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第一章
料理
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宿に戻るとすっかり暗くなったので食事は部屋で取ることにした
エリィはまだ戻って来てないようだ
――エリィはまだか……今日は疲れたなぁ……そういえばオレってほとんど寝てないよな……眠い――
「トーマっち!冒険楽しかったね~ウチはあの二人ほど活躍出来なかったっちゃ……」
「いやあの作戦はコーラルの機動力とオレへの信頼があってこそなんだ、だからコーラルのおかげだよ」
「トーマっち……グスン」
――いやグスンって言ってるじゃん――
「ウチがお祝いに料理作ってあげるっちゃ!」
「コーラルが~?」
「なんだ~ウチの初めてをプレゼントしようって言ってるっちゃよ!」
「いや初めてなんかい!食えるか!」
「まあまあ、ちょっと座って待っていなさいなぁ」
「いやもうスゲ~心配なんだが」
初めての料理をするコーラル、疲れたトーマを思い体に優しい物を作るためシチューを選択する
試行錯誤しながら指を切りながらも完成したシチューを見てトーマは驚愕する
「めっちゃ美味そう!」
「ふっふっふ、さぁさっきまでの勢いはどうしたトーマっち」
「マジで美味そうっす!コーラル氏」
「そうかねトーマっち氏」
「んじゃありがたく頂こうかな」
テーブルに配膳し、いつの間にかしていたエプロンを取りお酒を準備する
「えっお酒?コーラル十五歳だよな?」
「うん!だから飲めるソ」
――こっちは十五で成人なのか……でもオレは飲んだことないし、とくに興味ないしなぁ……まぁとりあえず――
「冒険者登録、初依頼達成、初指名達成おめでとうっちゃ!」
「ありがとう!コーラルもおめでとう!いただきます!」
「まっず!」
「なんですと!どれ……ホントまずいっちゃ!」
「見た目美味そうで不味いとか、どんだけ天才だよ!普通逆だろ!」
「いや~それほどでも~」
「褒めてねぇよ」
不味いと言いながらもすべて完食し、二人で洗い物してるとエリィが帰って来た
「ただいま帰りました」
「「おかえり~」」
――おかえりっていいよな~ずっとこんな生活が続けばいいのに……――
エリィが帰って来てテーブルを三人で囲んだ
今日あった事をコーラルが細かくエリィに伝えている
エリィもそれを楽しそうに聞き、トーマはそんな二人を眺める
ラビスでは当たり前なのか二人はお酒を飲みながら談笑する
トーマは結局お酒は飲まなかったが、二人を眺めているうちに瞼が重くなり話し声がだんだん遠くなる
「トーマくん……トーマくん」
「うん?ああゴメン眠くなっちゃった、先に休むね」
「はい、わたし達ももうすぐ寝ますので、おやすみなさい」
「おやすみ~トーマっち!」
「ああ、おやすみ~」
エリィとコーラルはお酒を飲みながら話し込んでいる、トーマは壮絶なニ日間により深い眠りに落ちていった
かすかに包丁の音が聞こえる
――ああ、エリィだな……きっと朝ご飯を作ってくれてるんだ……さすがだこのリズム、トントンとまた眠りにつきそうだ……これはエリィに起こしてもらうイベントのため、もう一度寝る必要があるな……寝よ――
トーマが寝返りを打つと柔らかく温かい物体がそこにある
――こっこれは……エリィに弁明するイベントに切り替わる!なんて事だ……ぐっすり寝すぎて完全に油断していた……どうする!――
「う……ん……トー……っち」
――ぐっバカな……チカラ強っ……やめろ……抱きつくな……――
「トーマくん、ご飯出来ましたよ!起きてください!」
――なに~このタイミングでダブルイベントだと――
「トーマくん?」
エリィが毛布をめくるとそこにはトーマとコーラルが寝ていた、しかもトーマは寝返りを打った状態で抱きつかれたので向かいあった状態だ
――終わった……――
「――っ」
「エリィ!誤解だ!」
「……不純です!」
その後のご機嫌取りは大変だったそうだ
朝食を済ませていよいよ出発の日だ
「いや~やっぱエリィのご飯は美味い!最高なんだよなぁ~なぁコーラル」
「ホント!ウチずっとエリィちんの朝食食べていたいっちゃ!」
「いやそれプロポーズかい!……」
「……」
エリィの機嫌はまだ完全ではなく、トーマは必死に取り戻そうとしている
チェックアウトをして街の出口のほうに向かっていると、ずっと一緒にいるコーラルに対してトーマは不思議に思った
「コーラルは、これからどうするの?」
「?、当然二人と一緒に行くっちゃ!」
「そうなの?」
――そっか……まだ三人一緒にいれるんだ……――
「エリィちん……ウチも二人と一緒にいたい」
「もちろんです!……証……ですよね!」
「うん!エリィちん大好きっちゃ!」
相変わらず抱きつく
エリィは少し照れて機嫌も少し回復したようだ
「オレも嬉しい……付き合い短いけど……なんか昨日の夜とか、三人でテーブル囲んでる時に……家族ってこんな感じなのかなぁって……ずっとこんな時間が続けばいいのにって」
トーマは上を向いて歩く
以前のように俯かず、上を向いてそう答える
「オレ、二人のこと大好きなんだなぁって……」
――えっあれ……オレ今、何て言った?……――
「「――っ」」
「あの~お二人さん……あんまり深く考えないでね……なんか恥ずかしいから」
「そっそうですね……わたしもトーマくんのこと……す……す……」
――えっエリィ?オレのこと……まさか?――
「素敵だと思ってますよ!」
――そっちか~い……いやでも前は友人だった……今は素敵!……キタコレ――
「ウチも!好きっちゃ!」
「いや軽っ!」
「お前はなんか軽いわ!」
「なんて~!」
「やめろ!スゲー重い!やっぱ重いからくっ付くな!」
「失礼っちゃ!」
「ふふっ……本当にこのままずっと一緒にいられたらいいですね」
――この子の笑顔をずっと見ていたいと思う――
エリィはまだ戻って来てないようだ
――エリィはまだか……今日は疲れたなぁ……そういえばオレってほとんど寝てないよな……眠い――
「トーマっち!冒険楽しかったね~ウチはあの二人ほど活躍出来なかったっちゃ……」
「いやあの作戦はコーラルの機動力とオレへの信頼があってこそなんだ、だからコーラルのおかげだよ」
「トーマっち……グスン」
――いやグスンって言ってるじゃん――
「ウチがお祝いに料理作ってあげるっちゃ!」
「コーラルが~?」
「なんだ~ウチの初めてをプレゼントしようって言ってるっちゃよ!」
「いや初めてなんかい!食えるか!」
「まあまあ、ちょっと座って待っていなさいなぁ」
「いやもうスゲ~心配なんだが」
初めての料理をするコーラル、疲れたトーマを思い体に優しい物を作るためシチューを選択する
試行錯誤しながら指を切りながらも完成したシチューを見てトーマは驚愕する
「めっちゃ美味そう!」
「ふっふっふ、さぁさっきまでの勢いはどうしたトーマっち」
「マジで美味そうっす!コーラル氏」
「そうかねトーマっち氏」
「んじゃありがたく頂こうかな」
テーブルに配膳し、いつの間にかしていたエプロンを取りお酒を準備する
「えっお酒?コーラル十五歳だよな?」
「うん!だから飲めるソ」
――こっちは十五で成人なのか……でもオレは飲んだことないし、とくに興味ないしなぁ……まぁとりあえず――
「冒険者登録、初依頼達成、初指名達成おめでとうっちゃ!」
「ありがとう!コーラルもおめでとう!いただきます!」
「まっず!」
「なんですと!どれ……ホントまずいっちゃ!」
「見た目美味そうで不味いとか、どんだけ天才だよ!普通逆だろ!」
「いや~それほどでも~」
「褒めてねぇよ」
不味いと言いながらもすべて完食し、二人で洗い物してるとエリィが帰って来た
「ただいま帰りました」
「「おかえり~」」
――おかえりっていいよな~ずっとこんな生活が続けばいいのに……――
エリィが帰って来てテーブルを三人で囲んだ
今日あった事をコーラルが細かくエリィに伝えている
エリィもそれを楽しそうに聞き、トーマはそんな二人を眺める
ラビスでは当たり前なのか二人はお酒を飲みながら談笑する
トーマは結局お酒は飲まなかったが、二人を眺めているうちに瞼が重くなり話し声がだんだん遠くなる
「トーマくん……トーマくん」
「うん?ああゴメン眠くなっちゃった、先に休むね」
「はい、わたし達ももうすぐ寝ますので、おやすみなさい」
「おやすみ~トーマっち!」
「ああ、おやすみ~」
エリィとコーラルはお酒を飲みながら話し込んでいる、トーマは壮絶なニ日間により深い眠りに落ちていった
かすかに包丁の音が聞こえる
――ああ、エリィだな……きっと朝ご飯を作ってくれてるんだ……さすがだこのリズム、トントンとまた眠りにつきそうだ……これはエリィに起こしてもらうイベントのため、もう一度寝る必要があるな……寝よ――
トーマが寝返りを打つと柔らかく温かい物体がそこにある
――こっこれは……エリィに弁明するイベントに切り替わる!なんて事だ……ぐっすり寝すぎて完全に油断していた……どうする!――
「う……ん……トー……っち」
――ぐっバカな……チカラ強っ……やめろ……抱きつくな……――
「トーマくん、ご飯出来ましたよ!起きてください!」
――なに~このタイミングでダブルイベントだと――
「トーマくん?」
エリィが毛布をめくるとそこにはトーマとコーラルが寝ていた、しかもトーマは寝返りを打った状態で抱きつかれたので向かいあった状態だ
――終わった……――
「――っ」
「エリィ!誤解だ!」
「……不純です!」
その後のご機嫌取りは大変だったそうだ
朝食を済ませていよいよ出発の日だ
「いや~やっぱエリィのご飯は美味い!最高なんだよなぁ~なぁコーラル」
「ホント!ウチずっとエリィちんの朝食食べていたいっちゃ!」
「いやそれプロポーズかい!……」
「……」
エリィの機嫌はまだ完全ではなく、トーマは必死に取り戻そうとしている
チェックアウトをして街の出口のほうに向かっていると、ずっと一緒にいるコーラルに対してトーマは不思議に思った
「コーラルは、これからどうするの?」
「?、当然二人と一緒に行くっちゃ!」
「そうなの?」
――そっか……まだ三人一緒にいれるんだ……――
「エリィちん……ウチも二人と一緒にいたい」
「もちろんです!……証……ですよね!」
「うん!エリィちん大好きっちゃ!」
相変わらず抱きつく
エリィは少し照れて機嫌も少し回復したようだ
「オレも嬉しい……付き合い短いけど……なんか昨日の夜とか、三人でテーブル囲んでる時に……家族ってこんな感じなのかなぁって……ずっとこんな時間が続けばいいのにって」
トーマは上を向いて歩く
以前のように俯かず、上を向いてそう答える
「オレ、二人のこと大好きなんだなぁって……」
――えっあれ……オレ今、何て言った?……――
「「――っ」」
「あの~お二人さん……あんまり深く考えないでね……なんか恥ずかしいから」
「そっそうですね……わたしもトーマくんのこと……す……す……」
――えっエリィ?オレのこと……まさか?――
「素敵だと思ってますよ!」
――そっちか~い……いやでも前は友人だった……今は素敵!……キタコレ――
「ウチも!好きっちゃ!」
「いや軽っ!」
「お前はなんか軽いわ!」
「なんて~!」
「やめろ!スゲー重い!やっぱ重いからくっ付くな!」
「失礼っちゃ!」
「ふふっ……本当にこのままずっと一緒にいられたらいいですね」
――この子の笑顔をずっと見ていたいと思う――
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