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第六部 あの二人ってどうなの?編
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松寿は笑いながらスマホで彩葉の撮影を始めた。彩葉はノリノリでポーズを決めている。梅寿は固まったままだった。一体人様の家で何をしているのか。それよりも、あまりの彩葉の可愛さに梅寿は驚いた。可愛らしい人だとは思っていたが、フリフリで女の子らしい格好をすると女の子以上に可愛らしい。とても同性には見えなかった。ついつい短めのスカートの足元に目が行ってしまう。梅寿は無理矢理視線を逸らして楓を探した。今日は彩葉とともに紅葉の家に来ていたはずだが、姿が見当たらない。その時、紅葉に服の袖を引かれた。
「梅寿さん、ちょっと」
紅葉に呼ばれて、梅寿は松寿と彩葉を置いて家の中についていった。広く長い廊下を進んで扉の前に案内される。
「気が済んだから私の部屋で着替えて下さいとお伝え下さい。廊下に使用人が待機してますので」
紅葉の側にいた女性が頭を下げ、紅葉は去っていった。梅寿はわけがわからず、応接室に入る。無人の室内にどうしたらいいかわからない梅寿は、ソファの影にしゃがみこんでいる人影を見つけて飛び上がった。
「ひぎいぃっ!な、なんかいるっ…!て、もしかして…」
「ひきゃあああっ!」
梅寿の悲鳴に驚いた人影も悲鳴を上げた。顔を上げた人影は楓だった。彩葉とは対象的な青いフリフリ衣装を身に着けた楓が隠れていた。
「あ、う、ウメちゃん…」
楓は恐る恐る立ち上がる。梅寿は固まっていた。こんな格好を見られてしまい恥ずかしいが、リアクションのない梅寿に楓は不安を覚えた。彩葉と女装をして盛り上がるに盛り上がって楽しくて仕方なかったが、冷静になってみたらかなりやばいことなのではないか。いくら女の子の体に変わってしまう特異体質になったとはいえ、今日は男の体だ。単に女装をして盛り上がっていたことになる。ただの変態行為だ。彩葉は梅寿が喜ぶと言っていたが、固まる梅寿にそれは思い違いではないだろうかと思った。実際梅寿からはなんの反応もない。
「あ、あのね、これ、紅葉さんが作ってくれて、彩葉さんと着て、遊んでて、それでね、」
梅寿は無言のまま固まっている。彼氏だが同級生の梅寿を見て、楓はこの格好にヤバさを感じていた。なんとか取り繕うために言葉を紡いでみたが、同い年の高校生男子が女装して遊んでましたはなかなかに怖い状況ではないだろうか。楓の不安は頂点を超えてしまった。
「梅寿さん、ちょっと」
紅葉に呼ばれて、梅寿は松寿と彩葉を置いて家の中についていった。広く長い廊下を進んで扉の前に案内される。
「気が済んだから私の部屋で着替えて下さいとお伝え下さい。廊下に使用人が待機してますので」
紅葉の側にいた女性が頭を下げ、紅葉は去っていった。梅寿はわけがわからず、応接室に入る。無人の室内にどうしたらいいかわからない梅寿は、ソファの影にしゃがみこんでいる人影を見つけて飛び上がった。
「ひぎいぃっ!な、なんかいるっ…!て、もしかして…」
「ひきゃあああっ!」
梅寿の悲鳴に驚いた人影も悲鳴を上げた。顔を上げた人影は楓だった。彩葉とは対象的な青いフリフリ衣装を身に着けた楓が隠れていた。
「あ、う、ウメちゃん…」
楓は恐る恐る立ち上がる。梅寿は固まっていた。こんな格好を見られてしまい恥ずかしいが、リアクションのない梅寿に楓は不安を覚えた。彩葉と女装をして盛り上がるに盛り上がって楽しくて仕方なかったが、冷静になってみたらかなりやばいことなのではないか。いくら女の子の体に変わってしまう特異体質になったとはいえ、今日は男の体だ。単に女装をして盛り上がっていたことになる。ただの変態行為だ。彩葉は梅寿が喜ぶと言っていたが、固まる梅寿にそれは思い違いではないだろうかと思った。実際梅寿からはなんの反応もない。
「あ、あのね、これ、紅葉さんが作ってくれて、彩葉さんと着て、遊んでて、それでね、」
梅寿は無言のまま固まっている。彼氏だが同級生の梅寿を見て、楓はこの格好にヤバさを感じていた。なんとか取り繕うために言葉を紡いでみたが、同い年の高校生男子が女装して遊んでましたはなかなかに怖い状況ではないだろうか。楓の不安は頂点を超えてしまった。
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