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20話 レイチャード軍vsレオン軍

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 ピリピリとした緊張感が軍内にデンパしていた。
軍の質は帝国に武があるからレイチャード軍の人の中でも勝てないって噂する人間も少ない。

「伝令!レオン軍がすぐ近くの丘に陣を敷いたようです。拠点設置が間もなく完了する見込みとの報告でした。」

 それは数時間後に開戦の狼煙のろしが上がることを意味していた。

「分かった!レイチャード殿は前線で指揮を取っているからそちらにも報告を!あと、レイチャード殿に個別に報告を…必ず、壁の外に味方兵を出さないように……何が起きても大丈夫だと…伝えてくれるか?」

「はっ!承知。」

 伝令は素早く早馬に乗り込むとあっという間に見えなくなった。
 そして、後方にいる部隊に僕は激励と共に作戦と来るであろう相手の戦法を解説した。

「壁を壊すべく、遠距離の大型魔法を打ち込む事で相手方の士気を上げて来ます。
 建築スキルによって様々なバフ[上昇効果]が壁をコーティングしているので壊れません!
 ジックリと疲弊させてから弱ったトコを攻める作戦です…後方は人選補充と食事の運搬など多岐に渡るますが、短気決戦になる予定ですので頑張りましょう!」

   『上手く言えたかな…緊張した。』

 皆さんの士気は高く、帝国の軍団が攻めて来たにしてはヒヨっていない。むしろ士気は上昇中だ。

「開戦の狼煙が上がるまでは待機で……」

 空が急にオレンジ色に明るくなって僕らは上空を見上げた…そこには太陽のような大きな火の玉がこの地に向けて落ちて来ていたのだ。

「まさか……メテオストライクって魔法か?!」

 帝国の魔法士部隊の精鋭達が使う最強の複合魔法を戦闘の一発目にぶちかまして来たのだ。

『レオン兄……まさか一発で終わらせる気か!?』

 衝突まであと少しってタイミングで壁の魔法反射装置が反応して青白く光を放ち出した。

「皆んな落ち着いて!この魔法は街には届かないから安心してほしい。」

 騒つく街の人や兵士達には不安だろう…あんな強大な魔法を頭上で感じながら冷静になれは無理かもしれないか……。

「皆んな!ノル様は大丈夫だとおっしゃっている!私はノル様を信じる皆様方はどうですか?」

 ルシアの一言は皆んなを少し落ち着かせ、安心感を与えるには充分な効果を出した。

「我々もノル様を支持しますとも!」

 その数秒が安心をより、強固なものにした。
メテオストライクが街の上ギリギリになった瞬間、術者の元に向かって移動を開始した。
 それは誰も止めることは出来ず、周りにいた兵士を含めて300人程を飲み込みながら消失した。

 残りレオン軍700
 レイチャード軍300

 風向きは大きくノル側に傾き始めたのだった。
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