146 / 152
短編・番外編2
3
しおりを挟む
佳奈多は目を丸くしてしまった。今あるペットカメラもオヤツもおもちゃも寝床も、全て大翔が用意してくれた。長くて一ヶ月程度の預かりなのに、ご飯やオヤツやオモチャの入った段ボール箱が数箱、玄関に置いてある。
「余ったら猫カフェに寄付するから。ペットカメラはね、いくつあっても使い道あるし。かなちゃん、画角確認するからそこにいてね」
大翔はスマホを片手にペットカメラの角度を調整している。お金を使わせてしまったことは申し訳ないが、猫に興味のなさそうだった大翔が協力してくれて佳奈多は嬉しかった。
「ありがとう、ひろくん。僕ね、すごく、すごく、嬉しい」
「………今の、めちゃくちゃ、いい。いいの撮れた。チビちゃんもこっち向いてたよ、可愛いと可愛いがこれ、すごいことになってるわ。かわ。画面爆発しそう。直視できな…うっわ。かっわい。俺のスマホが可愛い。かなちゃん、チビちゃんにオヤツあげてみようか。今、駄目かな。1日何個まであげていいの?」
「ひ、ひろく、いっぱい、喋………えっと、おやつ、今、大丈夫、と、思………また、撮って、たの?」
「あげよう。オヤツあげよう。どれがいいかな。チビちゃん、どれがいい?」
「ぷ、な」
大翔の勢いに、佳奈多は目を回してしまう。珍しく、大翔はかなり昂揚しているようだ。両手にオヤツを抱えた大翔に、チビも目を丸くしていた。
ひとつひとつ差し出されるオヤツを見て、チビが毛布から少し体を出した。大翔が掲げたオヤツはチビのお気に入りだ。大翔は佳奈多へオヤツを受け渡す。
「じゃ、かなちゃん。あげてみようか。角度、気をつけて。ペットカメラ意識しよう」
「か、監督…」
「角度ね、顔入るように、ね。いいよ、かなちゃん。すごくいい………良すぎかよ…かわ…可愛いと可愛いがこれ、衝突してるわ。宇宙が、生まれて、しまう…かなちゃん。これが、尊いだよ。かっわ」
佳奈多は大翔から受け取ったオヤツをチビに差し出した。チビは恐る恐るオヤツを舐めて、いつもの大好きな味に安堵したのか懸命に舐め取っている。ご飯を食べないかもしれない懸念があったがひとまずオヤツは食べてくれた。多少だが水気もある。
オヤツを食べるチビに興奮している大翔に、佳奈多は思わず笑ってしまった。どうやら大翔は、佳奈多の思っていた以上にチビを歓迎してくれているようだ。大翔のスマホはシャッター音を響かせ続けている。
佳奈多はこっそり胸をなでおろした。
「ふっ、ふへっ…ひろくん、楽し、そ…ふ、へへへ」
「ぶっ倒れそうなくらい楽しいし可愛い。これ見たら1世、どんなツラするかなぁ。オーナーに写真送って、見てもらおうね」
大翔はキラキラと光を振りまいて笑う。佳奈多は少し笑顔を固めてしまった。
「どんな、つら、って…」
「だって1世、牙剥くし生意気だし。かなちゃんとチビちゃんがイチャイチャしてる姿を、間近で見てるのは俺だよ~♡って今すぐ教えてあげたいもん。フレーメン反応しちゃうね、きっと」
「もう…ひろくん、せ、性格、口も、悪、い…ふ…フレーメン……ふふふ」
「笑ってるじゃん」
佳奈多はチビにオヤツをあげながら、笑いがこらえなくなってしまった。まさか大翔がフレーメン反応なんて言葉を知っているなんて思わなかった。そしてフレーメン反応をしているエドワード1世を想像して笑ってしまった。あの高貴なエドワード1世がフレーメン反応をするはずがないとは思うが。
佳奈多が大翔を見ると、大翔はチビを見つめていた。
「抱っこしたいなぁ」
「あ、あの、出てくるまで、待って、あげて…」
「うん。無理なことはしないよ。ね」
大翔はチビに声をかける。チビは「ぷ」と返事をするように鳴いた。さっきのエドワード1世に写真を送りたいという生き生きとした笑顔とは違い、大翔はチビに対して柔らかい微笑みを浮かべていた。大翔の眼差しはとても優しくて、佳奈多はなんだか胸のあたりがモヤモヤした。
数日後、佳奈多は昼休みに猫カフェのオーナーに連絡を取った。
チビはケージから出てくれて、水を飲んでトイレもしてくれた。今日の日中は仕事で佳奈多も大翔もいないため、ペットカメラをつけてチビにケージの中にいてもらっている。隙を見てペットカメラの映像を見ているが、チビは大人しくケージで眠っているようだ。
オーナーとは初日から写真を付けてメッセージを送り合っていたが、今朝は「エドはしばらくお休みさせます、ごめんね」とメッセージが来ていた。一体何があったのか。驚いた佳奈多は昼に電話をかけようと決めていた。数回のコール音のあと、普段より少し低く聞こえるオーナーの声が耳に飛び込んできた。
『もしもし藤野君?もう~本当にチビ、ありがとうねぇ!写真、元気そうで安心して本当に、イケメンとチビがもう、素敵なの!』
「あ、あの、エド様、お休みって、大丈夫、ですか?」
『あっ!そうなのよ、エドがねぇ、例のにゃんこと喧嘩しちゃって…』
オーナーはため息交じりに語ってくれた。
チビを連れ出した日、佳奈多はエドワード1世に「大切にお預かりします」と声をかけた。エドワード1世は何度も佳奈多に体を擦り付けて鳴き続けていた。そんなエドワード1世からチビを引き離していいものか。チビを連れ出すことに躊躇するほど、エドワード1世はしょんぼりと項垂れてしまっていた。もしやチビがいない悲しさで衰弱しているのかと思いきや、エドワード1世はしつこい新ネコと大喧嘩を繰り広げたらしい。
『まぁ、エドの圧勝だったんだけど。暴れて暴れて荒れちゃってねぇ。どっちも怪我もないし暴れてスッキリした顔してるんだけど、今日はエドもその子も喧嘩両成敗ってことで、お休みさせることにしたの』
「喧嘩した、猫さんは…」
『大丈夫~怪我もないし。エドの教育的指導ね。他のにゃんこにもしつこくして怒られてたけど、エドに怒られたのが効いたみたい。猫社会のなんたるかを教えてもらういい機会だったんだわよ』
オーナーは笑っていた。しつこくしていた猫は学んだのか、大人しくなってくれたそうだ。しつこいままだと他の子からも叱られて怪我をしてしまったかもしれない。
オーナーは新人猫を、他のお店や預かりを行っている家に預けることも考えていたそうだ。しかし、あまりあちこち環境を変えるのも良くない。その上すぐには預かり先を見つけることができない。
『あの子、このままうちに馴染んでくれるといいんだけどね。エドもね、きっとチビがいて暴れられなかったのねぇ。スッキリして、元気になってくれるといいんだけど…』
オーナーは最後、ため息交じりに呟いた。エドワード1世は今、元気がないのだろうか。気になるが、昼休憩の終了時間が近づいている。佳奈多はお礼を伝えて、電話を切った。
「ふはっ…1世、モップかよ………1世!!!」
大翔はオーナーから送られてきた写真を見て腹を抱えて笑った。写真の中のエドワード1世は、背中を向けて、どう見ても不貞腐れているというていで横たわっている。
オーナーとの電話から数日が経ち、『元気になってくれるといい』と言っていた理由がわかった。エドワード1世はチビの姿が見えなくなってすっかり元気がなくなってしまっていたそうだ。チビを預かった最初の頃は凛としたエドワード1世の立ち姿やお座りをしている写真がオーナーから送られてきていた。それが段々と顔のアップになり、その顔も覇気がないなと思い始めていた矢先の今日の写真だった。あんなに悲しげな別れだったが、チビがいなくてもエドワード1世は気丈にもその高貴な姿勢を保ち続けているのだと思っていた。実際はやはりとても気落ちしていて、高貴な振る舞いも鳴りを潜めているようだ。
『最近はご飯の量も減っています』
と書かれていて佳奈多は心配になった。エドワード1世は大きな猫で食欲も旺盛だ。そんなエドワード1世が食事も取れないという。思った以上に気落ちしてしまっているらしい。
そんな佳奈多の心配を余所に、大翔は涙を拭っている。大翔は笑い過ぎて涙を流していた。
「余ったら猫カフェに寄付するから。ペットカメラはね、いくつあっても使い道あるし。かなちゃん、画角確認するからそこにいてね」
大翔はスマホを片手にペットカメラの角度を調整している。お金を使わせてしまったことは申し訳ないが、猫に興味のなさそうだった大翔が協力してくれて佳奈多は嬉しかった。
「ありがとう、ひろくん。僕ね、すごく、すごく、嬉しい」
「………今の、めちゃくちゃ、いい。いいの撮れた。チビちゃんもこっち向いてたよ、可愛いと可愛いがこれ、すごいことになってるわ。かわ。画面爆発しそう。直視できな…うっわ。かっわい。俺のスマホが可愛い。かなちゃん、チビちゃんにオヤツあげてみようか。今、駄目かな。1日何個まであげていいの?」
「ひ、ひろく、いっぱい、喋………えっと、おやつ、今、大丈夫、と、思………また、撮って、たの?」
「あげよう。オヤツあげよう。どれがいいかな。チビちゃん、どれがいい?」
「ぷ、な」
大翔の勢いに、佳奈多は目を回してしまう。珍しく、大翔はかなり昂揚しているようだ。両手にオヤツを抱えた大翔に、チビも目を丸くしていた。
ひとつひとつ差し出されるオヤツを見て、チビが毛布から少し体を出した。大翔が掲げたオヤツはチビのお気に入りだ。大翔は佳奈多へオヤツを受け渡す。
「じゃ、かなちゃん。あげてみようか。角度、気をつけて。ペットカメラ意識しよう」
「か、監督…」
「角度ね、顔入るように、ね。いいよ、かなちゃん。すごくいい………良すぎかよ…かわ…可愛いと可愛いがこれ、衝突してるわ。宇宙が、生まれて、しまう…かなちゃん。これが、尊いだよ。かっわ」
佳奈多は大翔から受け取ったオヤツをチビに差し出した。チビは恐る恐るオヤツを舐めて、いつもの大好きな味に安堵したのか懸命に舐め取っている。ご飯を食べないかもしれない懸念があったがひとまずオヤツは食べてくれた。多少だが水気もある。
オヤツを食べるチビに興奮している大翔に、佳奈多は思わず笑ってしまった。どうやら大翔は、佳奈多の思っていた以上にチビを歓迎してくれているようだ。大翔のスマホはシャッター音を響かせ続けている。
佳奈多はこっそり胸をなでおろした。
「ふっ、ふへっ…ひろくん、楽し、そ…ふ、へへへ」
「ぶっ倒れそうなくらい楽しいし可愛い。これ見たら1世、どんなツラするかなぁ。オーナーに写真送って、見てもらおうね」
大翔はキラキラと光を振りまいて笑う。佳奈多は少し笑顔を固めてしまった。
「どんな、つら、って…」
「だって1世、牙剥くし生意気だし。かなちゃんとチビちゃんがイチャイチャしてる姿を、間近で見てるのは俺だよ~♡って今すぐ教えてあげたいもん。フレーメン反応しちゃうね、きっと」
「もう…ひろくん、せ、性格、口も、悪、い…ふ…フレーメン……ふふふ」
「笑ってるじゃん」
佳奈多はチビにオヤツをあげながら、笑いがこらえなくなってしまった。まさか大翔がフレーメン反応なんて言葉を知っているなんて思わなかった。そしてフレーメン反応をしているエドワード1世を想像して笑ってしまった。あの高貴なエドワード1世がフレーメン反応をするはずがないとは思うが。
佳奈多が大翔を見ると、大翔はチビを見つめていた。
「抱っこしたいなぁ」
「あ、あの、出てくるまで、待って、あげて…」
「うん。無理なことはしないよ。ね」
大翔はチビに声をかける。チビは「ぷ」と返事をするように鳴いた。さっきのエドワード1世に写真を送りたいという生き生きとした笑顔とは違い、大翔はチビに対して柔らかい微笑みを浮かべていた。大翔の眼差しはとても優しくて、佳奈多はなんだか胸のあたりがモヤモヤした。
数日後、佳奈多は昼休みに猫カフェのオーナーに連絡を取った。
チビはケージから出てくれて、水を飲んでトイレもしてくれた。今日の日中は仕事で佳奈多も大翔もいないため、ペットカメラをつけてチビにケージの中にいてもらっている。隙を見てペットカメラの映像を見ているが、チビは大人しくケージで眠っているようだ。
オーナーとは初日から写真を付けてメッセージを送り合っていたが、今朝は「エドはしばらくお休みさせます、ごめんね」とメッセージが来ていた。一体何があったのか。驚いた佳奈多は昼に電話をかけようと決めていた。数回のコール音のあと、普段より少し低く聞こえるオーナーの声が耳に飛び込んできた。
『もしもし藤野君?もう~本当にチビ、ありがとうねぇ!写真、元気そうで安心して本当に、イケメンとチビがもう、素敵なの!』
「あ、あの、エド様、お休みって、大丈夫、ですか?」
『あっ!そうなのよ、エドがねぇ、例のにゃんこと喧嘩しちゃって…』
オーナーはため息交じりに語ってくれた。
チビを連れ出した日、佳奈多はエドワード1世に「大切にお預かりします」と声をかけた。エドワード1世は何度も佳奈多に体を擦り付けて鳴き続けていた。そんなエドワード1世からチビを引き離していいものか。チビを連れ出すことに躊躇するほど、エドワード1世はしょんぼりと項垂れてしまっていた。もしやチビがいない悲しさで衰弱しているのかと思いきや、エドワード1世はしつこい新ネコと大喧嘩を繰り広げたらしい。
『まぁ、エドの圧勝だったんだけど。暴れて暴れて荒れちゃってねぇ。どっちも怪我もないし暴れてスッキリした顔してるんだけど、今日はエドもその子も喧嘩両成敗ってことで、お休みさせることにしたの』
「喧嘩した、猫さんは…」
『大丈夫~怪我もないし。エドの教育的指導ね。他のにゃんこにもしつこくして怒られてたけど、エドに怒られたのが効いたみたい。猫社会のなんたるかを教えてもらういい機会だったんだわよ』
オーナーは笑っていた。しつこくしていた猫は学んだのか、大人しくなってくれたそうだ。しつこいままだと他の子からも叱られて怪我をしてしまったかもしれない。
オーナーは新人猫を、他のお店や預かりを行っている家に預けることも考えていたそうだ。しかし、あまりあちこち環境を変えるのも良くない。その上すぐには預かり先を見つけることができない。
『あの子、このままうちに馴染んでくれるといいんだけどね。エドもね、きっとチビがいて暴れられなかったのねぇ。スッキリして、元気になってくれるといいんだけど…』
オーナーは最後、ため息交じりに呟いた。エドワード1世は今、元気がないのだろうか。気になるが、昼休憩の終了時間が近づいている。佳奈多はお礼を伝えて、電話を切った。
「ふはっ…1世、モップかよ………1世!!!」
大翔はオーナーから送られてきた写真を見て腹を抱えて笑った。写真の中のエドワード1世は、背中を向けて、どう見ても不貞腐れているというていで横たわっている。
オーナーとの電話から数日が経ち、『元気になってくれるといい』と言っていた理由がわかった。エドワード1世はチビの姿が見えなくなってすっかり元気がなくなってしまっていたそうだ。チビを預かった最初の頃は凛としたエドワード1世の立ち姿やお座りをしている写真がオーナーから送られてきていた。それが段々と顔のアップになり、その顔も覇気がないなと思い始めていた矢先の今日の写真だった。あんなに悲しげな別れだったが、チビがいなくてもエドワード1世は気丈にもその高貴な姿勢を保ち続けているのだと思っていた。実際はやはりとても気落ちしていて、高貴な振る舞いも鳴りを潜めているようだ。
『最近はご飯の量も減っています』
と書かれていて佳奈多は心配になった。エドワード1世は大きな猫で食欲も旺盛だ。そんなエドワード1世が食事も取れないという。思った以上に気落ちしてしまっているらしい。
そんな佳奈多の心配を余所に、大翔は涙を拭っている。大翔は笑い過ぎて涙を流していた。
30
お気に入りに追加
87
あなたにおすすめの小説
【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】
彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』
高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。
その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。
そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?
少年ペット契約
眠りん
BL
※少年売買契約のスピンオフ作品です。
↑上記作品を知らなくても読めます。
小山内文和は貧乏な家庭に育ち、教育上よろしくない環境にいながらも、幸せな生活を送っていた。
趣味は布団でゴロゴロする事。
ある日学校から帰ってくると、部屋はもぬけの殻、両親はいなくなっており、借金取りにやってきたヤクザの組員に人身売買で売られる事になってしまった。
文和を購入したのは堂島雪夜。四十二歳の優しい雰囲気のおじさんだ。
文和は雪夜の養子となり、学校に通ったり、本当の子供のように愛された。
文和同様人身売買で買われて、堂島の元で育ったアラサー家政婦の金井栞も、サバサバした性格だが、文和に親切だ。
三年程を堂島の家で、呑気に雪夜や栞とゴロゴロした生活を送っていたのだが、ある日雪夜が人身売買の罪で逮捕されてしまった。
文和はゴロゴロ生活を守る為、雪夜が出所するまでの間、ペットにしてくれる人を探す事にした。
※前作と違い、エロは最初の頃少しだけで、あとはほぼないです。
※前作がシリアスで暗かったので、今回は明るめでやってます。
僕の王子様
くるむ
BL
鹿倉歩(かぐらあゆむ)は、クリスマスイブに出合った礼人のことが忘れられずに彼と同じ高校を受けることを決意。
無事に受かり礼人と同じ高校に通うことが出来たのだが、校内での礼人の人気があまりにもすさまじいことを知り、自分から近づけずにいた。
そんな中、やたらイケメンばかりがそろっている『読書同好会』の存在を知り、そこに礼人が在籍していることを聞きつけて……。
見た目が派手で性格も明るく、反面人の心の機微にも敏感で一目置かれる存在でもあるくせに、実は騒がれることが嫌いで他人が傍にいるだけで眠ることも出来ない神経質な礼人と、大人しくて素直なワンコのお話。
元々は、神経質なイケメンがただ一人のワンコに甘える話が書きたくて考えたお話です。
※『近くにいるのに君が遠い』のスピンオフになっています。未読の方は読んでいただけたらより礼人のことが分かるかと思います。
家事代行サービスにdomの溺愛は必要ありません!
灯璃
BL
家事代行サービスで働く鏑木(かぶらぎ) 慧(けい)はある日、高級マンションの一室に仕事に向かった。だが、住人の男性は入る事すら拒否し、何故かなかなか中に入れてくれない。
何度かの押し問答の後、なんとか慧は中に入れてもらえる事になった。だが、男性からは冷たくオレの部屋には入るなと言われてしまう。
仕方ないと気にせず仕事をし、気が重いまま次の日も訪れると、昨日とは打って変わって男性、秋水(しゅうすい) 龍士郎(りゅうしろう)は慧の料理を褒めた。
思ったより悪い人ではないのかもと慧が思った時、彼がdom、支配する側の人間だという事に気づいてしまう。subである慧は彼と一定の距離を置こうとするがーー。
みたいな、ゆるいdom/subユニバース。ふんわり過ぎてdom/subユニバースにする必要あったのかとか疑問に思ってはいけない。
※完結しました!ありがとうございました!
嫌われ公式愛妾役ですが夫だけはただの僕のガチ勢でした
ナイトウ
BL
BL小説大賞にご協力ありがとうございました!!
CP:不器用受ガチ勢伯爵夫攻め、女形役者受け
相手役は第11話から出てきます。
ロストリア帝国の首都セレンで女形の売れっ子役者をしていたルネは、皇帝エルドヴァルの為に公式愛妾を装い王宮に出仕し、王妃マリーズの代わりに貴族の反感を一手に受ける役割を引き受けた。
役目は無事終わり追放されたルネ。所属していた劇団に戻りまた役者業を再開しようとするも公式愛妾になるために偽装結婚したリリック伯爵に阻まれる。
そこで仕方なく、顔もろくに知らない夫と離婚し役者に戻るために彼の屋敷に向かうのだった。
彼の理想に
いちみやりょう
BL
あの人が見つめる先はいつも、優しそうに、幸せそうに笑う人だった。
人は違ってもそれだけは変わらなかった。
だから俺は、幸せそうに笑う努力をした。
優しくする努力をした。
本当はそんな人間なんかじゃないのに。
俺はあの人の恋人になりたい。
だけど、そんなことノンケのあの人に頼めないから。
心は冗談の中に隠して、少しでもあの人に近づけるようにって笑った。ずっとずっと。そうしてきた。
【BL】男なのになぜかNo.1ホストに懐かれて困ってます
猫足
BL
「俺としとく? えれちゅー」
「いや、するわけないだろ!」
相川優也(25)
主人公。平凡なサラリーマンだったはずが、女友達に連れていかれた【デビルジャム】というホストクラブでスバルと出会ったのが運の尽き。
碧スバル(21)
指名ナンバーワンの美形ホスト。博愛主義者。優也に懐いてつきまとう。その真意は今のところ……不明。
「僕の方がぜってー綺麗なのに、僕以下の女に金払ってどーすんだよ」
「スバル、お前なにいってんの……?」
冗談? 本気? 二人の結末は?
美形病みホスと平凡サラリーマンの、友情か愛情かよくわからない日常。
俺の親友のことが好きだったんじゃなかったのかよ
雨宮里玖
BL
《あらすじ》放課後、三倉は浅宮に呼び出された。浅宮は三倉の親友・有栖のことを訊ねてくる。三倉はまたこのパターンかとすぐに合点がいく。きっと浅宮も有栖のことが好きで、三倉から有栖の情報を聞き出そうとしているんだなと思い、浅宮の恋を応援すべく協力を申し出る。
浅宮は三倉に「協力して欲しい。だからデートの練習に付き合ってくれ」と言い——。
攻め:浅宮(16)
高校二年生。ビジュアル最強男。
どんな口実でもいいから三倉と一緒にいたいと思っている。
受け:三倉(16)
高校二年生。平凡。
自分じゃなくて俺の親友のことが好きなんだと勘違いしている。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる