Despair Select

pizzeman

文字の大きさ
上 下
23 / 53
Despair Select

一閃(フィスト)07-2

しおりを挟む
「なんだこれは!?」

 シュティーナたちは驚く。この突然現れた機体はいったい……

「エイア!やつから離れろ!」

 司令官がエイアに命令する。『カルマヴァインド』は西の方向へ進路を切り替える。どんどん離れていく、どうやら突然現れること以外に特技はないようだ。

「シュティーナ、戦闘準備だ。もしこの機体が落ちるようなことがあればお前が切り札だ。頼むぞ」

「……了解」

 鬼羅はシュティーナを見つめる。どうやら心配しているようだ。

「私のことを心配してくれているのか?」

「ああ」

「安心しろ、私は死なない。だが戦うことはお前が止めてくれ。私は殺すことばかりしてきた。だから頼む。殺さないように止めてくれ」

 またあの光だ。そして光の中からエグナシルが現れる。今度という今度は攻撃をしてきた。だが前のような格闘術ではない。

「何か焦げ臭いにおいがしないか?」

 エイアがそういう。シュティーナはすぐに感じ取った。

「司令官!!エンジンがやられました!!」

「何だと!」

 敵はまだ攻撃をしていない。なのになぜ……。そんなことを考えているとまた光が走る。

「分かった。敵の能力が……」

 エイアがそういうとこちらに腕を見せてきた。わずかだが腕全体がやけどしていた。

「やつの攻撃は光だ。光の熱で攻撃してきている。このままではまずい!」

 エイアの言葉で分かった。温度計をみると明らかに異常な熱さであった。

「戦うしかないのか……」

「鬼羅、私は戦うぞ」

「シュティーナさん!?悪魔の力は使わないんですよ!わかっています?この部屋の中は夏よりも熱い。つまり外は灼熱の地獄だ!焼き殺されてしまう!!」

「安心しろ。戦うといってもここではない。おい……」

「了解」

魔物が操縦をやめ、シュティーナに近づく。代わりにシュティーナが操縦し始めた

「やつを冷たくしてやればいいんだろ?だったら……」

ハンドルを引き、上へ行くようにする。

「このまま空に持っていく!宇宙に近づけば近づくほど熱はなくなる!」


シュティーナは目がエグナシルと合う。

「よお、デスカルマの皆さん。俺の名前はフィスト・エグナシル。空に持っていこうたってそうはいかねえ」

 フィストが腕を使い機体をがっしりとつかむ。

「逃がさねえぜ、力が足りないんだよ力が。熱が無くても俺は動ける。逆にお前たちはさらに死ぬ運命に近づいたってわけだ!」

「……そうか」

 シュティーナは笑った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

アルバートの屈辱

プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。 『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

旦那の真実の愛の相手がやってきた。今まで邪魔をしてしまっていた妻はお祝いにリボンもおつけします

暖夢 由
恋愛
「キュリール様、私カダール様と心から愛し合っておりますの。 いつ子を身ごもってもおかしくはありません。いえ、お腹には既に育っているかもしれません。 子を身ごもってからでは遅いのです。 あんな素晴らしい男性、キュリール様が手放せないのも頷けますが、カダール様のことを想うならどうか潔く身を引いてカダール様の幸せを願ってあげてください」 伯爵家にいきなりやってきた女(ナリッタ)はそういった。 女は小説を読むかのように旦那とのなれそめから今までの話を話した。 妻であるキュリールは彼女の存在を今日まで知らなかった。 だから恥じた。 「こんなにもあの人のことを愛してくださる方がいるのにそれを阻んでいたなんて私はなんて野暮なのかしら。 本当に恥ずかしい… 私は潔く身を引くことにしますわ………」 そう言って女がサインした書類を神殿にもっていくことにする。 「私もあなたたちの真実の愛の前には敵いそうもないもの。 私は急ぎ神殿にこの書類を持っていくわ。 手続きが終わり次第、あの人にあなたの元へ向かうように伝えるわ。 そうだわ、私からお祝いとしていくつか宝石をプレゼントさせて頂きたいの。リボンもお付けしていいかしら。可愛らしいあなたととてもよく合うと思うの」 こうして一つの夫婦の姿が形を変えていく。 --------------------------------------------- ※架空のお話です。 ※設定が甘い部分があるかと思います。「仕方ないなぁ」とお赦しくださいませ。 ※現実世界とは異なりますのでご理解ください。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

側妃ですか!? ありがとうございます!!

Ryo-k
ファンタジー
『側妃制度』 それは陛下のためにある制度では決してなかった。 ではだれのためにあるのか…… 「――ありがとうございます!!」

骸骨と呼ばれ、生贄になった王妃のカタの付け方

ウサギテイマーTK
恋愛
骸骨娘と揶揄され、家で酷い扱いを受けていたマリーヌは、国王の正妃として嫁いだ。だが結婚後、国王に愛されることなく、ここでも幽閉に近い扱いを受ける。側妃はマリーヌの義姉で、公式行事も側妃が請け負っている。マリーヌに与えられた最後の役割は、海の神への生贄だった。 注意:地震や津波の描写があります。ご注意を。やや残酷な描写もあります。

処理中です...