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19話 レオン軍vsレイチャード軍
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「父上も老いたな。」
この様な辺境の地など落とすなど余裕である事など目に見えてわかっているだろうに……
「軍を千人とグリードまで貸し与えてくれようとは…なんと寛大なのだろうか!」
「伝令!」
「どうした?」
「それが…レイチャード領を囲む様に壁ができてまして……」
「何を戯言を言っておる。あの領地にそんな壁は無かっただろうがっ!」
「し、しかし……あるのです。」
「何を馬鹿なことを……」
(資金があったとして領地を囲むような壁を作るなど数年はかかるはず…だが、前回に聞いた内容にそのような壁があるとは報告が無かったぞ……?)
「良かったらこれを使って確認をお願いします。」
兵士はレオンに望遠鏡を手渡し、方角に指を向けるとレオンはそれに合わせて覗き込みながら指刺す方角を見た。
レオンが拠点を構えた場所は夜襲などの対策の為に高台に陣を構えていた。
「全く狂言ならば死罪だからな……」
「本当です……」
「……はぁ?」
レオンはその光景に愕然とした……。
「何だあの立派な防壁は…我々の国よりも上等ではないかっ!……くっ…羨ましい!」
「こちらの兵士は徐々に士気が落ちております。」
「何だと!?クソ…全軍の士気を上げる為に持って来た酒を振るまえ!明日の為のな……」
「はっ!」
翌朝、早朝から兵士らは叩き起こされるとレオンが作戦の説明を始めた。
「これよりあの忌まわしい壁を魔法士部隊による遠距離魔法で壊す。それから歩兵部隊と騎馬隊で突破して大将の首をいただく!以上だ。」
壁を壊せば怖いものは無いと兵士達の士気も徐々に回復し始め、作戦の前には士気もフルチャージしていた。
「魔法士部隊……やれ!」
「魔法構築…」
魔法士達は呪文の詠唱を唱え始め……
「メテオストライク!」
巨大な隕石がレイチャード領地に目掛けて落ちていく…明らかに周囲全てが消し炭になるようなとんでもない魔法を行使して来た。
「これで奴らも終わりだな。」
誰もがラスタード帝国の勝利を確信していた。
だが、それは一瞬の喜びに過ぎなかった…帝国の魔法士部隊が放った超特大のメテオストライクはノルが建築した壁に搭載されている魔法効果を跳ね返す〈魔法反射〉が仕込まれており、先ほど放った魔法士部隊に向かって放たれた"メテオストライク"が帝国側に向かって飛んできていたのだ。
「我々の完璧な魔法が……」
「反射魔法だと言うのか!?」
「に、に、に……にげろーッ!!」
慌てて逃げ始めたが、距離があまり離れていないせいで魔法士部隊側…約300人程が消失した。
「はぁ?な、な…何が起きている……」
「報告!魔法士部隊……全滅。逃亡兵…多数。」
「クッ…逃げるものは死罪だ!正面切って前戦を押し上げるように伝令に伝えよ。魔法がダメなら近接戦闘だ!」
「はっ……ただちに……」
その頃、レイチャードの領地に居るノル達はと言うと……。
この様な辺境の地など落とすなど余裕である事など目に見えてわかっているだろうに……
「軍を千人とグリードまで貸し与えてくれようとは…なんと寛大なのだろうか!」
「伝令!」
「どうした?」
「それが…レイチャード領を囲む様に壁ができてまして……」
「何を戯言を言っておる。あの領地にそんな壁は無かっただろうがっ!」
「し、しかし……あるのです。」
「何を馬鹿なことを……」
(資金があったとして領地を囲むような壁を作るなど数年はかかるはず…だが、前回に聞いた内容にそのような壁があるとは報告が無かったぞ……?)
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「……はぁ?」
レオンはその光景に愕然とした……。
「何だあの立派な防壁は…我々の国よりも上等ではないかっ!……くっ…羨ましい!」
「こちらの兵士は徐々に士気が落ちております。」
「何だと!?クソ…全軍の士気を上げる為に持って来た酒を振るまえ!明日の為のな……」
「はっ!」
翌朝、早朝から兵士らは叩き起こされるとレオンが作戦の説明を始めた。
「これよりあの忌まわしい壁を魔法士部隊による遠距離魔法で壊す。それから歩兵部隊と騎馬隊で突破して大将の首をいただく!以上だ。」
壁を壊せば怖いものは無いと兵士達の士気も徐々に回復し始め、作戦の前には士気もフルチャージしていた。
「魔法士部隊……やれ!」
「魔法構築…」
魔法士達は呪文の詠唱を唱え始め……
「メテオストライク!」
巨大な隕石がレイチャード領地に目掛けて落ちていく…明らかに周囲全てが消し炭になるようなとんでもない魔法を行使して来た。
「これで奴らも終わりだな。」
誰もがラスタード帝国の勝利を確信していた。
だが、それは一瞬の喜びに過ぎなかった…帝国の魔法士部隊が放った超特大のメテオストライクはノルが建築した壁に搭載されている魔法効果を跳ね返す〈魔法反射〉が仕込まれており、先ほど放った魔法士部隊に向かって放たれた"メテオストライク"が帝国側に向かって飛んできていたのだ。
「我々の完璧な魔法が……」
「反射魔法だと言うのか!?」
「に、に、に……にげろーッ!!」
慌てて逃げ始めたが、距離があまり離れていないせいで魔法士部隊側…約300人程が消失した。
「はぁ?な、な…何が起きている……」
「報告!魔法士部隊……全滅。逃亡兵…多数。」
「クッ…逃げるものは死罪だ!正面切って前戦を押し上げるように伝令に伝えよ。魔法がダメなら近接戦闘だ!」
「はっ……ただちに……」
その頃、レイチャードの領地に居るノル達はと言うと……。
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