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5話 マゼラン亭へお届け。
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僕はシンジさんとツバキさんに教えてもらった通りに進んで冒険者ギルドを探していた。
道中、大人気なのか行列ができている店を発見して通り過ぎようとした時だった。
〈ぐゔぅー!ぐゔーっ!ぐぐぐゔぅ……〉
「ゔぅ…お腹空いた。」
(そういや、配達終わりに死んだから夜飯食べてなかったんだ!)
お腹の音の凄さに周りにいたお客の視線が僕に集まるのを感じ恥ずかしさでその場を離れようとしたら元気が取り柄なオバさんが僕の前に立って道を塞ぐと話しかけてきた。
「あんた…お腹空いてんのかい?」
「はい。美味しそうな匂いにお腹が反応しちゃって……直ぐに立ち去りますから!」
「待ちな!」
グッと肩を掴むと馬鹿力なのか…僕が非力なのか……ビクともしなかった。
「ご飯食べさせてあげるから裏から入んな!」
言われるがまま連れて行かれ、裏から中に入ると厨房では忙しそうにシェフが右往左往していた。
「大変そう……」
「そりゃね♪ウチはこの町でナンバーワンの食堂だからね!」
2階へと上がると個室に案内されるとイスに腰掛けるように言われて僕は腰掛けた。
「ちょっと待ってな!」
それだけ言い残すと一人取り残される。
(待てと言われてもな…あの感じは料理を運んで来てくれる雰囲気だけど……高そうな店だしな。)
「悪徳なやり手の店主ってイメージじゃないし…」
しばらくすると料理を運んで来た店主さんは僕の前の机に美味しそうな料理を運んで来てくれた。
「まぁ、"まかない"だから提供する料理じゃなくてすまないね!」
「えっ……美味そうなんだけど!?た、食べても良いんですか?」
「そりゃあ、アンタに食べさせる為に持って来たんだから、遠慮せずにしっかり食べな!」
「それじゃ、遠慮なく……頂きまーす♪」
僕はガッツいて食べた。異世界の料理のイメージはあんまり期待できないって思っていたのに想像を超える美味さに箸が止まらなかった。
「ご馳走様でした……美味かったぁ。」
シミジミと感じていると……
「最初の"頂きます?"と最後の"ご馳走様?"って何なんだい?」
「これは僕が居た場所の礼儀作法ですよ?」
「なるほどね~♪イイ食いっぷりじゃないか!」
「アイツにも本当は今頃……」
「アイツ?誰か聞いても…?」
(正直、一食分の働きはしないとバチが当たる!)
「ジンっていう冒険者がいるんだがね…今朝から大忙しで、いつもならダンジョンに潜る日は必ず、弁当を持たせてやるんだが…今日は私そびれてしまったんだよ。」
つまり、配達のお仕事……僕の出番では?!
それに…ダンジョンに潜ると帰るのも大変だよね。
腹が減ったら動けなくなるし、危険かも……。
「それ……僕が行くよ!」
「えっ…アンタが?あはは…無理しなさんな!気持ちはありがたいけど、ダンジョンは甘くない。」
「けど…ジンさんお腹空かせてるんじゃ?」
「腹空かせたら戻るよ…きっと。ヤツは冒険者歴は長いからね!臆病ジンはダテじゃないさね。」
そんな顔しながらじゃ……信用なんでできないよ店主さん。それに…僕も決めたんだ……ダンジョンに行ってみたいって♪
「僕は実は転生者なんだ!だからそれなりに強い…はず。それにダンジョンの中でモンスターを倒す目的じゃないから大丈夫です。」
自信満々に啖呵を切った僕を見て折れたみたいでお弁当の配達を依頼された。
「本当に良いんだね?危険な依頼になるけど。」
「大丈夫!任せてよ。ちゃんと届けるし、無理もしないですから♪」
「何でアンタ……そんな嬉しそうなんだい?」
「そりゃ~ダンジョンってワクワクするじゃないですか!」
(あっ!本音を言っちゃった…アハッ♪)
「そうかい?絶対に無理しないように気をつけて!ジンの特徴とダンジョンの場所を今から説明するからね?」
「はい!教えて下さい…居場所と特徴を……」
店主さんからジンさんについての情報をしっかりと聞いてから僕はダンジョンに向かった。
道中、大人気なのか行列ができている店を発見して通り過ぎようとした時だった。
〈ぐゔぅー!ぐゔーっ!ぐぐぐゔぅ……〉
「ゔぅ…お腹空いた。」
(そういや、配達終わりに死んだから夜飯食べてなかったんだ!)
お腹の音の凄さに周りにいたお客の視線が僕に集まるのを感じ恥ずかしさでその場を離れようとしたら元気が取り柄なオバさんが僕の前に立って道を塞ぐと話しかけてきた。
「あんた…お腹空いてんのかい?」
「はい。美味しそうな匂いにお腹が反応しちゃって……直ぐに立ち去りますから!」
「待ちな!」
グッと肩を掴むと馬鹿力なのか…僕が非力なのか……ビクともしなかった。
「ご飯食べさせてあげるから裏から入んな!」
言われるがまま連れて行かれ、裏から中に入ると厨房では忙しそうにシェフが右往左往していた。
「大変そう……」
「そりゃね♪ウチはこの町でナンバーワンの食堂だからね!」
2階へと上がると個室に案内されるとイスに腰掛けるように言われて僕は腰掛けた。
「ちょっと待ってな!」
それだけ言い残すと一人取り残される。
(待てと言われてもな…あの感じは料理を運んで来てくれる雰囲気だけど……高そうな店だしな。)
「悪徳なやり手の店主ってイメージじゃないし…」
しばらくすると料理を運んで来た店主さんは僕の前の机に美味しそうな料理を運んで来てくれた。
「まぁ、"まかない"だから提供する料理じゃなくてすまないね!」
「えっ……美味そうなんだけど!?た、食べても良いんですか?」
「そりゃあ、アンタに食べさせる為に持って来たんだから、遠慮せずにしっかり食べな!」
「それじゃ、遠慮なく……頂きまーす♪」
僕はガッツいて食べた。異世界の料理のイメージはあんまり期待できないって思っていたのに想像を超える美味さに箸が止まらなかった。
「ご馳走様でした……美味かったぁ。」
シミジミと感じていると……
「最初の"頂きます?"と最後の"ご馳走様?"って何なんだい?」
「これは僕が居た場所の礼儀作法ですよ?」
「なるほどね~♪イイ食いっぷりじゃないか!」
「アイツにも本当は今頃……」
「アイツ?誰か聞いても…?」
(正直、一食分の働きはしないとバチが当たる!)
「ジンっていう冒険者がいるんだがね…今朝から大忙しで、いつもならダンジョンに潜る日は必ず、弁当を持たせてやるんだが…今日は私そびれてしまったんだよ。」
つまり、配達のお仕事……僕の出番では?!
それに…ダンジョンに潜ると帰るのも大変だよね。
腹が減ったら動けなくなるし、危険かも……。
「それ……僕が行くよ!」
「えっ…アンタが?あはは…無理しなさんな!気持ちはありがたいけど、ダンジョンは甘くない。」
「けど…ジンさんお腹空かせてるんじゃ?」
「腹空かせたら戻るよ…きっと。ヤツは冒険者歴は長いからね!臆病ジンはダテじゃないさね。」
そんな顔しながらじゃ……信用なんでできないよ店主さん。それに…僕も決めたんだ……ダンジョンに行ってみたいって♪
「僕は実は転生者なんだ!だからそれなりに強い…はず。それにダンジョンの中でモンスターを倒す目的じゃないから大丈夫です。」
自信満々に啖呵を切った僕を見て折れたみたいでお弁当の配達を依頼された。
「本当に良いんだね?危険な依頼になるけど。」
「大丈夫!任せてよ。ちゃんと届けるし、無理もしないですから♪」
「何でアンタ……そんな嬉しそうなんだい?」
「そりゃ~ダンジョンってワクワクするじゃないですか!」
(あっ!本音を言っちゃった…アハッ♪)
「そうかい?絶対に無理しないように気をつけて!ジンの特徴とダンジョンの場所を今から説明するからね?」
「はい!教えて下さい…居場所と特徴を……」
店主さんからジンさんについての情報をしっかりと聞いてから僕はダンジョンに向かった。
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