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13話 帝国の動き(1)

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        ―帝国側―
 ノル・ラスタードの死……それは密かに…だが、着実に広がりを見せていた。
 ノルの追放処分は内々に処理された事もあり、国の関心は
 
『処刑されたのか』、『他国に追放されたのか』

 この二つで論争が起きていた。ノルはそれだけ高い注文ポイントになっているのには理由がある。

経済を変え、雇用を変え、賃金を変えた……様々な分野を一新したが、それを全て破棄したこの状況は当然の結果だろう。

 帝国の情勢にいち早く気付いた人間達は亡命する動きを見せ始めていた。

 当然、皇帝ザリオンは見せしめに逃亡しようとした幹部を数人捕えると国民の前で処刑を実行した。
 罪状は【逃亡・反逆罪】としてだった。

「皆の者…よく聞け。この帝国に全て捧げよ。」

 騒めく観衆達にスピーチを続ける……

「亡命や意を唱える愚者には死を下す…覚悟せよ」

 これにより帝国は恐怖政治を国民に強いる時代が来るのにそんなに時間は掛からなかった。

「王が御乱心だ……」
「今ですら生活が苦しいのに更に悪化なんて無理に決まっているじゃねぇか!」
「無理だ……死ぬしかないのか?」
 
 その頃、母はこの国の未来に憂いていた……。
しかし、権力を持たないお飾りの王妃に帝国民を助ける術など持ち合わせていなかった。

 
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