オキツネサマの話 (BL、18禁、攻✕受＋受)

第一話 ショタジジイ、同性同士の初体験

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「離せ！なんじゃお前は！こんなお稲荷様と思わなんだ、さっきまでのいい雰囲気を返せ！」
「もうええ、もうええ。お礼はええからもう昇天させとくれ。こんなこと、忘れさせとくれぇ！」
二人は力いっぱい飛び退いてオキツネサマと距離を取った。
「いいなぁ、元気なショタっ子。こちらに来るまで待ってよかったよ。中身は100歳超えてるからね。合法だよね」
「合法じゃねぇんじゃ、見た目がアウトなんじゃ」
「ロリババアならぬショタジジイ、最高だね」
「さっきから何を言っとるんじゃこの男、半分もわからん、わかりとうもない！」
イチとジロは走って逃げた。周りは真っ白でなにもない。地面はふわふわしていて雲のようだった。足を取られながらも二人は散り散りに逃げる。逃げたつもりだった。気づけば二人はオキツネサマの元へ集合してしまっていた。
「はい、おかえり。それでお礼の内容なんだけどね」
「なっ、なんじゃ！なんでここに来てしまうんじゃ？！」
「しかも普通に話を続けとる！尻をもまれとる！」
イチとジロはキャアキャア騒いだ。何故かわからないが、バラバラに走っていたはずのイチとジロは気づけばオキツネサマの元にいた。その上腕の中に捕われて、再度お尻を揉まれていた。
「お参りしてくれていたお礼に、気持ちよくなってもらおうかなと思って。どうかな？」
オキツネサマは再び美しい笑顔を見せた。どうもこうも、いくら美しくとも男相手にそんなお礼は不要だった。イチとジロは首を横に振る。
「お、男にそんな…いや、気持ちよくなるって具体的に何かの？マッサージとかそういう」
「セックスだよ」
「駄目じゃ駄目じゃ。何言うとるんじゃコイツは」
イチの質問に、オキツネサマは爽やかな笑顔でとんでもないことを言い放った。
「いやまて、もしや儂らは供物になってしまったとか…この体はお稲荷様の糧になるとか、そういうことなんじゃなかろうか」
「いや、全然そんなことないよ、ただやりたいだけだよ。その姿も二人がお互い思い出しやすいかなーって気持ちもあるけど、大半が俺の純粋な性癖だよ」
「やべー男じゃ。ただのやべー男じゃ、コイツ」
「もうね、あの頃から思ってたんだよ。無防備にお尻ぷりぷりさせながら遊んでてもう、たまんねぇなって。でもあの頃に手を出すのは法的にも倫理的にもよろしくないなぁって。イエスショタ、ノータッチの精神だよね。今ならいいよね？だって二人は成人をはるかに超えた男性なんだから」
「「いいわけねぇじゃろ！」」
男はニコニコ笑っている。
ジロの背中に冷たい汗が伝っていく。