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第一部 彩葉と竹彪編
完
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「違ぇよ、それは…俺は、どっちのお前も好きだ!」
「…は?」
彩葉は竹彪に抱きしめられた。今竹彪はなんと言ったのか。考える前に竹彪が囁いてきた。
「男でも女でも、どっちのお前も愛してる」
「は、え…はいぃぃ??」
彩葉は変な叫び声を上げてしまった。腹痛とモヤモヤはどこへやら。彩葉は竹彪を引き剥がして向き合った。
「お前今何つっ…お前、俺のこと好きなの?!」
彩葉は自分で言って恥ずかしくなった。好きとか、愛してるとか、なんでそんな事を平気で言えるのか。彩葉は顔が熱くなっていく。まさか、竹彪が彩葉をそういう意味で好きだなんて思いもしなかった。
「好きじゃなきゃやんねーだろ」
恥ずかしがっていた彩葉だが、竹彪の一言ですんっと冷静になった。
(…やばい)
彩葉は嫌いではないけど恋愛的な好きではない竹彪と興味本位でやりまくった。それはもう、ズコズコと。まったく気が付かなかったが、竹彪と彩葉の間には温度差があったようだ。竹彪はちゃんと、彩葉に対して恋愛感情を抱いていたらしい。竹彪が黙った彩葉の顔を覗き込んでくる。彩葉は顔をそらした。
「好きじゃなきゃ、やんねぇよな?俺はお前と付き合ってるつもりだったけど」
「俺達付き合ってたの?!」
「お前、まじか!」
彩葉と竹彪は絶妙に噛み合っていなかった。彩葉は竹彪を、いや、竹彪も彩葉のことをセフレだと思っていると思っていた。竹彪は違ったらしい。
「いや、だって、付き合ってとか、好きとかなかったじゃん?」
「言っただろ、初めてやった時に付き合ってくれって」
彩葉はその時の記憶を手繰り寄せる。初めてで竹彪を受け入れることはできなかった彩葉だが、解すための前準備で前立腺を刺激されていきまくった。めちゃくちゃ良かったあの日、竹彪は何を言っていただろうか。
ー『なぁ、お、達、付き合、ね?』
(は?なにが?なんて?)
いきすぎて頭が朦朧としている中、彩葉は適当に返事をした。
『あー、うん。その前にちょっと、寝かして』ー
あれだ。間違いない。何をいっているかわからなくて適当に返事をしたが、あれは『俺達付き合わね?』と言っていたのだ。
彩葉は間違いなく付き合おうと竹彪に言われていた。だがしかし彩葉は解せなかった。
「あんなことした後に言う?する前じゃねぇの?告白って」
「いや、いつもやった後に言われてたけど。アタシ達付き合ってるよね?っつって。やった後じゃねぇの?」
(聞かれても知らんて)
彩葉は心の中で竹彪に返事をした。童貞にそんなこと聞かれても困ってしまう。やった後に女子から付き合ってるか確認されるなんて、経験の差を見せつけられてしまった。
「女の時にやりまくったっつーか、男の時、あっちは出口だからあんま無理できねぇって思ってたんだよ」
「じゃあ女の子の方がいいんじゃん。俺が男に戻った時、ガッカリしてたろ?どっちでも良くねぇじゃん」
「男に戻ったからってガッカリしねぇよ。女の時に怖がらせてたんだと思って…やりすぎたのは反省してる」
竹彪は『竹彪が彩葉を抱きすぎて、彩葉が女の子でいることが怖くなってしまったのではないか』と思ったようだ。実際のところあの時の彩葉は童貞卒業できなくなることが怖かったのだが。
竹彪はどこまでも彩葉のことを想ってくれていたようだ。
気づいた彩葉は再び顔が熱くなった。
「おま…お前、どんだけ俺のこと好きなの」
あまりに熱くて彩葉は両手で自分の頬を包む。竹彪が彩葉の肩を掴み、竹彪の顔がゆっくり近づいてきた。
(うそぉ、チューすんの?流れるようにチューす)
彩葉はギュッと体を固くした。その時、嫌な感触に下を向く。
目測を誤った竹彪の唇は彩葉のおでこに着地した。
「おい」
「待った、竹彪。嫌な予感が」
彩葉は布団をめくる。その先には真っ赤な血の海が広がっていた。二人は仲良く気を失った。
END
「…は?」
彩葉は竹彪に抱きしめられた。今竹彪はなんと言ったのか。考える前に竹彪が囁いてきた。
「男でも女でも、どっちのお前も愛してる」
「は、え…はいぃぃ??」
彩葉は変な叫び声を上げてしまった。腹痛とモヤモヤはどこへやら。彩葉は竹彪を引き剥がして向き合った。
「お前今何つっ…お前、俺のこと好きなの?!」
彩葉は自分で言って恥ずかしくなった。好きとか、愛してるとか、なんでそんな事を平気で言えるのか。彩葉は顔が熱くなっていく。まさか、竹彪が彩葉をそういう意味で好きだなんて思いもしなかった。
「好きじゃなきゃやんねーだろ」
恥ずかしがっていた彩葉だが、竹彪の一言ですんっと冷静になった。
(…やばい)
彩葉は嫌いではないけど恋愛的な好きではない竹彪と興味本位でやりまくった。それはもう、ズコズコと。まったく気が付かなかったが、竹彪と彩葉の間には温度差があったようだ。竹彪はちゃんと、彩葉に対して恋愛感情を抱いていたらしい。竹彪が黙った彩葉の顔を覗き込んでくる。彩葉は顔をそらした。
「好きじゃなきゃ、やんねぇよな?俺はお前と付き合ってるつもりだったけど」
「俺達付き合ってたの?!」
「お前、まじか!」
彩葉と竹彪は絶妙に噛み合っていなかった。彩葉は竹彪を、いや、竹彪も彩葉のことをセフレだと思っていると思っていた。竹彪は違ったらしい。
「いや、だって、付き合ってとか、好きとかなかったじゃん?」
「言っただろ、初めてやった時に付き合ってくれって」
彩葉はその時の記憶を手繰り寄せる。初めてで竹彪を受け入れることはできなかった彩葉だが、解すための前準備で前立腺を刺激されていきまくった。めちゃくちゃ良かったあの日、竹彪は何を言っていただろうか。
ー『なぁ、お、達、付き合、ね?』
(は?なにが?なんて?)
いきすぎて頭が朦朧としている中、彩葉は適当に返事をした。
『あー、うん。その前にちょっと、寝かして』ー
あれだ。間違いない。何をいっているかわからなくて適当に返事をしたが、あれは『俺達付き合わね?』と言っていたのだ。
彩葉は間違いなく付き合おうと竹彪に言われていた。だがしかし彩葉は解せなかった。
「あんなことした後に言う?する前じゃねぇの?告白って」
「いや、いつもやった後に言われてたけど。アタシ達付き合ってるよね?っつって。やった後じゃねぇの?」
(聞かれても知らんて)
彩葉は心の中で竹彪に返事をした。童貞にそんなこと聞かれても困ってしまう。やった後に女子から付き合ってるか確認されるなんて、経験の差を見せつけられてしまった。
「女の時にやりまくったっつーか、男の時、あっちは出口だからあんま無理できねぇって思ってたんだよ」
「じゃあ女の子の方がいいんじゃん。俺が男に戻った時、ガッカリしてたろ?どっちでも良くねぇじゃん」
「男に戻ったからってガッカリしねぇよ。女の時に怖がらせてたんだと思って…やりすぎたのは反省してる」
竹彪は『竹彪が彩葉を抱きすぎて、彩葉が女の子でいることが怖くなってしまったのではないか』と思ったようだ。実際のところあの時の彩葉は童貞卒業できなくなることが怖かったのだが。
竹彪はどこまでも彩葉のことを想ってくれていたようだ。
気づいた彩葉は再び顔が熱くなった。
「おま…お前、どんだけ俺のこと好きなの」
あまりに熱くて彩葉は両手で自分の頬を包む。竹彪が彩葉の肩を掴み、竹彪の顔がゆっくり近づいてきた。
(うそぉ、チューすんの?流れるようにチューす)
彩葉はギュッと体を固くした。その時、嫌な感触に下を向く。
目測を誤った竹彪の唇は彩葉のおでこに着地した。
「おい」
「待った、竹彪。嫌な予感が」
彩葉は布団をめくる。その先には真っ赤な血の海が広がっていた。二人は仲良く気を失った。
END
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