(改訂版)帝国の王子は無能だからと追放されたので僕はチートスキル【建築】で勝手に最強の国を作る!

黒猫

文字の大きさ
上 下
29 / 33

29話 調査と真実。

しおりを挟む
「大人しく入っていろよぉ~グヘッ!」

 一人だけ個室の部屋に放り投げられて地面に強く身体を打ちつけた。
 しかし、起きているのを悟られてはいけないと我慢して奴がいなくなるのを待った。

「あれ?鍵がねぇ…どこに落としたんだっけ?」
「あれ?あれ?あーれ?」
 
 ドアを握りながら動かすと錆びているせいか動きが悪くなっていた。
 鍵を失くしたが、ドアが動きにくいことを知ると奴は頭を使わずに考えることを止めた。

「まぁ……イイか!どうせ硬えし。」
「逃げれっこねぇよな!」

 鍵だけ付けずにそのまま奴は何処かへと行ってしまった。周りの劣悪な環境で精神も肉体も疲弊してしまっている子供達がいっぱい居た。

「行ったっぽいな。」
「皆んな…助けに来たよ!」

 しかし、反応がない。ずっと暴力を受けたり、逃げ出せない恐怖を刻まれた結果…逃げる希望を失ってしまっている。

「もう少しだけ……待ってて!」

 僕はこの状況を告発する為に首謀者、関係者、どの程度の規模の組織図を明らかにする為に潜入して証拠を手に入れる為にアジトの中を一人で動き回っていた。

 この場所は地下通路は下水道をそのまま使っていてあちらこちらに壁に穴を開けて牢獄のような部屋をいくつも作っている。
 隠れて悪さするには適した環境なのかもしれないと思いながら慎重に見つからないように進む。

 収容する場所と異なり、見た目からしてしっかりとした部屋が数はそう多く無いけど、見つけた。

「あれ……怪しいな。」
「他とは頑丈さが違うし、隠すのにイイ……」

 運良く、近くにある頑丈な部屋の扉が開いているのを見つけて中に入る。
 中に入ると資料の保管庫らしい場所で棚がいくつもあり、書類が山積みになっていた。

「当たりッポイ!」
「証拠になる書類……」

 物色していると何枚かの書類に目が止まる。

「これ…帝国印じゃないかッ!」
「これも…これも……これもだ……」

 ラスタード帝国に横流しする奴隷リストと費用の見積書や狂化ドラッグの販売などもあった。

 どれも僕がラスタード帝国に在籍していた頃に抱えていた問題だったけど、奴隷問題は取り締まりを強化したはず……。
 それに狂化ドラッグはほとんどが摘発してラスタードから撤退したはずなのに…。

 僕はショッキングな内容とで周りに集中できていなかった…後ろから声を掛けられてハッとした。

「キミ…何をして……」
「あれ?レイチャード様の所にいたノル君?」

「あなたは…」
「あの時は名乗り遅れてすまない。」
「ボクはロバート・アルニーニョだ。」

「ロバートさんはどうしてここに!?」
「怪しげな奴らを追ったらここにね…」
(怪しい……けど、レイチャード殿の関係者ならば信用できるか…?)

「ノル君は何を?」
「僕も怪しい連中を捕まえるために来ました!」
「そうか……でも、子供が無茶は良くないよ?」

「後は任せて地上に戻っていな?」
「奥にもたくさんの子供が囚われています…」
「助けてあげてください!」

「分かった!助けるとしよう…。」
「さぁ、その書類はボクが持つから渡して…」

 手を伸ばすロバートの手の甲にはさっき見たはずのタトゥーがロバートにも刻まれていたのだった。
 
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界に召喚された様ですが、村人Aと間違えられて追い出されましたorz

かぜかおる
ファンタジー
題名のまんま、特に落ちもないので、暇つぶしにフワッと読んでください。

子爵家三男だけど王位継承権持ってます

極楽とんぼ
ファンタジー
側室から生まれた第一王子。 王位継承権は低いけど、『王子』としては目立つ。 そんな王子が頑張りすぎて・・・排除された後の話。 カクヨムで先行投降しています。

授かったスキルが【草】だったので家を勘当されたから悲しくてスキルに不満をぶつけたら国に恐怖が訪れて草

ラララキヲ
ファンタジー
(※[両性向け]と言いたい...)  10歳のグランは家族の見守る中でスキル鑑定を行った。グランのスキルは【草】。草一本だけを生やすスキルに親は失望しグランの為だと言ってグランを捨てた。  親を恨んだグランはどこにもぶつける事の出来ない気持ちを全て自分のスキルにぶつけた。  同時刻、グランを捨てた家族の居る王都では『謎の笑い声』が響き渡った。その笑い声に人々は恐怖し、グランを捨てた家族は……── ※確認していないので二番煎じだったらごめんなさい。急に思いついたので書きました! ※「妻」に対する暴言があります。嫌な方は御注意下さい※ ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇なろうにも上げています。

遥かなる物語

うなぎ太郎
ファンタジー
スラーレン帝国の首都、エラルトはこの世界最大の都市。この街に貴族の令息や令嬢達が通う学園、スラーレン中央学園があった。 この学園にある一人の男子生徒がいた。彼の名は、シャルル・ベルタン。ノア・ベルタン伯爵の息子だ。 彼と友人達はこの学園で、様々なことを学び、成長していく。 だが彼が帝国の歴史を変える英雄になろうとは、誰も想像もしていなかったのであった…彼は日々動き続ける世界で何を失い、何を手に入れるのか? ーーーーーーーー 序盤はほのぼのとした学園小説にしようと思います。中盤以降は戦闘や魔法、政争がメインで異世界ファンタジー的要素も強いです。 ※作者独自の世界観です。 ※甘々ご都合主義では無いですが、一応ハッピーエンドです。

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

無能と言われた召喚士は実家から追放されたが、別の属性があるのでどうでもいいです

竹桜
ファンタジー
 無能と呼ばれた召喚士は王立学園を卒業と同時に実家を追放され、絶縁された。  だが、その無能と呼ばれた召喚士は別の力を持っていたのだ。  その力を使用し、無能と呼ばれた召喚士は歌姫と魔物研究者を守っていく。

勇者の国~行き過ぎた主義の結果~【短編】

キョウキョウ
ファンタジー
ある時代に、勇者至上主義にしている王国があった。 そんな国で冒険者として働いていた男が居た。 彼のもとに、勇者の補佐という仕事を依頼しに4名の騎士が来る。

ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!

仁徳
ファンタジー
あらすじ リュシアン・プライムはブラックハンターギルドの一員だった。 彼はギルドマスターやギルド仲間から、常人ではこなせない量の依頼を押し付けられていたが、夜遅くまで働くことで全ての依頼を一日で終わらせていた。 ある日、リュシアンは仲間の罠に嵌められ、依頼を終わらせることができなかった。その一度の失敗をきっかけに、ギルドマスターから無能ハンターの烙印を押され、クビになる。 途方に暮れていると、モンスターに襲われている女性を彼は見つけてしまう。 ハンターとして襲われている人を見過ごせないリュシアンは、モンスターから女性を守った。 彼は助けた女性が、隣町にあるハンターギルドのギルドマスターであることを知る。 リュシアンの才能に目をつけたギルドマスターは、彼をスカウトした。 一方ブラックギルドでは、リュシアンがいないことで依頼達成の効率が悪くなり、依頼は溜まっていく一方だった。ついにブラックギルドは町の住民たちからのクレームなどが殺到して町民たちから見放されることになる。 そんな彼らに反してリュシアンは新しい職場、新しい仲間と出会い、ブッラックギルドの経験を活かして最速でギルドランキング一位を獲得し、ギルドマスターや町の住民たちから一目置かれるようになった。 これはブラックな環境で働いていた主人公が一人の女性を助けたことがきっかけで人生が一変し、ホワイトなギルド環境で最強、無双、ときどきスローライフをしていく物語!

処理中です...