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【序-前】
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東京都の西の端、八王子市にある大学の教育学部に通う二十一歳の教育実習生、灰島月子は同性愛者で小児性愛者である。
今、九階まである学部の茶色の棟の屋上の──この時間は清掃業者が鍵を開けているのを知っていた──錆びた緑色のフェンスを超えた、いちばん端の所で、ダークグレーのリクルートスーツを身に纏い、紙袋を手に立っている。
下を覗く。
午後の三時過ぎ。
講義が終わった学生が、友人達と歩いている。
にこやかな声が、屋上に立つ月子の耳まで届く。
それは自分が望んでも決して手に入らない幸せのようで、耳を塞ぎたくなる。
六月の不機嫌な空は太陽を薄い雲で隠している。
まるでお前は照らしてやらないと言うかのように。
──大丈夫。
はじめてじゃない。
これで楽になれるはずだ。
あと一歩踏み出すだけで。
こんな地獄みたいな日々に。
さよならできる。
それに、ひとりじゃない。
ひすいがいてくれる。
ここに──あたしの手の中に。
ひすいが──
──十年前。
この世の全てのものに、きっかけはある。
月子の場合、それは小学五年生の秋のことだった。
東京都の郊外、小平市にある番号の名前がついた小学校。
月子が通っていた頃、その小学校は荒れていた。
いじめが蔓延っていて、PTAもまともに機能していなかった。
そんな学校に毎日登校していた、灰島月子。
癖のあるふわふわのショートヘア。
小さな頃からあまり食べられなくて痩せきった身体。
そのくせ妙に高い身長。
小ぶりな顔に不釣り合いな大きなメガネ。
どんなに顔を洗っても落ちてくれない目の下のクマ。
いじめられっ子っぽい見た目が、大嫌いだった。
そして、その見た目通りに、酷いいじめを受けていた。
鉛筆を隠された。
消しゴムを隠された。
隠された筆箱は、週に一回は親に買ってもらっていた。
ランドセルはマジックで落書きだらけにされたから、リュックで通った。
机にはいつも、「死ね」と「ブス」が書かれていた。
校舎裏に呼び出され、いじめっ子のリーダーの命令で裸にされた。
ちょうど初潮が来ていて保健室に向かう途中だった。
血まみれのパンツを馬鹿にされた。
その光景を男子に見られた。
ついたあだ名は「露出狂」。
毎日が地獄だった。
何度も死のうとした。
五年生の夏休み、二学期が来てしまうのをひたすら怖がって過ごした。
だから休みが明けた九月一日の放課後、本気で死ぬことにした。
五年二組の教室は、四階。
飛び降りれば、死ねる。
日光で熱くなった銀のサッシの窓枠に座る。
あの日も、今日と同じように下を見ていた。
残暑の暑い日差しが容赦なく照りつけている。
その太陽の下、始業式が終わった同級生達が、気だるい昼前の校庭を歩いて帰っている。
女子のくすくすとした笑い声が聞こえる。
男子のクラスメイトを追いかけ回すはしゃぎ声が聞こえる。
──嫌いだった。
このクラスのみんなが。
このクラスの担任が。
この学校が。
この世界が。
こんな──自分が。
さよならするんだ。
全部に。
持ちうる全てのものに。
飛べる。今なら。飛び降りられる。
窓枠に立った。
あと一歩、前に出れば、さよならだ。
なにも怖くない。
意を決して右足を出した時──
「あぶないよ」
誰もいないと思っていたから、唐突な声にびっくりしてバランスを崩して背中から教室側に倒れ込んだ。
その子がとっさに間に入ってくれたおかげで、頭を打たずに済んだ。
柔らかな、暖かい身体が、自分を受け止めている。
振り返る。
意外な子が、そこにいた。
「緑川……さん?」
緑川ひすい。
腰まである長い髪。
ふわふわと緩くウェーブがかかっている。
くりくりした可愛い目。
背の順では万年一番目の、小柄な身長。
月子と同じ、クラス最底辺のいじめられっ子。
月子からは、同じ相手にいじめられている子、程度の認識しかなかった。
班も違ったし、四年生までクラスも違った。
そんなひすいは、月子が今しようとしていたことには何も触れずに、一言だけ言った。
「こっち来て。一緒に遊ぼう」
窓際の月子の席とは真逆の、廊下側のいちばん後ろの席が、ひすいの席だった。
机は傷だらけだ。
自分でつけたんじゃない。
月子はすぐにわかった。
この子も、「同じ」なのだ。
「つきこちゃん、あそびましょ」
唐突に編みぐるみを出てきた。髪の毛が赤い、十五センチくらいの女の子だ。
「わたし、ぼたん! つきこちゃんよろしくね」
ん、と言って「ぼたんちゃん」を月子に渡してきた。
月子は戸惑いながらもその手に受け取った。
「あたし、アキ! ぼたんちゃんだいすきよ!」
今度は青い髪で、目がオーロラみたいなビーズで出来た編みぐるみの女の子が出てきた。
「あたシ、サクラ! みてミテ、おかおケガしちゃっタ」
次に出して来たのは、顔に傷が入ってしまってる、目がハートの形をした、ピンクの髪の編みぐるみ。
「わたし、つばき。 なかよくしてね……」
最後に出てきたのは、髪も目も鮮やかな金色で、小麦色の肌をした編みぐるみ。
「すごい、自分で作ったの?」
素直に感動した月子は、ひすいの作った人形に目を奪われた。
「うん。わたし、お友達作るの苦手だけど、人形のお友達なら、『作れる』から」
下を向いてはにかむひすいに、月子は今までに感じたことの無い感情が湧き上がるのを感じた。
「つきこちゃん、だいすきよ、ずっとまえから」
月子はハッとした。
だいすきだなんて、もう長く親にも言われてない。
「つきこちゃん、だいすきよ、ずっとまえから」
青い髪の「アキちゃん」を操るひすいが言う。
月子は視線を編みぐるみから、上げる。
ひすいが、頬を赤らめて、どぎまぎしている。
「……月子ちゃん、大好き……ずっと……前から」
小さな声で、もう一回、告げた。
月子は、赤いそのほっぺを触った。
信じられないくらい柔らかくて、信じられないくらい熱かった。
「……あたしがさっき、何しようとしてたか、知ってる?」
「……うん」
「それでも、好きなの?」
「……」
ひすいは下を向いて、くりくりしたリスみたいな目を左右に動かした。
その後、月子を見た。
「うん」
月子がひすいの唇を奪ったのは、その三秒後だった。
それから、二人の秘密の放課後の人形遊びが始まった。
赤毛のぼたんは、勝気な女の子。スポーツ万能で人形たちのリーダー。
青い髪のアキは、オシャレなおませさん。いつも可愛い服を着ている。
ピンクの髪のサクラは、怪我のせいでちょっと頭のネジが飛んじゃってる子。ときどき人が変わったかのように怒り出す。
金色の髪のつばきは、無口な女の子。実は相手の心が読める超能力の持ち主。
人形たちの性格や裏設定を語るひすいは、クラスでいじめられている時と違って、とても雄弁だ。
月子は、それをうんうん、と頷く。
あたしじゃそんなに上手に思いつかないよ。
何度もそう言った。
その度、ひすいははにかんだ。
そして──キスをした。
いじめられている目の前の背の低いこのクラスメイトが、愛おしくて愛おしくてたまらなかった。
ひすいが死んだのは、人形遊びを初めて三ヶ月が経った十二月だった。
月子がした口付けをいじめっ子のリーダーの子に見られた。
レズおんな。
そう言いふらされた、その翌日だった。
いつもみたいに、人形遊びをして、口付けをして、別れた。
はずだった。
ひすいは、人形遊びの後、月子が飛び降りるはずだった銀のサッシの窓枠から、一歩、踏み出した。
あの日のように、誰かに止められることもなく。
あの日のように、誰かに受け止められることもなく。
翌日、全校集会で知った。
その日の放課後、急いでひすいのお道具箱を開けた。
持ち主の居なくなった編みぐるみが、こっちを見ていた。
じゃあね。
あの日。そう言って手を振って別れた時の、寂しげに小さく手を振ったひすいの顔が、頭から離れない。
人形たちの事を饒舌に話すはにかんだ顔が、頭から離れない。
泣いた。
心の底から泣いた。
誰もいなくなった、ひとりぼっちの放課後の教室で、編みぐるみ達を抱いて、大粒の涙を零しながら泣いた。
そして、その瞬間から月子は、女の、しかもひすいと同じ歳の子しか、愛せなくなった。
今、九階まである学部の茶色の棟の屋上の──この時間は清掃業者が鍵を開けているのを知っていた──錆びた緑色のフェンスを超えた、いちばん端の所で、ダークグレーのリクルートスーツを身に纏い、紙袋を手に立っている。
下を覗く。
午後の三時過ぎ。
講義が終わった学生が、友人達と歩いている。
にこやかな声が、屋上に立つ月子の耳まで届く。
それは自分が望んでも決して手に入らない幸せのようで、耳を塞ぎたくなる。
六月の不機嫌な空は太陽を薄い雲で隠している。
まるでお前は照らしてやらないと言うかのように。
──大丈夫。
はじめてじゃない。
これで楽になれるはずだ。
あと一歩踏み出すだけで。
こんな地獄みたいな日々に。
さよならできる。
それに、ひとりじゃない。
ひすいがいてくれる。
ここに──あたしの手の中に。
ひすいが──
──十年前。
この世の全てのものに、きっかけはある。
月子の場合、それは小学五年生の秋のことだった。
東京都の郊外、小平市にある番号の名前がついた小学校。
月子が通っていた頃、その小学校は荒れていた。
いじめが蔓延っていて、PTAもまともに機能していなかった。
そんな学校に毎日登校していた、灰島月子。
癖のあるふわふわのショートヘア。
小さな頃からあまり食べられなくて痩せきった身体。
そのくせ妙に高い身長。
小ぶりな顔に不釣り合いな大きなメガネ。
どんなに顔を洗っても落ちてくれない目の下のクマ。
いじめられっ子っぽい見た目が、大嫌いだった。
そして、その見た目通りに、酷いいじめを受けていた。
鉛筆を隠された。
消しゴムを隠された。
隠された筆箱は、週に一回は親に買ってもらっていた。
ランドセルはマジックで落書きだらけにされたから、リュックで通った。
机にはいつも、「死ね」と「ブス」が書かれていた。
校舎裏に呼び出され、いじめっ子のリーダーの命令で裸にされた。
ちょうど初潮が来ていて保健室に向かう途中だった。
血まみれのパンツを馬鹿にされた。
その光景を男子に見られた。
ついたあだ名は「露出狂」。
毎日が地獄だった。
何度も死のうとした。
五年生の夏休み、二学期が来てしまうのをひたすら怖がって過ごした。
だから休みが明けた九月一日の放課後、本気で死ぬことにした。
五年二組の教室は、四階。
飛び降りれば、死ねる。
日光で熱くなった銀のサッシの窓枠に座る。
あの日も、今日と同じように下を見ていた。
残暑の暑い日差しが容赦なく照りつけている。
その太陽の下、始業式が終わった同級生達が、気だるい昼前の校庭を歩いて帰っている。
女子のくすくすとした笑い声が聞こえる。
男子のクラスメイトを追いかけ回すはしゃぎ声が聞こえる。
──嫌いだった。
このクラスのみんなが。
このクラスの担任が。
この学校が。
この世界が。
こんな──自分が。
さよならするんだ。
全部に。
持ちうる全てのものに。
飛べる。今なら。飛び降りられる。
窓枠に立った。
あと一歩、前に出れば、さよならだ。
なにも怖くない。
意を決して右足を出した時──
「あぶないよ」
誰もいないと思っていたから、唐突な声にびっくりしてバランスを崩して背中から教室側に倒れ込んだ。
その子がとっさに間に入ってくれたおかげで、頭を打たずに済んだ。
柔らかな、暖かい身体が、自分を受け止めている。
振り返る。
意外な子が、そこにいた。
「緑川……さん?」
緑川ひすい。
腰まである長い髪。
ふわふわと緩くウェーブがかかっている。
くりくりした可愛い目。
背の順では万年一番目の、小柄な身長。
月子と同じ、クラス最底辺のいじめられっ子。
月子からは、同じ相手にいじめられている子、程度の認識しかなかった。
班も違ったし、四年生までクラスも違った。
そんなひすいは、月子が今しようとしていたことには何も触れずに、一言だけ言った。
「こっち来て。一緒に遊ぼう」
窓際の月子の席とは真逆の、廊下側のいちばん後ろの席が、ひすいの席だった。
机は傷だらけだ。
自分でつけたんじゃない。
月子はすぐにわかった。
この子も、「同じ」なのだ。
「つきこちゃん、あそびましょ」
唐突に編みぐるみを出てきた。髪の毛が赤い、十五センチくらいの女の子だ。
「わたし、ぼたん! つきこちゃんよろしくね」
ん、と言って「ぼたんちゃん」を月子に渡してきた。
月子は戸惑いながらもその手に受け取った。
「あたし、アキ! ぼたんちゃんだいすきよ!」
今度は青い髪で、目がオーロラみたいなビーズで出来た編みぐるみの女の子が出てきた。
「あたシ、サクラ! みてミテ、おかおケガしちゃっタ」
次に出して来たのは、顔に傷が入ってしまってる、目がハートの形をした、ピンクの髪の編みぐるみ。
「わたし、つばき。 なかよくしてね……」
最後に出てきたのは、髪も目も鮮やかな金色で、小麦色の肌をした編みぐるみ。
「すごい、自分で作ったの?」
素直に感動した月子は、ひすいの作った人形に目を奪われた。
「うん。わたし、お友達作るの苦手だけど、人形のお友達なら、『作れる』から」
下を向いてはにかむひすいに、月子は今までに感じたことの無い感情が湧き上がるのを感じた。
「つきこちゃん、だいすきよ、ずっとまえから」
月子はハッとした。
だいすきだなんて、もう長く親にも言われてない。
「つきこちゃん、だいすきよ、ずっとまえから」
青い髪の「アキちゃん」を操るひすいが言う。
月子は視線を編みぐるみから、上げる。
ひすいが、頬を赤らめて、どぎまぎしている。
「……月子ちゃん、大好き……ずっと……前から」
小さな声で、もう一回、告げた。
月子は、赤いそのほっぺを触った。
信じられないくらい柔らかくて、信じられないくらい熱かった。
「……あたしがさっき、何しようとしてたか、知ってる?」
「……うん」
「それでも、好きなの?」
「……」
ひすいは下を向いて、くりくりしたリスみたいな目を左右に動かした。
その後、月子を見た。
「うん」
月子がひすいの唇を奪ったのは、その三秒後だった。
それから、二人の秘密の放課後の人形遊びが始まった。
赤毛のぼたんは、勝気な女の子。スポーツ万能で人形たちのリーダー。
青い髪のアキは、オシャレなおませさん。いつも可愛い服を着ている。
ピンクの髪のサクラは、怪我のせいでちょっと頭のネジが飛んじゃってる子。ときどき人が変わったかのように怒り出す。
金色の髪のつばきは、無口な女の子。実は相手の心が読める超能力の持ち主。
人形たちの性格や裏設定を語るひすいは、クラスでいじめられている時と違って、とても雄弁だ。
月子は、それをうんうん、と頷く。
あたしじゃそんなに上手に思いつかないよ。
何度もそう言った。
その度、ひすいははにかんだ。
そして──キスをした。
いじめられている目の前の背の低いこのクラスメイトが、愛おしくて愛おしくてたまらなかった。
ひすいが死んだのは、人形遊びを初めて三ヶ月が経った十二月だった。
月子がした口付けをいじめっ子のリーダーの子に見られた。
レズおんな。
そう言いふらされた、その翌日だった。
いつもみたいに、人形遊びをして、口付けをして、別れた。
はずだった。
ひすいは、人形遊びの後、月子が飛び降りるはずだった銀のサッシの窓枠から、一歩、踏み出した。
あの日のように、誰かに止められることもなく。
あの日のように、誰かに受け止められることもなく。
翌日、全校集会で知った。
その日の放課後、急いでひすいのお道具箱を開けた。
持ち主の居なくなった編みぐるみが、こっちを見ていた。
じゃあね。
あの日。そう言って手を振って別れた時の、寂しげに小さく手を振ったひすいの顔が、頭から離れない。
人形たちの事を饒舌に話すはにかんだ顔が、頭から離れない。
泣いた。
心の底から泣いた。
誰もいなくなった、ひとりぼっちの放課後の教室で、編みぐるみ達を抱いて、大粒の涙を零しながら泣いた。
そして、その瞬間から月子は、女の、しかもひすいと同じ歳の子しか、愛せなくなった。
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