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32話 賊の異変!?

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『パンドラ・ハウス』を発見した僕は停止した家のドアを開いた。あんだけ激しく動き回っていたのに不思議なくらいに中の家具や装飾品は無傷。

 そして…恐ろしいほど静寂に包まれていた……。

「何だろ…この甘い香り……花かな?」

 家に入って直ぐに花の香りが全体的に香りを感じていたが、中へ進むほどにより濃ゆくなっていく。

「外観と内観が変じゃないか……?」

 外から見たこの家は一軒家の平屋建てだったんだけど、中に入るとストレートにずっと続いていて両サイドに部屋が均一に配置されている。

「自分が作ったとはいえ…気持ちが悪い。」

 そう…気持ちが悪いのだ。入ってから違和感がずっとある。しかも、酔ったような感覚でグワグワしている。

「とりあえず……部屋を確認するか。何処かには必ずいるはずだし、隠れて反撃の機会を狙っているかもしれない…油断しないように集中しよう!」

 左側から順にドアを開けていく……最初の2部屋は誰もいなかった。

「誰もいない……もしかして栄養になった!?」

 不安はある…だけど、生存者に期待して次々と開いていくとそこに賊の一味が一人で部屋の椅子にもたれかかっていた。

「おっ…いた。死んでないよな……」

 彼は目を閉じてピクリとも動かなかったから急いで脈を測る。息もしていて脈もあることが分かり、生きていることがわかった。

「ちゃんと生きてる……良かった。」

 それから他の賊も別の部屋に一人ずつ椅子に座っていた。13人に外傷は無く、ただ…意識を失った状態で発見した。

「流石にこの人数を外に運び出すのは無理だ…。」

 子供の力を強化して運んでも時間かかるし、それに……外に出してる最中に意識を戻して逃げられても面倒だしね!

「よし、外で家を見張っておこう…そうしよう!」

 それにデルカが応援を呼びに行った。
応援……さすがにルシアじゃなくて冒険者ギルドとか憲兵とかを連れてくるはず。うん……たぶん。

「早く戻ってこーい!デルカ……」


「ガチャン!?」
 すると中から物音が聞こえて来た。動いているのは一人だろうけど、僕は少し警戒して中から出てくるかも知れない賊を見張っていた。

「誰か起きたのかもしれないな。武器を構えて直ぐに捕まえるようにしないと!」

 しかし、いつまで経っても出てくる気配がない。もしかして…苦しみもがいて死んだとか!?

「見に行った方が良いか?賊の罠の可能性も…?」

 僕は誰も殺さないって決めたんだ!
中に突入すると玄関先にロバートさんが土下座している異様な光景に驚く。

 何が起きているんだ……どうして土下座を?!
僕が困惑していると彼はまるで別人に生まれ変わったかのような雰囲気を出していた。
 
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