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第三章

トーマとレイジン

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トーマの魔力の完全回復を待つためにすぐには出発出来ない、それに「アース」へ戻る前にも確認しておきたいこともある

 ――出来れば「帝国にいるみんな」の安否が気になるけど……レイジンなら「空間転移」で行けるんじゃないかな?――

「レイジン……今からオレと二人で帝国に行ってくれないか?」

「トーマくん!だったらわたしも行く!」

「エリィ……ごめん少人数じゃないと……みんなが心配で様子見るだけ……戦わないから……」
 
「……うん……そうだよね……わたし邪魔だし」
エリィは悲しげに俯く

「――違っ!」
 
 ――違うよエリィ…………わたしのこと邪魔になったの?、エリィ急にどうしたんだよ?、だってずっと一緒にいるって言ったのに置いて行くなんて……なんかやましい事あるの?、なっ何言ってるんだよ!ただの出張だよ!、前はよく連れて行ってくれたのに……浮気?、なっ!エリィ考えすぎだよ、じゃあこのアンバーさんって誰?、あっ!オレのスマホ!ちっちっ違うんだエリィ……これには海よりも深い理由が!、トーマくんのバカ!、あぁエリィ……嫌いにならないで~……――

「――はっ!……エリィだけ連れて行こうかな?」

「――えっ?いいの?」

「駄目だ斗真!目立つぞ」
 レイジンがその提案を却下する
 
「エリィちん……トーマっちを信じて待つっちゃ!」

「そうだな……イルミナ達を探すにしても多いと危険だぞシュンカも目立つし、ここは二人に任せよう」
 コーラルとビビもエリィをなだめる

 トーマとレイジン以外はゼグ獣王国へ向かうことにした
 ただレイジンは全ての鎧を脱ぎ捨て「天叢雲剣あめのむらくものつるぎ」のみ装備して目立たないようにしたのだ

その姿はイケオジ風冒険者だ、誰も「魔将校レイジン」と気付く者はいないだろう
 
 二人と一匹はラーダーでギリギリまで帝国に近付いてから「空間転移」を使うことにする

 ラーダーでの道中にトーマはレイジンに聞きたいことが沢山あったので尋ねる

「レイジンは「アース」に行ってどう思った?」

「……どうというか……俺は「アース人」だ!」

「――えっ?マジで?「ラビストリップ」……じゃないよね……オレと同じってこと?」

「……十七年前に「神隠し」にあった……」

 レイジンは思い出すように語り出す
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