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一閃(フィスト)07-2

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「なんだこれは!?」

 シュティーナたちは驚く。この突然現れた機体はいったい……

「エイア!やつから離れろ!」

 司令官がエイアに命令する。『カルマヴァインド』は西の方向へ進路を切り替える。どんどん離れていく、どうやら突然現れること以外に特技はないようだ。

「シュティーナ、戦闘準備だ。もしこの機体が落ちるようなことがあればお前が切り札だ。頼むぞ」

「……了解」

 鬼羅はシュティーナを見つめる。どうやら心配しているようだ。

「私のことを心配してくれているのか?」

「ああ」

「安心しろ、私は死なない。だが戦うことはお前が止めてくれ。私は殺すことばかりしてきた。だから頼む。殺さないように止めてくれ」

 またあの光だ。そして光の中からエグナシルが現れる。今度という今度は攻撃をしてきた。だが前のような格闘術ではない。

「何か焦げ臭いにおいがしないか?」

 エイアがそういう。シュティーナはすぐに感じ取った。

「司令官!!エンジンがやられました!!」

「何だと!」

 敵はまだ攻撃をしていない。なのになぜ……。そんなことを考えているとまた光が走る。

「分かった。敵の能力が……」

 エイアがそういうとこちらに腕を見せてきた。わずかだが腕全体がやけどしていた。

「やつの攻撃は光だ。光の熱で攻撃してきている。このままではまずい!」

 エイアの言葉で分かった。温度計をみると明らかに異常な熱さであった。

「戦うしかないのか……」

「鬼羅、私は戦うぞ」

「シュティーナさん!?悪魔の力は使わないんですよ!わかっています?この部屋の中は夏よりも熱い。つまり外は灼熱の地獄だ!焼き殺されてしまう!!」

「安心しろ。戦うといってもここではない。おい……」

「了解」

魔物が操縦をやめ、シュティーナに近づく。代わりにシュティーナが操縦し始めた

「やつを冷たくしてやればいいんだろ?だったら……」

ハンドルを引き、上へ行くようにする。

「このまま空に持っていく!宇宙に近づけば近づくほど熱はなくなる!」


シュティーナは目がエグナシルと合う。

「よお、デスカルマの皆さん。俺の名前はフィスト・エグナシル。空に持っていこうたってそうはいかねえ」

 フィストが腕を使い機体をがっしりとつかむ。

「逃がさねえぜ、力が足りないんだよ力が。熱が無くても俺は動ける。逆にお前たちはさらに死ぬ運命に近づいたってわけだ!」

「……そうか」

 シュティーナは笑った。
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