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第三章

鈍感なスカイ

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買い出しも終え、夕飯は一緒にアンバーの家で食べることになった
 アンバーは病気で働けない父親「アッサム」と二人暮らしで、収入はアンバーが働いている分だけでまかなっている
 父親のお世話もしないといけないのでまともに働くことが出来ない
 多額の借金もあるようで貧民街の中でもかなり貧しいほうだ
 
「「お邪魔しま~す!」」
 ウバの子供達ジャワとリゼは活発でアンバーの家に入ると早々にアンバーに抱きついて離れない
 
「こら~ジャワくんはもう八歳でしょ!リゼちゃんが真似するからお兄ちゃんらしくしなさい!」

「え~?いいも~んスカイと遊ぶし~」
「リゼもスカイと遊ぶ~!」
 
 リゼは五歳の女の子で「人族とドワーフ族の混血」だ、もちろんジャワも混血になる
 母親のウバが「ドワーフ族」、父親は「人族」で戦争により亡くなっている
 
「今日は賑やかでいいね~ありがとね」
「アッサムさん、急にお邪魔して申し訳ないです、きつかったら言って下さいね」
 寝たきり状態のアッサムはベッドから上半身だけ起こしてスカイに声をかける
 
「スカイ、こっち来て手伝って!」
「うん」
アンバーに呼ばれたスカイはまとわりつくリゼを背中にジャワを腕にぶら下げながら配膳していく

「ホホホ、邪魔するよ~!」
 ウバが大きな鍋を持って現れた、どうやら家で作った物を持って来たのだ
 アンバーとスカイが配膳しているのをじっと眺めるウバは鍋をテーブルに置きつつ二人を微笑ましく見ている
「ありがとうございます、ウバさん!」
 アンバーが笑顔で言う
 
「ホホホ、アンバーは最近笑顔が増えたね~スカイのおかげかい?」
「えっ?ちょっと何言ってるんですかウバさん!」
 スカイがすかさず割り込む

「……ふふっ、そうかもですね!」
 アンバーはそう言うと軽い足取りで炊事場に向かった
 

「ホホホ、スカイ……アンタ早く一人前になりなよ」

「……そうですね……ウバさんにもアンバーにもこの「二週間」お世話になりっぱなしで……こんな「素性すじょうの知れない男」に良くしてくれるなんて……感謝してもしきれません」

「ホホホ……アンタね~そういうことじゃなくてね!」

「は~い!準備出来ましたよ~」
アンバーが可愛らしい声で呼ぶ

「「は~い」」ジャワとリゼもスカイにしがみついたまま元気よく返事をする
 
 アンバーが上機嫌でテーブルについて父のアッサムにも小分けした料理を運び貧しくも楽しい食事会は過ぎていった
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