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第三章
神木零士
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「神木零士」は三十歳、警視庁公安部「フクロウ」の諜報員である
神木零士というのも本名ではない、彼は世界を飛び回る「スパイ」だ
コードネームは「カミキ」
今回潜入しているのは「アーテルカンパニー」、「黒田信玄」を調査するために社員として働いている
潜入名「斉藤匠」という名で半年ほど働いていた
「斉藤くんは優秀ですな~」
「いえ、本部長の指導がいいんですよ」
「この分なら部長にもすぐに昇進できるぞ!」
「ありがとうございます」
「今度、社長にも君を紹介するから時間空けといてくれよ」
「はい!よろしくお願いします」
――やっとここまできたか……「黒田信玄」の会社は製品開発、薬品開発、旅行会社と多岐にわたる、しかしその実態は……いつかきっと世界を揺るがすモノになるはずだ……――
その後「カミキ」は「アーテルカンパニー」の重要ポストにまで上り詰めた
「斉藤くん、君も飲みたまえ」
「ありがとうございます」
「斉藤さんってすごい優秀って聞いたんですけど見た目もカッコいいですね~」
本部長との飲みでホステスにアピールされる「カミキ」は女性の扱いも手慣れている
「ありがとう、君みたいに綺麗な人にそう言ってもらえるように頑張って昇進したようなものだからね」
「カッコいい~!」
「おいおい、斉藤くんやるね~」
「ねっ!あなたもそう思うでしょ!紀子ちゃん」
「はっ……はい……すごいカッコいいと思います……」
ホステスの新人「紀子」は慣れない接客に戸惑いながらも「カミキ」との運命の出会いをすることになった
「……あまり慣れてないようだけど大丈夫?」
「はっはっはい!……おっお酒をお注ぎしますね……すみません、緊張してしまって……わたし緊張すると吃っちゃうクセがあるんです……」
「ハハ、全然大丈夫ですよ!とても可愛いです」
「こぉ~……可愛い……こんなカッコいい人に……紀子ちゃん君のクセって可愛いね、斉藤さん……わたしって変な女ですよね、いや……とても新鮮だよ、新鮮?ああ……だから俺と付き合ってくれ、えっ?わたしでいいの?君がいいんだ、斉藤さん……紀子ちゃん……」
「…………あの……紀子さん?……なんか独り言が……」
「キャ~!ごめんなさい……声出てました?……」
「ええ、なんか一人二役みたいに」
「あわゎ……妄想が漏れて……」
紀子は動揺してオロオロとしている
「ぷっ!ハハハ……クク……紀子さんって……クク……面白いですね!」
「カミキ」はお腹を抱えて笑う
「……あっ……あの失礼しまぢた!ギャ~舌噛んだ」
「コラ!紀子ちゃん!上品にしなさい!」
「…………申し訳ありません……」
紀子は先輩ホステスに怒られて「カミキ」やその上司に謝ることなってしまった
「クク……ククク……駄目だ……我慢出来ない」
「カミキ」のツボにハマってしまって恥ずかしい紀子はそれでも嬉しかった
諜報員に恋愛は自由だ、もちろん結婚も出来るが基本的には本当の仕事を伝える事はない
「カミキ」にとっての「優先順位」は「任務」が第一である、プライベートもすべて「任務」あっての延長にあると考えている
あれから「カミキ」は仕事帰りに「お店」に顔を出すことが多くなった、もちろん紀子に会うためだ
「お疲れ様です!斉藤さん」
「紀子さん、もうすっかり吃らなくなったね!あれはあれで可愛いかったんだけど……」
「えっ?……そっそっそうなんですか?……可愛いだなんて……そんな……」
「あっ!やっとでた、ハハハ!なんか癒されるんだよなぁ……一緒にいると……だからついお店に来てしまう」
「こぉ~………一緒にいると…………紀子は俺をいつも癒してくれるから、斉藤さん!わたしもです、じゃあ紀子!お礼に何が欲しい?、えっ?そんな……何が欲しいだなんて……キッキッキスを!、そんなのでいいのかい?、はい!お姫様のようにお願いします、そんなの俺のご褒美になるじゃないか、えっ?それって……紀子……斉藤さん……」
「ぷっ!……でた……ククク……妄想モード……」
「あれ~?わたし……また声に出て……恥ずかしい」
気の合う二人はプライベートも会うようになり、惹かれ合い付き合うようになるにはそんなに時間はかからなかった
紀子は「カミキ」の住むマンションで半同棲のように通い、仕事も辞めて「カミキ」に養ってもらっている
「紀子、親に付き合ってること言わなくていいのか?」
紀子(きこ)は「紀子」が本名である
「……うん……まだいいかな……ショウさんの親御さんは?」
「……俺に身内はいないんだ……紀子……大事な話しがある」
「ショウさん……もしかして……けっけっ結婚!」
「ぷっ!……紀子は本当に可愛いな!……先に言うなよ!……愛してるんだ!結婚してくれないか」
「――!……よっよっ喜んで……うう……嬉しい……こんなわたしを愛してくれて……」
「カミキ」の「優先順位」は「任務」から「紀子」に変わっていた
一緒にいればいるほど紀子に惹かれていく「カミキ」はすべてを打ち明ける覚悟でプロポーズしたのだ
諜報員の中には家族にすら「スパイ」であることを言わない者がほとんどだ
死ぬまで紀子に伝えない事が「カミキ」には耐えられなかった、「優先順位」がすでに「紀子」になってしまったからだ、だから「カミキ」は結婚する前に告げることにした
それが「カミキ」の「誠意」だと思ったからだ
「紀子……大事な話はもう一つある……実は俺は「斉藤匠」ではない」
「――え?……えぇぇ~!」
「カミキ」はすべてを話したうえで結婚を受け入れてくれるか改めて聞くが、紀子はむしろ楽しそうにその話を聞いておりプロポーズの雰囲気では無くなってしまった
「じゃあ本当は「神木零士」ってこと?」
紀子は輝くような眼差しでカミキに尋ねる
「それも確かではない……でもまあ「零士」でいいぞ!」
「レイジか~なんかカッコいいね!でもコードネームが「カミキ」ってちょっとな~なんかそのまんまだし……もっとスパイっぽい感じにしないと……そうだなぁレイジだから……レイ……正義の味方「ゼロ」!」
「「ゼロ」?子供っぽいな……」
「えぇぇ?「ゼロ」っていいよ~!」
「フフ……そうだな……紀子が言うとそんな気がしてきた」
「でね……わたし達の子供も「スパイ」なの!」
「おいおい、相変わらず妄想が暴走してるぞ」
「ふふふ、ん~……名前は強いイメージだから……「ケンシロウ」とか?」
「ぷっ!北斗の拳じゃないか!」
「あっ北斗七星!から取ってコードネーム「セブン」!いい、いい!「ゼロ」と「セブン」で悪をやっつけるの!世界を救うんだよ!」
「フフ、紀子は少年のようだ」
「えぇ?そうかな~でも子供が出来たらちょうどいいかも」
「おいおい、妄想ごっこするなよ」
「受け継がれちゃうかも!」
「まったく……」
「……こんな話をしてくれるなんて……本当に信頼してくれてるんだ……ああ……嬉しいなぁ」
「……俺の「優先順位」は「紀子」になったんだ今度の仕事で少し休むかな……」
「やったぁ!……あっ……子供出来たらね……「優先順位」を「その子」にして欲しいな!……わたしは二番でいいよ」
「……そうか?」
「そうだよ!」
「……本当に紀子は可愛いな……」
「末永くよろしくお願いします」
その日の「任務」を最後に「アーテルカンパニー」から手を引く予定だった「カミキ」は「黒田信玄」の極秘データを入手して逃走をしていた
内容を確認する事は出来なかったがその「データ」を公安に届ける途中で「アーテルカンパニー」の暗部に追われることになってしまったのだ
「カミキ」の存在が漏れて逃走する最中、彼は「神隠し」にあった
「宗谷紀子」のお腹に子を宿して
神木零士というのも本名ではない、彼は世界を飛び回る「スパイ」だ
コードネームは「カミキ」
今回潜入しているのは「アーテルカンパニー」、「黒田信玄」を調査するために社員として働いている
潜入名「斉藤匠」という名で半年ほど働いていた
「斉藤くんは優秀ですな~」
「いえ、本部長の指導がいいんですよ」
「この分なら部長にもすぐに昇進できるぞ!」
「ありがとうございます」
「今度、社長にも君を紹介するから時間空けといてくれよ」
「はい!よろしくお願いします」
――やっとここまできたか……「黒田信玄」の会社は製品開発、薬品開発、旅行会社と多岐にわたる、しかしその実態は……いつかきっと世界を揺るがすモノになるはずだ……――
その後「カミキ」は「アーテルカンパニー」の重要ポストにまで上り詰めた
「斉藤くん、君も飲みたまえ」
「ありがとうございます」
「斉藤さんってすごい優秀って聞いたんですけど見た目もカッコいいですね~」
本部長との飲みでホステスにアピールされる「カミキ」は女性の扱いも手慣れている
「ありがとう、君みたいに綺麗な人にそう言ってもらえるように頑張って昇進したようなものだからね」
「カッコいい~!」
「おいおい、斉藤くんやるね~」
「ねっ!あなたもそう思うでしょ!紀子ちゃん」
「はっ……はい……すごいカッコいいと思います……」
ホステスの新人「紀子」は慣れない接客に戸惑いながらも「カミキ」との運命の出会いをすることになった
「……あまり慣れてないようだけど大丈夫?」
「はっはっはい!……おっお酒をお注ぎしますね……すみません、緊張してしまって……わたし緊張すると吃っちゃうクセがあるんです……」
「ハハ、全然大丈夫ですよ!とても可愛いです」
「こぉ~……可愛い……こんなカッコいい人に……紀子ちゃん君のクセって可愛いね、斉藤さん……わたしって変な女ですよね、いや……とても新鮮だよ、新鮮?ああ……だから俺と付き合ってくれ、えっ?わたしでいいの?君がいいんだ、斉藤さん……紀子ちゃん……」
「…………あの……紀子さん?……なんか独り言が……」
「キャ~!ごめんなさい……声出てました?……」
「ええ、なんか一人二役みたいに」
「あわゎ……妄想が漏れて……」
紀子は動揺してオロオロとしている
「ぷっ!ハハハ……クク……紀子さんって……クク……面白いですね!」
「カミキ」はお腹を抱えて笑う
「……あっ……あの失礼しまぢた!ギャ~舌噛んだ」
「コラ!紀子ちゃん!上品にしなさい!」
「…………申し訳ありません……」
紀子は先輩ホステスに怒られて「カミキ」やその上司に謝ることなってしまった
「クク……ククク……駄目だ……我慢出来ない」
「カミキ」のツボにハマってしまって恥ずかしい紀子はそれでも嬉しかった
諜報員に恋愛は自由だ、もちろん結婚も出来るが基本的には本当の仕事を伝える事はない
「カミキ」にとっての「優先順位」は「任務」が第一である、プライベートもすべて「任務」あっての延長にあると考えている
あれから「カミキ」は仕事帰りに「お店」に顔を出すことが多くなった、もちろん紀子に会うためだ
「お疲れ様です!斉藤さん」
「紀子さん、もうすっかり吃らなくなったね!あれはあれで可愛いかったんだけど……」
「えっ?……そっそっそうなんですか?……可愛いだなんて……そんな……」
「あっ!やっとでた、ハハハ!なんか癒されるんだよなぁ……一緒にいると……だからついお店に来てしまう」
「こぉ~………一緒にいると…………紀子は俺をいつも癒してくれるから、斉藤さん!わたしもです、じゃあ紀子!お礼に何が欲しい?、えっ?そんな……何が欲しいだなんて……キッキッキスを!、そんなのでいいのかい?、はい!お姫様のようにお願いします、そんなの俺のご褒美になるじゃないか、えっ?それって……紀子……斉藤さん……」
「ぷっ!……でた……ククク……妄想モード……」
「あれ~?わたし……また声に出て……恥ずかしい」
気の合う二人はプライベートも会うようになり、惹かれ合い付き合うようになるにはそんなに時間はかからなかった
紀子は「カミキ」の住むマンションで半同棲のように通い、仕事も辞めて「カミキ」に養ってもらっている
「紀子、親に付き合ってること言わなくていいのか?」
紀子(きこ)は「紀子」が本名である
「……うん……まだいいかな……ショウさんの親御さんは?」
「……俺に身内はいないんだ……紀子……大事な話しがある」
「ショウさん……もしかして……けっけっ結婚!」
「ぷっ!……紀子は本当に可愛いな!……先に言うなよ!……愛してるんだ!結婚してくれないか」
「――!……よっよっ喜んで……うう……嬉しい……こんなわたしを愛してくれて……」
「カミキ」の「優先順位」は「任務」から「紀子」に変わっていた
一緒にいればいるほど紀子に惹かれていく「カミキ」はすべてを打ち明ける覚悟でプロポーズしたのだ
諜報員の中には家族にすら「スパイ」であることを言わない者がほとんどだ
死ぬまで紀子に伝えない事が「カミキ」には耐えられなかった、「優先順位」がすでに「紀子」になってしまったからだ、だから「カミキ」は結婚する前に告げることにした
それが「カミキ」の「誠意」だと思ったからだ
「紀子……大事な話はもう一つある……実は俺は「斉藤匠」ではない」
「――え?……えぇぇ~!」
「カミキ」はすべてを話したうえで結婚を受け入れてくれるか改めて聞くが、紀子はむしろ楽しそうにその話を聞いておりプロポーズの雰囲気では無くなってしまった
「じゃあ本当は「神木零士」ってこと?」
紀子は輝くような眼差しでカミキに尋ねる
「それも確かではない……でもまあ「零士」でいいぞ!」
「レイジか~なんかカッコいいね!でもコードネームが「カミキ」ってちょっとな~なんかそのまんまだし……もっとスパイっぽい感じにしないと……そうだなぁレイジだから……レイ……正義の味方「ゼロ」!」
「「ゼロ」?子供っぽいな……」
「えぇぇ?「ゼロ」っていいよ~!」
「フフ……そうだな……紀子が言うとそんな気がしてきた」
「でね……わたし達の子供も「スパイ」なの!」
「おいおい、相変わらず妄想が暴走してるぞ」
「ふふふ、ん~……名前は強いイメージだから……「ケンシロウ」とか?」
「ぷっ!北斗の拳じゃないか!」
「あっ北斗七星!から取ってコードネーム「セブン」!いい、いい!「ゼロ」と「セブン」で悪をやっつけるの!世界を救うんだよ!」
「フフ、紀子は少年のようだ」
「えぇ?そうかな~でも子供が出来たらちょうどいいかも」
「おいおい、妄想ごっこするなよ」
「受け継がれちゃうかも!」
「まったく……」
「……こんな話をしてくれるなんて……本当に信頼してくれてるんだ……ああ……嬉しいなぁ」
「……俺の「優先順位」は「紀子」になったんだ今度の仕事で少し休むかな……」
「やったぁ!……あっ……子供出来たらね……「優先順位」を「その子」にして欲しいな!……わたしは二番でいいよ」
「……そうか?」
「そうだよ!」
「……本当に紀子は可愛いな……」
「末永くよろしくお願いします」
その日の「任務」を最後に「アーテルカンパニー」から手を引く予定だった「カミキ」は「黒田信玄」の極秘データを入手して逃走をしていた
内容を確認する事は出来なかったがその「データ」を公安に届ける途中で「アーテルカンパニー」の暗部に追われることになってしまったのだ
「カミキ」の存在が漏れて逃走する最中、彼は「神隠し」にあった
「宗谷紀子」のお腹に子を宿して
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