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第六部 あの二人ってどうなの?編
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紅葉はカメラを連射しまくった。松寿が来る、コスプレはともかく着替えたほうがいいだろうか、どんな挨拶をしよう、などという浮ついた気持ちが吹っ飛んだ。今はできる限り百合男の娘二人組をカメラに収めなければならない。紅葉は時間の許すかぎり、ノリノリ彩葉と赤くなって戸惑っている楓を撮りまくった。
程なくして松寿と梅寿はタクシーで紅葉邸にやってきた。梅寿は紅葉邸のあまりの豪邸っぷりに、松寿の背後に寄り添っていた。
「くっつくなよお前…暑苦しいなぁ」
「だって、すげぇじゃん紅葉さんち…なんなのこの家、ゲームに出てくるやつじゃん」
「そうだな、家入ったらまず赤いハーブ探せよ。あ、紅葉、おつ~」
「それだけじゃ詰むやつ。紅葉さん、こんちわっす。すんません、突然…」
「いえいえ、お待ちしておりました。こちらへどうぞ」
紅葉の案内を受けて、二人は紅葉について歩き出した。梅寿は松寿にひっついたまま、辺りを見回している。
「黒木が楽しいことしてるから来いっつってたけど、何してたの?」
「それはまぁ、見ていただければわかるかと…それよりお二人共、密着しすぎではないでしょうか」
「え?いやぁ、兄弟だから、別に…な、兄ちゃん」
「あー、兄弟だしなぁ。こいついつも、こんな感じだし」
松寿も梅寿も平然としている。本当にいつもこんな感じなのだろう。兄弟のいない紅葉にはわからないが、兄弟とはそんなものなのだろう。
いや、そんなわけない。紅葉は騙されない。いくら兄弟だっていったって、もうこんなに大きい兄弟がイチャイチャ密着するなんて、そんなけしからんこと、許されてはいけない。そんな兄弟はいないわけではないだろうが、少数派だろう。こんな美形兄弟がイチャイチャ密着しちゃって、どっちが受けなの?松寿さん、竹彪さんはどうなさるおつもりなの?三角関係なの?など、ざまざまな想像が紅葉の脳裏をよぎった。紅葉は思わぬオカズを手に入れることができた。今夜は長い夜になりそうだ。
門をくぐってしばらく歩いたところに白いテーブルと椅子が何脚か置いてある。お茶をするための場所らしい。そのそばに、フリフリの派手な格好をした誰かが背中を向けて立っていた。ピンクの衣装に身を包んだその人は、近づくと気配を感じたのか、振り返った。
「じゃーん!魔法少女の彩葉ちゃんデッス☆」
彩葉はポーズを決めた。梅寿は固まったが、松寿はすぐに吹き出した。
「なにしてん、おま…似合いすぎだろ、お前、ぶはっ!彩葉ちゃん、こっち向いてぇ~」
程なくして松寿と梅寿はタクシーで紅葉邸にやってきた。梅寿は紅葉邸のあまりの豪邸っぷりに、松寿の背後に寄り添っていた。
「くっつくなよお前…暑苦しいなぁ」
「だって、すげぇじゃん紅葉さんち…なんなのこの家、ゲームに出てくるやつじゃん」
「そうだな、家入ったらまず赤いハーブ探せよ。あ、紅葉、おつ~」
「それだけじゃ詰むやつ。紅葉さん、こんちわっす。すんません、突然…」
「いえいえ、お待ちしておりました。こちらへどうぞ」
紅葉の案内を受けて、二人は紅葉について歩き出した。梅寿は松寿にひっついたまま、辺りを見回している。
「黒木が楽しいことしてるから来いっつってたけど、何してたの?」
「それはまぁ、見ていただければわかるかと…それよりお二人共、密着しすぎではないでしょうか」
「え?いやぁ、兄弟だから、別に…な、兄ちゃん」
「あー、兄弟だしなぁ。こいついつも、こんな感じだし」
松寿も梅寿も平然としている。本当にいつもこんな感じなのだろう。兄弟のいない紅葉にはわからないが、兄弟とはそんなものなのだろう。
いや、そんなわけない。紅葉は騙されない。いくら兄弟だっていったって、もうこんなに大きい兄弟がイチャイチャ密着するなんて、そんなけしからんこと、許されてはいけない。そんな兄弟はいないわけではないだろうが、少数派だろう。こんな美形兄弟がイチャイチャ密着しちゃって、どっちが受けなの?松寿さん、竹彪さんはどうなさるおつもりなの?三角関係なの?など、ざまざまな想像が紅葉の脳裏をよぎった。紅葉は思わぬオカズを手に入れることができた。今夜は長い夜になりそうだ。
門をくぐってしばらく歩いたところに白いテーブルと椅子が何脚か置いてある。お茶をするための場所らしい。そのそばに、フリフリの派手な格好をした誰かが背中を向けて立っていた。ピンクの衣装に身を包んだその人は、近づくと気配を感じたのか、振り返った。
「じゃーん!魔法少女の彩葉ちゃんデッス☆」
彩葉はポーズを決めた。梅寿は固まったが、松寿はすぐに吹き出した。
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