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第六部 あの二人ってどうなの?編
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「ウメちゃん、あの、…ごめんね。さっきのは、その…」
「うん…」
(え、話進めんの?俺いるんだけど)
竹彪は驚いた。竹彪の存在を無視して、二人は話を続けようとしている。
「び、びっくりしただけだから…嫌だったわけじゃなくて、」
「うん」
「あのね、ちゅうされるのも、ぎゅってされるのも、嫌じゃないんだ。ウメちゃんのこと、大好きだから」
「っ…楓っ…!」
「でもね、その…」
「…待った。俺、あっち行っていい?ごめんな、話の腰折っちゃって。彩葉んとこ、行ってくるわ。ほんと、ごめんね?ほんとに」
竹彪は二人に断ってそそくさとその場を離れた。途中、竹彪は自分の存在がこの世から消えたのかと思った。そのくらい、完全に梅寿と楓の二人の世界だった。話は聞かないであげたほうがいいだろう。いつの間にか紅葉と松寿で彩葉を撮影するという彩葉撮影会が始まっていた。竹彪はそちらに合流した。
楓は梅寿を見上げて問う。
「僕が、怖いこと、…しないで、いてくれる…?」
「もちろん。楓が嫌がることも怖いこともしない。当たり前だろ」
楓は安心してぱっと表情を明るくした。楓はさっきの梅寿に驚いて怖くなってしまったようだ。確かに、さっきは理性が吹っ飛んで襲うように楓に迫ってしまった。だって楓があんまり可愛かったから。
しかし、愛する恋人を怯えさせるような真似はしてはいけない。当然のことだ。あんなに性急に迫ってしまって、可哀想なことをしてしまった。竹彪の雄っぱいに縋りついて深く落ち込んだが、楓が話してくれて良かった。しかし、そうなるともう楓にあれやこれやはできないということだろうか。ちゅうとぎゅっはいいけどその先は駄目なんだろうか。梅寿に新たな悩みが産まれてしまった。ここは竹彪の雄っぱいに癒やしてもらおうと思った梅寿は、楓に腕を取られた。
「ありがとう!…ゆっくり、していこうね」
「お、おう」
最後は梅寿に耳打ちをして、楓はにっこり微笑んだ。ゆっくり、ということは、絶対にしたくないということではないということだろうか。上目遣いで見上げてくる楓はどこかいやらしい匂いがする。襲いかかりたいのを梅寿はぐっとこらえた。
そして少し離れた場所では彩葉撮影会が開催されていた。
「彩葉さん、目線こちらに」
「彩葉ちゃん可愛いよー」
「やだぁ~俺、困っちゃう☆」
「何してんだお前ら…彩葉ちゃん、こっちにポーズを」
「しねぇよ。何紛れてんのお前」
「うん…」
(え、話進めんの?俺いるんだけど)
竹彪は驚いた。竹彪の存在を無視して、二人は話を続けようとしている。
「び、びっくりしただけだから…嫌だったわけじゃなくて、」
「うん」
「あのね、ちゅうされるのも、ぎゅってされるのも、嫌じゃないんだ。ウメちゃんのこと、大好きだから」
「っ…楓っ…!」
「でもね、その…」
「…待った。俺、あっち行っていい?ごめんな、話の腰折っちゃって。彩葉んとこ、行ってくるわ。ほんと、ごめんね?ほんとに」
竹彪は二人に断ってそそくさとその場を離れた。途中、竹彪は自分の存在がこの世から消えたのかと思った。そのくらい、完全に梅寿と楓の二人の世界だった。話は聞かないであげたほうがいいだろう。いつの間にか紅葉と松寿で彩葉を撮影するという彩葉撮影会が始まっていた。竹彪はそちらに合流した。
楓は梅寿を見上げて問う。
「僕が、怖いこと、…しないで、いてくれる…?」
「もちろん。楓が嫌がることも怖いこともしない。当たり前だろ」
楓は安心してぱっと表情を明るくした。楓はさっきの梅寿に驚いて怖くなってしまったようだ。確かに、さっきは理性が吹っ飛んで襲うように楓に迫ってしまった。だって楓があんまり可愛かったから。
しかし、愛する恋人を怯えさせるような真似はしてはいけない。当然のことだ。あんなに性急に迫ってしまって、可哀想なことをしてしまった。竹彪の雄っぱいに縋りついて深く落ち込んだが、楓が話してくれて良かった。しかし、そうなるともう楓にあれやこれやはできないということだろうか。ちゅうとぎゅっはいいけどその先は駄目なんだろうか。梅寿に新たな悩みが産まれてしまった。ここは竹彪の雄っぱいに癒やしてもらおうと思った梅寿は、楓に腕を取られた。
「ありがとう!…ゆっくり、していこうね」
「お、おう」
最後は梅寿に耳打ちをして、楓はにっこり微笑んだ。ゆっくり、ということは、絶対にしたくないということではないということだろうか。上目遣いで見上げてくる楓はどこかいやらしい匂いがする。襲いかかりたいのを梅寿はぐっとこらえた。
そして少し離れた場所では彩葉撮影会が開催されていた。
「彩葉さん、目線こちらに」
「彩葉ちゃん可愛いよー」
「やだぁ~俺、困っちゃう☆」
「何してんだお前ら…彩葉ちゃん、こっちにポーズを」
「しねぇよ。何紛れてんのお前」
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