25 / 160
第一章
差別と暗黙の国④七星剣シュンカ・オーシャン
しおりを挟む
昨日、ギルド事件の日
「グフッ紹介しよう!七星剣シュンカ・オーシャンだ!」
「シュンカ殿、王国を非難したこの男を、明日適性試験にて打ちのめして目に物見せてやれ!」
男性の漢服に蒼白の羽織りを着た青髪の美女にズークがシュンカに命令する
「断る」
「なっ我の命令が聞けぬか?」
「興味がない」
「ぬぬぬっ我の護衛もまともにせぬくせに!」
「ギルドに私用があったから来たまで、お前の戯れに付き合うつもりはない!」
「なんだと!どいつもこいつも!」
――ふぅあぶね~こんなの絶対無理だわ……一目見ただけで分かる――
シュンカが立ち去る時、ふとトーマに目がいく
「……」
――なっなんすか……めっちゃ綺麗な人……顔ちっさ!――
「君、その剣は?」
「ああ……これは師匠からもらったっす」
――あれ……これ言っちゃいけないやつ――
「……面白い、引き受けよう」
「えっマジ?」
朝一番のギルド冒険者適性試験会場、マイメロ、ズーク、シュンカ、コーラル、エリィ、そしてトーマ
会場にはトーマが痛ぶられるのを見に来た冒険者達もいる、その中にダンゴ達はいない
セブンにやられ冒険者として絶望的な体になったので地元に帰ったらしい
護衛の兵士達を引き連れてズークがニヤケ顔で踏ん反り返る
エリィとコーラルは固唾を飲んで見つめる
「では始めましょうか、適性試験は木剣で行います」
マイメロが進行する
「シュンカ!シュンカ!シュンカ!」
冒険者の高み、「シュンカ・オーシャン」にシュンカコールが響く
冒険者受験者トーマvs七星剣シュンカ・オーシャン
――たしか師匠の話ではこの人もオレと同じだって言ってた……一般人のオレがこれだけ戦えるのも「神妙のブラッドスペル」とかいう能力のおかげだよな……じゃあラビスの騎士が同じ能力を持ってたら……初っ端から全力でいく――
トーマが体に魔力を巡らす!呼吸が熱したように蒸気が薄く開いた口から漏れる!
「!!」
シュンカも異変に気付いた!
トーマの地面を蹴る音が遅れて来るほどのスピードでシュンカの懐に一閃!
シュンカはしっかり目で剣筋を追い、紙一重で躱す!構わずニの太刀、三の太刀!
すべて紙一重で躱されるが止まらないトーマ!
距離を取らず突き進む!剣閃が空気も切り裂く!
がトーマの顔面に衝撃が入る
――いっつ見えない!いつ斬られた……実践ならこれで終わり……まだまだ!――
トーマの剣閃はシュンカには入らない!
トーマには胴、肩、腕に衝撃が入る!
いったん距離を取る、すでにトーマはアザだらけだが集中している
「なっなんだあの男……」
シュンカの強さは誰もが知っている、一発もシュンカには入ってないがトーマの強さはこの一瞬の立ち合いで誰もが認識した
トーマの放つ剣閃の圧が見ている者を震わせる
「この男はやばい」と、あれだけ騒がしかった会場が静まり返る
トーマはガランドから教わった型を構える!
魔力集中をさらに高める!
皆の目から見ても人の領域を超えた動き!
衝撃音が鳴る!
シュンカが躱すのでなく、受けたのだ!
続けて衝撃音が鳴り響く!すべての斬撃を受ける!
トーマの体が弾ける!
シュンカの超反撃に躱す事も受ける事も出来ない!
滅多打ち!
吹き飛んで片膝をつき俯く、木剣を地面に突き立てなんとか立っている
静寂の中、コーラルが叫ぶ
「もう十分っちゃ~!誰が見ても合格っちゃ~!」
「トーマくん……」
エリィは見守る事しかできない
だが誰も止めない、止められない、なぜなら戦っている二人が笑っているから
会場がざわつき始めた「あっあのシュンカさんが笑ってる……」
シュンカは口角を上げ構えをとった!
トーマと同じ構え、いやドイルと同じ構えだ!
トーマはどれだけ打ちのめされても折れない
――痛い……めっちゃ痛い……けど楽しい……あれ?……オレは戦うの好きだったかな?……もっといける気がする――
膨大な魔力がトーマを包む
――血の流れを感じる……その血管一本一本に魔力を巡らす……これだ!――
包んだ魔力がトーマの体の内に集束される
「君は……ここまでとは」
シュンカが呟いた
同時に動く、躱す、受ける、躱す、受ける!
衝撃と空圧が迸る!
トーマの飛び散る血と汗!
お互いに一歩も引かない剣閃の応酬、凄まじさとは裏腹に笑顔の二人!
――ああ……凄い……この人……一発も当たんないわ……当たる気がしない……ずっと戦っていたいけどそろそろやばいかなぁ……ちゃんと寝てたらもっと戦えたのかなぁ……………………――
衝撃が鳴る!
トーマの顔が後ろに弾ける!
――ああ……これはもう…………あれ?「耳鳴り」がない……なんだか静かに――
トーマは意識が飛ぶ寸前で「意識と無意識の間に身を置いた」虚ろな目がシュンカを捉える
「君、まさか!アゥフ!」
――神妙のブラッドスペル!間に合うかっ!――
シュンカは刹那に能力を発動!血が沸く!シュンカの闘気が蒼く光る!
一気に勝負に出る!
「デウス-エクス-マキナ!」
見えない剣閃が時間差もなくトーマの四方八方から襲う!
トーマの「虚ろな目」は剣閃を追わない!見えない剣閃を見ない!
感覚は研ぎ澄まされ
――こっち、こう、こうきて、こう、ここから、うしろか、みぎ、ひだりも、はなさきに、こう………………――
デウス-エクス-マキナを見ずに躱す!
――ここで一歩!――
「!!」
シュンカの右にいる!
トーマ「虚ろの一閃」!
「ちぃ!」
シュンカの頬をかすめ木剣が斬れた!
シュンカは木剣を折ったのではなく斬ったのだ!
トーマは剣を振り抜いた状態で意識を失った
意識を失った体は前のめりに倒れ、なくシュンカが抱き止めていた
「……とんでもない弟子ですね……ガランド氏」
「グフッ紹介しよう!七星剣シュンカ・オーシャンだ!」
「シュンカ殿、王国を非難したこの男を、明日適性試験にて打ちのめして目に物見せてやれ!」
男性の漢服に蒼白の羽織りを着た青髪の美女にズークがシュンカに命令する
「断る」
「なっ我の命令が聞けぬか?」
「興味がない」
「ぬぬぬっ我の護衛もまともにせぬくせに!」
「ギルドに私用があったから来たまで、お前の戯れに付き合うつもりはない!」
「なんだと!どいつもこいつも!」
――ふぅあぶね~こんなの絶対無理だわ……一目見ただけで分かる――
シュンカが立ち去る時、ふとトーマに目がいく
「……」
――なっなんすか……めっちゃ綺麗な人……顔ちっさ!――
「君、その剣は?」
「ああ……これは師匠からもらったっす」
――あれ……これ言っちゃいけないやつ――
「……面白い、引き受けよう」
「えっマジ?」
朝一番のギルド冒険者適性試験会場、マイメロ、ズーク、シュンカ、コーラル、エリィ、そしてトーマ
会場にはトーマが痛ぶられるのを見に来た冒険者達もいる、その中にダンゴ達はいない
セブンにやられ冒険者として絶望的な体になったので地元に帰ったらしい
護衛の兵士達を引き連れてズークがニヤケ顔で踏ん反り返る
エリィとコーラルは固唾を飲んで見つめる
「では始めましょうか、適性試験は木剣で行います」
マイメロが進行する
「シュンカ!シュンカ!シュンカ!」
冒険者の高み、「シュンカ・オーシャン」にシュンカコールが響く
冒険者受験者トーマvs七星剣シュンカ・オーシャン
――たしか師匠の話ではこの人もオレと同じだって言ってた……一般人のオレがこれだけ戦えるのも「神妙のブラッドスペル」とかいう能力のおかげだよな……じゃあラビスの騎士が同じ能力を持ってたら……初っ端から全力でいく――
トーマが体に魔力を巡らす!呼吸が熱したように蒸気が薄く開いた口から漏れる!
「!!」
シュンカも異変に気付いた!
トーマの地面を蹴る音が遅れて来るほどのスピードでシュンカの懐に一閃!
シュンカはしっかり目で剣筋を追い、紙一重で躱す!構わずニの太刀、三の太刀!
すべて紙一重で躱されるが止まらないトーマ!
距離を取らず突き進む!剣閃が空気も切り裂く!
がトーマの顔面に衝撃が入る
――いっつ見えない!いつ斬られた……実践ならこれで終わり……まだまだ!――
トーマの剣閃はシュンカには入らない!
トーマには胴、肩、腕に衝撃が入る!
いったん距離を取る、すでにトーマはアザだらけだが集中している
「なっなんだあの男……」
シュンカの強さは誰もが知っている、一発もシュンカには入ってないがトーマの強さはこの一瞬の立ち合いで誰もが認識した
トーマの放つ剣閃の圧が見ている者を震わせる
「この男はやばい」と、あれだけ騒がしかった会場が静まり返る
トーマはガランドから教わった型を構える!
魔力集中をさらに高める!
皆の目から見ても人の領域を超えた動き!
衝撃音が鳴る!
シュンカが躱すのでなく、受けたのだ!
続けて衝撃音が鳴り響く!すべての斬撃を受ける!
トーマの体が弾ける!
シュンカの超反撃に躱す事も受ける事も出来ない!
滅多打ち!
吹き飛んで片膝をつき俯く、木剣を地面に突き立てなんとか立っている
静寂の中、コーラルが叫ぶ
「もう十分っちゃ~!誰が見ても合格っちゃ~!」
「トーマくん……」
エリィは見守る事しかできない
だが誰も止めない、止められない、なぜなら戦っている二人が笑っているから
会場がざわつき始めた「あっあのシュンカさんが笑ってる……」
シュンカは口角を上げ構えをとった!
トーマと同じ構え、いやドイルと同じ構えだ!
トーマはどれだけ打ちのめされても折れない
――痛い……めっちゃ痛い……けど楽しい……あれ?……オレは戦うの好きだったかな?……もっといける気がする――
膨大な魔力がトーマを包む
――血の流れを感じる……その血管一本一本に魔力を巡らす……これだ!――
包んだ魔力がトーマの体の内に集束される
「君は……ここまでとは」
シュンカが呟いた
同時に動く、躱す、受ける、躱す、受ける!
衝撃と空圧が迸る!
トーマの飛び散る血と汗!
お互いに一歩も引かない剣閃の応酬、凄まじさとは裏腹に笑顔の二人!
――ああ……凄い……この人……一発も当たんないわ……当たる気がしない……ずっと戦っていたいけどそろそろやばいかなぁ……ちゃんと寝てたらもっと戦えたのかなぁ……………………――
衝撃が鳴る!
トーマの顔が後ろに弾ける!
――ああ……これはもう…………あれ?「耳鳴り」がない……なんだか静かに――
トーマは意識が飛ぶ寸前で「意識と無意識の間に身を置いた」虚ろな目がシュンカを捉える
「君、まさか!アゥフ!」
――神妙のブラッドスペル!間に合うかっ!――
シュンカは刹那に能力を発動!血が沸く!シュンカの闘気が蒼く光る!
一気に勝負に出る!
「デウス-エクス-マキナ!」
見えない剣閃が時間差もなくトーマの四方八方から襲う!
トーマの「虚ろな目」は剣閃を追わない!見えない剣閃を見ない!
感覚は研ぎ澄まされ
――こっち、こう、こうきて、こう、ここから、うしろか、みぎ、ひだりも、はなさきに、こう………………――
デウス-エクス-マキナを見ずに躱す!
――ここで一歩!――
「!!」
シュンカの右にいる!
トーマ「虚ろの一閃」!
「ちぃ!」
シュンカの頬をかすめ木剣が斬れた!
シュンカは木剣を折ったのではなく斬ったのだ!
トーマは剣を振り抜いた状態で意識を失った
意識を失った体は前のめりに倒れ、なくシュンカが抱き止めていた
「……とんでもない弟子ですね……ガランド氏」
応援ありがとうございます!
2
お気に入りに追加
18
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる