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格闘 09-2

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「通信……聞こえるか?」

 シュティーナは部屋で寝た状態で通信機を使用していた。近くで魔物もいるようだ。

「ああ、大丈夫だ。これから地下室に入る」

 音声で何か鉄板のようなものが落ちてきた音が聞こえた。

「何の音だ?」

 シュティーナが問う。もしまた先ほどの敵が来ようものならもう打つ手はない。いやエイアは分からないが鬼羅とシュティーナでは戦うことはできないだろう。

「俺の能力で邪魔なものをどかした。ただそれだけだ」

 エイアは軽々しく言う。まさかそんな能力があったとは……今まで謎であったエイアの能力がわずかにわかった。

「いくぞ、鬼羅」

「ああ」

 エイアと鬼羅……意外と組み合わせたことがないコンビだな。階段の降りる音が聞こえる。どうやら本当に地下室に向かっているようだ。にしても……

「お前ら何かしゃべらないのか?」

「いえ、特に話し合うことが無いようなので話をしていないだけです。どうしたのですか?」

 鬼羅の声が聞こえた。

「いや、こっちは音声だけだから状況があんまりよくわからなくて……こうも無口だったら寝てしまう」

「でも確かに話す話題はないですよ。俺たちはこういう性格なので余計に話さないですし」

「そうか……」

 再び階段を下りる音が聞こえる。再び会話が無くなってしまった。シュティーナは魔物をつかみ煙をもむ。煙の形が揺れる。

「はぁ……」

 シュティーナは部屋の中でため息をついた。それはそうか。恨みの相手であるエグナシルのことなのに部屋で待機しているしかないのだ。

「ついていけないのですからおとなしくしていてください」

 魔物がこちらを見ながら言う。シュティーナは通信機の音を聞いていた。



「司令官、次の道はどちらですか?」

 エイアが通信機を使用し、目の前に3つに分かれている通路の真ん中にいた。

「そうだな、そこは真っすぐ前に進んでくれ。階段があるはずだ」

 通信機からヴァレッジの声が聞こえる。その声を聴いてエイアは真っすぐ移動を開始する。

「わかりました」
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