日数人の目撃者たちの間で、俺らを助けてくれたのはウサミミの少女と、大きな白いウサギだったと言う噂が広がり、街を立て直すシンボルとして、僕たちの石像が街の中心に立てられるのは、もう少し後の話し。
「なぜ、どうやって?この街に入ったのじゃ?」
何をそんなに慌てているのだろうか?魔人ってあれでしょ、魔力の高い人でしょ。昔なんかで読んだことあるよ。
「リロリさん」
「なんじゃ!」
「あれがアクトさんですよ」
「は!?一国の騎士が、魔人じゃったのか!まさかそんなはずは、じゃが確かにあの紋章はって、そんな場合じゃないのじゃ!来るぞ!儂は、防御の真理を読み解き魔法を発動するのじゃ!魔を防ぐ白い盾よ、儂たちを魔から守りたまえ!聖なる盾!!」
大きく白い透明な盾が、僕たちと魔人の間に出現し、魔人の放った黒い炎を防いだ。
「けけけ、けけけ……これを防ぐか、おい!そこの魔物と亜人!よくも、よくも朝はやってくれたな!!のしつけてお前らの魂喰らってやる!!」
「イースターさん!!」
「きゅう!」
イースターさんは、魔人が放つ炎を空中だというのに華麗に避けながら、ジリジリと魔人に迫って行く。魔人は、苦虫を噛み潰したような顔で、イースターさんから距離を取って行く。
どうする?これでは強いイースターさんでも、魔人に近づくことが出来なければ攻撃が……良いこと思いついちゃった。
「リロリさん!盾で足場作れる?」
「何か考えがあるようじゃな、2枚しか出せないがそれで足りるか?」
「うん、僕が合図したら頼む」
僕はイースターさんが飛んだタイミングで、リロリさんに合図を出した。
「儂は、防御の真理を、再度読み解き魔法を発動するのじゃ!課の者の足場を作りたまえ、浮遊する盾!」
「イースターさんやったれぇーーー!!」
「きゅいーーー!」
「何ぃ!?」
詠唱が中途半端なそんな魔法だったら、僕の生活魔法でも防げんだよ!
「ぐはぁ!!」
魔人のお腹がイースターさんのキックで爆砕する。
「やったか!」
それ今1番言っちゃダメな奴だよ!
「けけけ、お前ら道連れにしてやるよ!!俺は、爆破の真理を、もう一度読み解き魔法を発動させる!俺の命を糧に、爆発せよ!範囲爆破」
ほらやっぱり、1番災厄な事態になったよ!
魔人は、イースターさんとリロリさんのコンボを恐れて、飛んでも届かないようなとこで、詠唱の4分の3を言い終わったとき、一気に降下し始めた。
てか、どうしよう…え、もしかして僕たちの旅、ここで終わるの?まじ。イースターさんに会えて良かった。死ぬときは……一緒だよ。
『そんなことはさせません。香月莉緒さんは、この世界に必要な人物なのですから。イースターさん、耐えて下さいね。対象イースターさんに、一時的にヘスティアの加護を付与。この街にいる魔人を除いた生き物全てに、不惜身命を使用いたします。そして、一時的に痛覚を遮断します』
今何か聞こえた気もするけど、今はイースターさんと最後のひと時を…イースターさん、天国で会おうね。
「きゅう♡」
「死ねぇ!!」
僕たちは強い光と衝撃に襲われた。人たちの断末魔が爆音に包まれる。僕らは死を覚悟し目を瞑った。音が収まり、目を開けると灰とかした街、そして僕を庇うようにイースターさんが、傷だらけで立っていた。イースターさんは、力無く倒れた。
「イースタァーしゃん?…嫌ぁ!!!!」
イースターさんが死んじゃう!誰か誰か、回復魔法を!そうだ!あの木ノ実なら、回復させれる。僕は急いでランドセルから、木ノ実を取り出してイースターさんの口に、絞り汁を無理矢理突っ込んだ。
「お願い、お願い。起きて、起きて…イーシュターーシャンが、死んじゃったよぉーーーーーー(´༎ຶོρ༎ຶོ`)」
直ぐに後を追うからね、イースターさんを1人になんてしないよ。僕はそこら辺にあった、尖った瓦礫を震えた手で持って、心臓の前で構える。
「今行くよ……」
僕が思っいっきり突き刺そうと目を瞑る。天国で会おうね。
「え?!」
「きゅ、きゅい」
僕は目を見開いて、石を投げ捨てイースターさんに思いっきり抱きついて、わんわん泣いた。イースターさんは、僕を優しく抱きしめて、頭を優しく撫でてくれた。
ーーーーーーーーーー数分後ーーーーーーーーーーー
僕は未だに涙が止まらず、イースターさんの兎毛を濡らしていた。そんなときだった、知っていた声が背後の方から聞こえてきた。
「リオさぁーん!イースターァーさん!」
「お姉ちゃーーーん!!」
「おねぇーーー!」
「おねぇ!」
僕は涙を袖で拭いて振り返った。そこには孤児院の人たちがいた。その後ろからは、ハゲ眼鏡さん、ゲロリさん、そしてギルマスと、爆風で飛ばされたリロリさんも走ってきていた。良かった、良かった。みんな無事で、本当に……僕は今度は嬉し涙を流した。
「みんなぁーーー!」
「きゅーーーうー!」
あの事件で死者は、人口35,000人居たのにもかかわらず、死者は誰もいなかったとギルマスから聞いた。知り合いの人以外、あの爆発で死ななかった理由が、イースターさんだってことは、誰も知らないのであった。
この日数人の目撃者たちの間で、俺らを助けてくれたのはウサミミの少女と、大きな白いウサギだったと言う噂が広がり、街を立て直すシンボルとして、僕たちの石像が街の中心に立てられるのは、もう少し後の話し。
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