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第三章

人身御供

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そうして決まった四人の遠征作戦は魔将校三人であること、「人攫ひとさらい調査」もあるということで数十名の精鋭部隊で向かうことになった
 エリもスカイの作戦により「ラビストリップ管理責任者エドル・ブリーチ」の許可を得て参加出来ている

 朝からラーダー部隊で行くこと二日、国境付近にある村に辿り着く
 道中では休憩をはさみつつ向かった事でこれだけの時間がかかった、女性は馬車で寝泊まりし男性はテントを張り、夜を過ごしていた
 馬車の中での美々とエリのイチャつきは言うまでもない 
 国境の「フェード村」を駐在所にして「シニヨン鉱山」へ向かう

 ここから「シニヨン鉱山」まではラーダーを飛ばせば数刻で着く
 今回の作戦は「ガーリア帝国最高戦力」三人とエリが最前線に向かい、「フェード村」を兵士達が守る
 
 この作戦もスカイの提案によるものだ、拠点を守る数十名の精鋭部隊、そして最高戦力で奇襲をかける
 被害を最小限に抑える「トーマ的発想」に躊躇ちゅうちょなくこちらから仕掛ける「セブンの攻撃性」

 これが「スカイ」だ

 美々とグリムも反対する事はない的確な作戦とお互いの信頼関係
エリにとっては想像も出来ないほど成長した同級生の姿
 これが今の「宗谷斗真」

 フェード村を囲むように兵士達を配置して村長に話を聞きに行くスカイ達
「アンタがここの村長の「ヨグ」ね、「人攫い」について聞きに来たわ!」
「ご苦労様です、村長のヨグです……その件ですが最近では「人身御供ひとみごくう」により何ヶ月も前から鬼族とは話がついているのです」
 ヨグは獣人族、獣人族は人族と寿命は変わらない、彼はおそらく七十歳くらいでこの村の最高齢だろう
 村には人族と獣人族が住んでいるが子供達のほとんどは「混血」だと思われる
 
「ハァ?何それ?」
「生けにえだな……鬼族と契約したのか?」
 スカイが話に入る、グリムとエリはおとなしくしている、基本的に話はスカイと美々が行う

「……はい……このような場所ですので帝国の助けは……なかなか」
 
「そうなのか?」
「……そうね、グリディアとの戦争もあるし……魔族のほうは基本的に放っておく事が多いかもね……」
スカイは美々に確認をとる

「それは申し訳ない……でももう安心してくれ!「シニヨン鉱山」の鬼族はオレ達が倒す!」
「――!待って下さい……あそこの鬼族は特別なのです!どうか引き揚げはできないでしょうか?」
「無理よ!「シニヨン鉱山奪取」も作戦なのよ」

「――そんな……無理です!今あそこにいるのは「最高位魔族の王」!……鬼王「夜叉やしゃ・グレイジュ」です、万が一にでも逆らえば再び「人攫い」が起きてしまいます!」
「ハァ?あーしらが負けるはずないじゃん!こっちは「魔将校三人」よ!」
「――魔将校!そっそうでしたか!?失礼しました……では……今度の「人身御供」までに……」

「ダメよ!」
 奥の部屋から出た来たのはまだ幼い子供、十歳くらいの「混血の子供」だった
「わたしはベニ、今度の「人身御供」よ!」
 
「「「――!」」」
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