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第一章
聴啞の騎士と盲目の少女②〜才能〜
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一日目
昨日の夜トーマとエリィは当然別々の部屋で過ごした
最初は一部屋だけ用意されてたのだがトーマのほうからそういう関係ではないと説明し急遽もう一部屋準備してもらった
基本的に家事などをエリィが手伝い、トーマは木剣を持ってドイルに構えや打ち込みを見てもらっている
昼過ぎは村の人達に声を掛けたり村の修繕大工などをドイルと一緒にし、夕方はまた剣の稽古をしていた
ドイルは喋れないので無言で「剣の型」のようなものをトーマに見せている
トーマも見よう見まねでドイルを見ながら素振りをする
そんな感じが何時間か過ぎると外はもう暗くなるが、この三日間を少しでも無駄にはしたくないトーマは延々と同じ動作を繰り返す
なぜかアースにいた頃には考えられないくらいの集中力がある
ドイルは武者震いをするようにトーマを見つめる
――始めは三日で満足するならと軽く思っていたが……とんでもないな……人間離れした運動能力……素人の動きから半日で戦士のような動き……吸収力が凄まじい……素直過ぎて何でも覚える地頭の良さ……勘もいいし、こういう少年を教育するのは胸が踊る――
ドイルはどんどん良くなるトーマの動きから目が離せなくなっていた
トーマの前に立ち、「かかって来い!」と構える
「お願いします!」
汗だくのトーマはドイルの家から借りた布を頭に巻き、ツナギの上を腰で巻いた、白のTシャツもびっしょり濡れている
トーマvs英雄ドイル 一回戦
トーマはドイルとまったく同じ構えで先に動いた!
朝の動きとは別人の太刀筋がドイルの横胴を狙うが剣を打ち下ろし弾かれる!
少しバランスを崩したトーマの顔面に容赦のない横一閃!
木剣とは思えないほどの斬撃がトーマを襲う!
瞬間、トーマの体に|悪寒が走る!上体を後ろに曲げなんとか紙一重で回避する!
しかし横一閃の風圧で顔が歪む!
まるで顔を殴られたように後ろに吹き飛んだ!
「――ぶっ!」
ドイルの二振りで決着!
「うっ!スゲ~!あっありがとうございました~」
トーマは鼻血を出して倒れたまま叫んだ
――あれを初見で避けるのか!……才能?……なにか別の……あと二日か……楽しみだ――
「ただいま~」
夕食の準備をして待っているエリィ達の元に帰って来ると「「おかえりなさい」」と二人が出迎えてくれる
――あ~なんか新婚になった気分~……おかえりなさいトーマ、ただいま、今日はシチューかな?え~なんで分かるの、だって今日はオレ達の記念日だろ、二人の思い出っていったらシチューじゃないか、あの時のエリィ可愛いかったなぁ、もう!今は可愛いくないみたいじゃない!、何言ってるの?今はあの頃より綺麗じゃないか!、もうトーマったら……ちょっとよせよ……ちょっ……………――
鼻血面で浸っていると
「トーマくん、怪我してますね」
仕方ないですねとエリィは治癒魔法をかける
「トーマお兄ちゃん大丈夫?……も~お父さんやり過ぎよ~」
――もうずっとここに居たい――
ニ日目
朝からドイルが体の使い方の細かい指導をしている剣の流れ、視線の位置、完全に師という立場で厳しくしている、ドイルも楽しんでいるようだ
トーマは何度も何度も体に覚え込ませる、頭が冴える体も軽いし疲れにくいが、「耳鳴り」だけが収まらない
――ドイルさんの動きをイメージして……俯瞰するだろ……相手の体の位置、向き……――
トーマはぶつぶつ呟きながら自分の姿をドイルに重ねる、俯瞰して自分を見る、教えられた型の流れが剣圧を生む!
――お~なんかブワッてなった!スゲ~!――
トーマの斬撃から空気を切り裂く剣閃が飛ぶ
――なんだこれは……ニ日でこんなことがあり得るのか……この凄まじい成長速度!この子の「身体」に何が起こっている!――
ドイルの額から冷や汗が流れると同時に笑みが溢れる
その日の夕方
トーマvs英雄ドイルニ回戦
ドイルが動く!とてつもない剣速で乱れ打ち!パワーを抑えてスピードのギア上げる!
トーマは斬撃をギリギリで躱す、剣の流れをイメージする!見よう見まねでトーマも乱れ打ち!
ドイルは楽に躱す!二人の戦いはまるで事前に打ち合わせしたかのように攻撃が当たらなかった……が
鈍い音がトーマの脇に響く!
ドイルの剣がトーマのアバラを砕いたのだ
「うぐっ」
トーマは痛みにより集中が切れたのか意識が飛んで気絶したのでドイルが担いで帰ることにした
三日目
昨日のアバラはすっかり治り(もちろんエリィが治癒した)村での生活も慣れた
「師匠、ジェラさんが家のドアが開けにくいって言ってたんで行きますか?」
トーマはすっかりドイルを師匠と呼んでいる
トーマが午前の稽古を終えて尋ねるとドイルは頷いた、ジェラの家に行き、いつものように大工仕事をする
「ありがとうね~トーマもドイルも」
ジェラは目が不自由ながらゆっくりとお茶を出してくれる「おかまいなく」とトーマが答えるとトーマの横に腰掛けた
「しかしドイルもサラのためとはいえ村のみんなにも良くしてくれてね……良く戻って来てくれたよ……カーラは本当に残念だったけど……」
トーマはカーラがサラの娘だと話の流れで理解する
ジェラが独り言のように喋り出したのをトーマとドイルは黙って聞いていた
「カーラが喋れないアンタと目が不自由なサラをまとめてたし……アンタは帝国との戦争で国も守らないといけないしで……それなのにカーラは………ほんとっ…神さまは何を見てるのかね!……」
ジェラの声は震えて「ごめんね……アンタのほうがツラいのに」そう言った
三日目の夕方
トーマvs英雄ドイル三回戦
ドイルは剛腕一閃チカラ技でねじ伏せてきた!
上段で受けて、空いた腹に蹴り受ける!
「ぐはっ」
トーマはたまらず後ろに下がるがもう目の前に詰められる!上段と見せかけての下段にトーマは飛んで躱す!
下段を躱すがドイルの左ストレート!
トーマは腕をクロスして顔面へのパンチをガード!
――まだ一発も当てていない……今日が最終日……なんとか成長したところを見せたい!――
トーマが集中する、血液が体を流れるのを感じる!
感じるままに「血流」が体全体を流れる!
ドイルがニ連撃!
トーマは上半身だけで躱す!
集中が増す、一瞬意識が遠のきかけたトーマの様子が変わる!
ドイル四連撃!トーマは全て上半身だけで交わし、四撃目に合わせてトーマの一閃!
ドイルの攻撃にトーマの凄まじいカウンターの一閃は避けられない!
一瞬ドイルの表情に焦りが見えたが、その剣はドイルに届くことは無かった
なぜかトーマの意識が無くなり倒れていたのだ
――なっ!……意識をなくした?……今の一撃は危なかったが……なぜ意識が?……――
ドイルはトーマを仰向けに寝かせて意識が戻るのを待った
「あっあれ!オレやられたっすか?最後はいいとこ見せたかったんですけど……ハハ」
「……」
ドイルはトーマに手を差し伸べる
トーマはその手をガッチリ掴み「ありがとうございました」と、ドイルは「よくやった」と言葉は無くても伝わった
――認められた気がした――
自分で決めた事を初めてやり遂げて誰かに認めてもらう、褒めてもらう
そんな当たり前なことも当たり前じゃなくなっていたトーマにとってはドイルのことが父親のようにも見えた
――こんな気持ちは久しくなかった……こんな原石に出会えた……見てるか戦友よ……――
ドイルは少し笑みを浮かべ空を見上げた
昨日の夜トーマとエリィは当然別々の部屋で過ごした
最初は一部屋だけ用意されてたのだがトーマのほうからそういう関係ではないと説明し急遽もう一部屋準備してもらった
基本的に家事などをエリィが手伝い、トーマは木剣を持ってドイルに構えや打ち込みを見てもらっている
昼過ぎは村の人達に声を掛けたり村の修繕大工などをドイルと一緒にし、夕方はまた剣の稽古をしていた
ドイルは喋れないので無言で「剣の型」のようなものをトーマに見せている
トーマも見よう見まねでドイルを見ながら素振りをする
そんな感じが何時間か過ぎると外はもう暗くなるが、この三日間を少しでも無駄にはしたくないトーマは延々と同じ動作を繰り返す
なぜかアースにいた頃には考えられないくらいの集中力がある
ドイルは武者震いをするようにトーマを見つめる
――始めは三日で満足するならと軽く思っていたが……とんでもないな……人間離れした運動能力……素人の動きから半日で戦士のような動き……吸収力が凄まじい……素直過ぎて何でも覚える地頭の良さ……勘もいいし、こういう少年を教育するのは胸が踊る――
ドイルはどんどん良くなるトーマの動きから目が離せなくなっていた
トーマの前に立ち、「かかって来い!」と構える
「お願いします!」
汗だくのトーマはドイルの家から借りた布を頭に巻き、ツナギの上を腰で巻いた、白のTシャツもびっしょり濡れている
トーマvs英雄ドイル 一回戦
トーマはドイルとまったく同じ構えで先に動いた!
朝の動きとは別人の太刀筋がドイルの横胴を狙うが剣を打ち下ろし弾かれる!
少しバランスを崩したトーマの顔面に容赦のない横一閃!
木剣とは思えないほどの斬撃がトーマを襲う!
瞬間、トーマの体に|悪寒が走る!上体を後ろに曲げなんとか紙一重で回避する!
しかし横一閃の風圧で顔が歪む!
まるで顔を殴られたように後ろに吹き飛んだ!
「――ぶっ!」
ドイルの二振りで決着!
「うっ!スゲ~!あっありがとうございました~」
トーマは鼻血を出して倒れたまま叫んだ
――あれを初見で避けるのか!……才能?……なにか別の……あと二日か……楽しみだ――
「ただいま~」
夕食の準備をして待っているエリィ達の元に帰って来ると「「おかえりなさい」」と二人が出迎えてくれる
――あ~なんか新婚になった気分~……おかえりなさいトーマ、ただいま、今日はシチューかな?え~なんで分かるの、だって今日はオレ達の記念日だろ、二人の思い出っていったらシチューじゃないか、あの時のエリィ可愛いかったなぁ、もう!今は可愛いくないみたいじゃない!、何言ってるの?今はあの頃より綺麗じゃないか!、もうトーマったら……ちょっとよせよ……ちょっ……………――
鼻血面で浸っていると
「トーマくん、怪我してますね」
仕方ないですねとエリィは治癒魔法をかける
「トーマお兄ちゃん大丈夫?……も~お父さんやり過ぎよ~」
――もうずっとここに居たい――
ニ日目
朝からドイルが体の使い方の細かい指導をしている剣の流れ、視線の位置、完全に師という立場で厳しくしている、ドイルも楽しんでいるようだ
トーマは何度も何度も体に覚え込ませる、頭が冴える体も軽いし疲れにくいが、「耳鳴り」だけが収まらない
――ドイルさんの動きをイメージして……俯瞰するだろ……相手の体の位置、向き……――
トーマはぶつぶつ呟きながら自分の姿をドイルに重ねる、俯瞰して自分を見る、教えられた型の流れが剣圧を生む!
――お~なんかブワッてなった!スゲ~!――
トーマの斬撃から空気を切り裂く剣閃が飛ぶ
――なんだこれは……ニ日でこんなことがあり得るのか……この凄まじい成長速度!この子の「身体」に何が起こっている!――
ドイルの額から冷や汗が流れると同時に笑みが溢れる
その日の夕方
トーマvs英雄ドイルニ回戦
ドイルが動く!とてつもない剣速で乱れ打ち!パワーを抑えてスピードのギア上げる!
トーマは斬撃をギリギリで躱す、剣の流れをイメージする!見よう見まねでトーマも乱れ打ち!
ドイルは楽に躱す!二人の戦いはまるで事前に打ち合わせしたかのように攻撃が当たらなかった……が
鈍い音がトーマの脇に響く!
ドイルの剣がトーマのアバラを砕いたのだ
「うぐっ」
トーマは痛みにより集中が切れたのか意識が飛んで気絶したのでドイルが担いで帰ることにした
三日目
昨日のアバラはすっかり治り(もちろんエリィが治癒した)村での生活も慣れた
「師匠、ジェラさんが家のドアが開けにくいって言ってたんで行きますか?」
トーマはすっかりドイルを師匠と呼んでいる
トーマが午前の稽古を終えて尋ねるとドイルは頷いた、ジェラの家に行き、いつものように大工仕事をする
「ありがとうね~トーマもドイルも」
ジェラは目が不自由ながらゆっくりとお茶を出してくれる「おかまいなく」とトーマが答えるとトーマの横に腰掛けた
「しかしドイルもサラのためとはいえ村のみんなにも良くしてくれてね……良く戻って来てくれたよ……カーラは本当に残念だったけど……」
トーマはカーラがサラの娘だと話の流れで理解する
ジェラが独り言のように喋り出したのをトーマとドイルは黙って聞いていた
「カーラが喋れないアンタと目が不自由なサラをまとめてたし……アンタは帝国との戦争で国も守らないといけないしで……それなのにカーラは………ほんとっ…神さまは何を見てるのかね!……」
ジェラの声は震えて「ごめんね……アンタのほうがツラいのに」そう言った
三日目の夕方
トーマvs英雄ドイル三回戦
ドイルは剛腕一閃チカラ技でねじ伏せてきた!
上段で受けて、空いた腹に蹴り受ける!
「ぐはっ」
トーマはたまらず後ろに下がるがもう目の前に詰められる!上段と見せかけての下段にトーマは飛んで躱す!
下段を躱すがドイルの左ストレート!
トーマは腕をクロスして顔面へのパンチをガード!
――まだ一発も当てていない……今日が最終日……なんとか成長したところを見せたい!――
トーマが集中する、血液が体を流れるのを感じる!
感じるままに「血流」が体全体を流れる!
ドイルがニ連撃!
トーマは上半身だけで躱す!
集中が増す、一瞬意識が遠のきかけたトーマの様子が変わる!
ドイル四連撃!トーマは全て上半身だけで交わし、四撃目に合わせてトーマの一閃!
ドイルの攻撃にトーマの凄まじいカウンターの一閃は避けられない!
一瞬ドイルの表情に焦りが見えたが、その剣はドイルに届くことは無かった
なぜかトーマの意識が無くなり倒れていたのだ
――なっ!……意識をなくした?……今の一撃は危なかったが……なぜ意識が?……――
ドイルはトーマを仰向けに寝かせて意識が戻るのを待った
「あっあれ!オレやられたっすか?最後はいいとこ見せたかったんですけど……ハハ」
「……」
ドイルはトーマに手を差し伸べる
トーマはその手をガッチリ掴み「ありがとうございました」と、ドイルは「よくやった」と言葉は無くても伝わった
――認められた気がした――
自分で決めた事を初めてやり遂げて誰かに認めてもらう、褒めてもらう
そんな当たり前なことも当たり前じゃなくなっていたトーマにとってはドイルのことが父親のようにも見えた
――こんな気持ちは久しくなかった……こんな原石に出会えた……見てるか戦友よ……――
ドイルは少し笑みを浮かべ空を見上げた
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