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pizzeman

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Come on, it's time for war 04-6

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「ち……」

ジークは深く切り刻まれた肉体となり。その場に倒れこんだ。一瞬の出来事だ、防御どころかどう動くかすらわからなかった。

「……まだ未完成だな」

 鬼羅が言う。そうだまだ未完成なのだ。実際ジークについた傷は全身に刻まれているがあまり深くはなかった。さらに刃がかすっただけのところがあったりで完全な致命傷とは言えなかった。

「これで未完成だと?」

「ああ、もっと威力が出るはずだ。そしてまだおまえを倒していない」

 鬼羅には恨みがある。半機械人間に対する恨みが。

「終わったのか?」

 シュティーナがこちらに歩み寄る。羽でテールを引き釣りながらこちらに来た。二人とも体には大きな傷があったり、銃弾をくらったあとがあったりした。

「テール……」

「いっただろう?私はお前たちに恨みがあると……だから」

 ジークの前にテールを投げられた。それは全身銃弾をくらい、体を食いちぎられ、頭部が無いテールであった。

「殺してやったぞ、私が私の望むとおりに」

 化け物だ。獣だ。人間と戦ったあとではないと皆が思いたかった。

「ジーク、あとはお前の番だがどうする?お前も食い殺されたいか?それとも銃で頭を吹き飛ばされて死にたいのか?私は悪魔だ。人類最高火力を持つ悪魔だ。お前たちの誇る防御は私にとってはあまり意味がないのだよ」

「……」

「黙ってるのか?それでもいいだろう、殺すのに面倒な手順はあまり踏みたくないからな。さあ、選択肢を与えてやろう、かつてのお前らがそうしたように、私に選択させたように、殺され方を選ばせてやろう」

「なあ、きづかないか?」

「なにがだ?」

「テール、お前はやっぱりあたまがいいよ、おれにはそんなことは思いもしなかったよ」

次の瞬間、本部が崩壊する。半機械人間のもつ兵器、人型搭乗兵器が外にいた。

「シュティーナ、やってくれたな」

「よお、久しぶりだな」

「ああ、久しぶりだ。だが再開は喜べないな、時間もない。さあ、ジーク帰るぞ。テールを連れてこい」

「させると思うか?私がお前たちに自由に行動させると思うか?」

 次の瞬間、シュティーナ、鬼羅を隔離するように壁ができた。

「な!!」

「俺たちは忙しい。だからお前たちにかまっていられる暇はない」

「まちやがれ!!」

 シュティーナは壁を突き破った。だが遅かった、機体の手にはジーク、テールが乗っていた。そしてはるか遠くに逃げていた。戦闘は終わったのだ。

「まだ半機械人間がいたんですね」

鬼羅も壁から出てきた。

「あの機体、だれがのっているんでしょうね」

「世界だ」

「え?」

「あれが私たちの最大の敵、世界テイト・エグナシルだ」
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