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第二章

忍び寄る影

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トリッパー二人を撃退したビビとイルミナはコーラルと合流して生存者の確認と怪我人の治療のためエルフの里を駆け回る

 魔力の無くなったビビはストックしてあった「トーマの血」を飲み干して、水魔法を使い消火活動している
 多少医術に覚えのあるイルミナは運ばれた怪我人の鉛玉を取り除きつつ応急処置をする

 コーラルは走り回ってイルミナのもとへ怪我人を運んでは走り怪我人を探すを繰り返していた

「ビビりんお疲れ~魔力は?」
「もう無い……すっからかんだ……流石に疲れた……」
「お疲れです!ビビさん凄いですね!里だけじゃなく森の消火まで出来るなんて、尊敬します!」
 
 イルミナは怪我人の応急処置をしながら疲れきったビビに声をかける

「いい心掛けだ……あとは任せたぞ……ちょっと寝る」

「了解しました、お疲れ様です」

「本当にありがとうございます……助けていただいて……」
オリーブはコーラル達に御礼をしに駆け寄って来た

「まだ終わってないっちゃ!助かる人もいるソ!」
「はい!すみません!よろしくお願いします」
 まだまだこれからだと言うコーラルに従いオリーブはイルミナのほうの治癒班に協力する

 オリーブは治癒魔法を使えるのでケリンスなどの重症者を中心に治癒していく

 ここ一帯を全て消火し終えたビビはさすがに疲れて休んでいる、一度休息に入ったビビはそうそう起きることはない
 コーラルとイルミナもこれだけの事をやってくれたビビにはゆっくりしてもらいたいと思い、そっとしておいている

 生き残った者達で協力していた時、禍々まがまがしい殺気が突然現れた

 その殺気に素早く気が付いたのはイルミナ!

 「未来視」が発動する!

 だが間に合わない、戦闘中でなかったことがイルミナの「未来視」をほんのわずかに遅らせる
 
 オリーブの首めがけて音もなく剣閃が通り抜ける!

 血飛沫ちしぶきが舞う!斬られたのはイルミナ!

 防ぐ事が出来なかったため体を投げ出しオリーブをかばったのだ

 イルミナの脇腹から血が流れ落ちる
「――くっ!この剣は……そんな……あなたもトリッパー?……」

「ちぃ……貴様とは本物の殺し合いをしたかったが……まさかこの剣にも反応して庇うとは……そのまま倒れていろ、貴様とは万全の時に殺し合う」

「イルミ~!」
コーラルが事態に気付き駆け寄る

 現れたのはケンシン・サナダいや「真田剣神」だ
手には「妖刀村正」を持っている

「治癒しているところ悪いが依頼があるのでな……エルフには全員死んでもらう」

「「「――!」」」
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