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一閃(フィスト)07-4

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「待ちやがれ、シュティーナ!!」

 閃光とともに現れたのは……人だった。海の中から蒸気と泡に包まれながら来た。

「これぐらいで俺がやられるとでも思ったか?俺たちを倒したければもっと爆薬でも持ってくるべきだったな!氷なんかで抜け殻を海へおいていったって意味なんかねえんだよ!!本体を叩きやがれぇ!!」

 光が何度もカルマヴァインドの周りに現れる。

「さすが半機械人間エグナシルだな。海の中でも活動できるのか……」

「ここからはどうします?シュティーナさん以外は魔法は扱えませんよ。俺の武器は仕込みナイフぐらいですし」

「大丈夫だ。ここからはさらにぶっ壊す!」

「おい、シュティーナ!まさかこのカルマヴァインドを破壊するというのか?」

 指令が慌てる。

「そうです。ただし、全壊ではなく半壊ですが……」

「ではこの上の部屋を使え。そこはかなり広い。」

「分かりました」

 カルマヴァインドは段々と壊されていく。おそらく何部屋か浸水しているのだろう。

「エイア、このまま進んでくれ。やつを海へ閉じ込める。」

「できるんだな。殺さずに、殺されずに……」

「やって見せるさ。じゃないとテイト相手に殺さずに勝つことはできない」

「分かった。任せるぞ」

「ああ」



シュティーナと魔物は司令たちがいる部屋の上の階へと向かっていた。

「…約束はもう破ってしまうことになるな」

「悪魔の力を使うのですか?」

「まあな、実際鬼羅に言われた時から無理だと思っていた」

「それはあなたの選択なのですか?」

「ああ、戦いにおいて勝てるかどうかも分からない状況で制限し続けるのは嫌だね。それにあの状態になっても興奮に負けないようにするのは重要だろう?」

「……」

「お前が心配するのはわかるさ。今の状態ではすべてを破壊してしまう。ここからは悪魔の力を人の心で制御し、必要なものだけ破壊して見せる。今の状態ならあのフィストとかいうやつをある程度動けなくする」

「本当にできるんですね?」

「決まっている。できると」

 シュティーナと魔物は上の階へ来た。
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