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短編・番外編2
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佳奈多の横に座り直したエドワード1世はチビを見つめている。その瞳はどこか不安気に見えた。
「エド様、大丈夫。オーナーさんに、チビちゃん見て、もらいますね」
佳奈多はエドワード世の胸を撫でる。間もなくオーナーがやって来た。
「藤野君、おまたせ!怪我って、腰のとこのカサブタかしら?」
「あ、う、そ、そうです。お腹とか、背中にも、ちょっと、あって」
「え、お腹と、背中?…やだ、本当だ、増えてる…」
オーナーは腰の怪我を知っていたようで、笑顔でやってきた。しかし佳奈多の話を聞いて笑顔を引っ込める。オーナーはチビを抱き上げて触れた。体中をくまなく見回して眉をひそめている。オーナーの表情に、佳奈多は不安になってしまう。
「うーん…腰のね、気づいて病院に行って、感染性のものじゃないからって様子見になってたんだけど………ごめんなさい、藤野君。今日はチビ、バックヤードに下げるわね。たぶん、エドも一緒に来ちゃうと思うんだけど…」
「だ、大丈夫、です。また、来ます」
オーナーは何度もごめんねと謝って、チビを連れてスタッフルームに入っていった。エドワード1世もオーナーとチビの後をついていく。エドワード1世は一度振り返り、にゃあ、と鳴いた。少し不安げな、元気のない声だ。
「だいじょぶ、かな、チビちゃん…」
「大丈夫だよ。診察してるみたいだし、1世がいるし。大丈夫。他の猫さん、触る?」
肩を抱く大翔の胸に額をつけて、佳奈多は首を横に振った。佳奈多は大翔としばらく他の猫を眺めて、帰路についた。
佳奈多が大翔と猫カフェに訪れた1週間後。鬼嶋を通して、猫カフェのオーナーから佳奈多に連絡があった。
『藤野君、本当に、ありがとうね!チビちゃんね、感染症ではなかったんだけど…ちょっと、色々あってね…』
オーナーの話によると、チビのかさぶたは噛み傷だったらしい。他の猫に噛まれたものもあるが、自分で噛んだ傷がほとんどだったそうだ。その理由に佳奈多はぎゅっとスマホを握りしめた。
『新しく入ったにゃんこがね、エドのことが好きで追いかけ回してて…チビのこと、噛んじゃってたのね。腰はその時の傷で、すぐに気づいてエドともチビとも離したんだけど。まぁ、積極的で気まぐれな子で…時々エドにべったりくっついて離れないのよ。エドも嫌がってたけどしつこさに諦めたみたいで。チビとエドと3人で固まってる姿を見かけてはいたんだけど、チビにはストレスだったみたいね』
エドワード1世もオーナーも気づかないうちに、チビは自傷行為をしてしまっていたらしい。
佳奈多は高校生の頃を思い出した。姫を隣に置く大翔のそばで、佳奈多はいつもどうしたらいいかわからなかった。大翔が姫を傍に置くようになったのは佳奈多のせいだから自業自得だ。でも、チビは違う。チビが原因でもないのに大好きなエドワード1世に別の猫がくっついている。もどかしい、不安な気持ちは佳奈多が味わった以上のものだっただろう。
『チビだけ、違う環境で休ませてあげようと思って。エドと、その子の姿が見えない場所に、ね。預かってくれる先を、これから探すつもりなの…そんなわけでね、チビはね、しばらくお休み。エドはいるから、会いに来てくれると嬉しいわ。藤野君が気づいてくれて良かった。本当に、ありがとうね!』
「あ、の!ち、チビちゃん、僕、預かるの、駄目ですか?ひ、ひろくんに、あの、一緒に、住んでる人、聞きます!」
チビにはエドワード1世も彼にくっつく猫の姿も見えない場所で、ひとまず傷を癒やしてほしい。オーナーの願いに、佳奈多は賛同した。きっとそうしたほうが良い。佳奈多ならチビも懐いてくれているし、エドワード1世も安心して預けてくれるのではないだろうか。
佳奈多はその日、早速大翔に頼み込んだ。
「そうなんだ。いいよ」
勝手に決めてしまった申し訳なさで、佳奈多は何度も何度も頭の中でどう伝えるかを反復して大翔に伝えた。ぐずぐずと時間をかけてしまう悪い癖を直そうと、最近はなるべく事前に伝える言葉を覚えてから話をしているが、それでも伝えるまでに5分もかけてしまった。
そんな佳奈多に、大翔は急かすことなく待ってくれた上に、あっさりと承諾してくれた。
「い、いい、の?動物、猫、預かりだけど、連れて、きて」
「うん。チビちゃん気になってたし。いつ来るの?なにが必要か、オーナーに聞いておいて。一緒に準備しよう」
「う、ううぅ…うん…あ、ありがと、ひろ、くん…」
佳奈多は泣きながら大翔にお礼を伝えた。大翔は佳奈多のお願いはなんでも聞いてくれる。昔から変わらない。
大翔はあまり猫に興味がなさそうだった。でも、佳奈多がチビを預かりたいと言ったから、承諾してくれた。佳奈多は申し訳なさとありがたさで涙が止まらなかった。
「泣かないで、かなちゃん。大丈夫だよ。チビちゃん、うちで元気になるといいね」
「んっ…うん…ご、ごめんね、あり、がとう」
佳奈多は大翔の胸の中で何度も何度も謝罪とお礼を繰り返した。
その翌週、チビは佳奈多と大翔の家にやって来た。猫カフェのオーナーから借りたケージは佳奈多の身長よりも小さめで、エドワード1世が入ったらきっと、あまり身動きが取れないくらいの大きさだ。しかし、小さなチビには十分すぎるようだ。
リビングに置かれたケージの扉を開けて、佳奈多はチビに語りかける。
「ち、チビちゃん。チビちゃんの住むところ、リビング、です。他のお部屋、危ないから、行かないように、してね。玄関とか、絶対、出ちゃ、駄目だよ?」
「ぷな」
チビは小さな返事を返してくれたが、ケージの中で毛布に包まってじっとしていた。慣れない環境に、中々ケージから出てこないかもしれないとオーナーは言っていた。それから、チビは幼い頃にカラスに突かれて左側の耳や目が不自由だが、預かるにあたって、左の前後の足も不自由なのだと教えられた。
『いつもエドが咥えて歩いてるからあんまり知られてないのよね。高いところはエドがいないと登れないの。だからキッチンとか、いたずらの心配は少ないと思うわ』
チビは高いところに登れない。エドワード1世に連れて行ってもらっているのは、体が小さいからだと思っていた。佳奈多は知らなかった。何度も通っていたのに
「知らなくて、ごめんね」
「ぷ?」
「あ、足の、こと。たくさん、抱っこ、してたのに…」
「ぷなぁ」
チビとエドワード1世はいつも一緒にいた。エドワード1世がいない環境は、チビも不安だろう。佳奈多は高校を卒業して寮に入った日を思い出す。一人で、風の音すら怖かった。きっと今、チビも同じ気持ちなのだろう。
「大丈夫。ここは、怖いこと、ないよ」
「…ぷ」
佳奈多はじっと、動かないチビを見守った。傍で電子音が聞こえて視線を移すと、大翔がスマホを操作していた。
「う、チビちゃん、撮る?」
「ううん、かなちゃん撮り終えたとこ。ペットカメラあっちに置いたけど、チビちゃん映るかな」
「毛布から出てこないから、映らない、かも…僕、撮ってたの?」
「うん。チビちゃんと会話してるの、可愛くて。ペットカメラ買い足すね。かなちゃんもカメラ意識してね。かなちゃんの顔とチビちゃんが入るように」
「う!?カメラ、ぼく、買うよ?ひろくん、お金、いっぱい…」
「もう買っちゃった。オヤツとオモチャも来るからね」
「ま、また、買った、の?」
「エド様、大丈夫。オーナーさんに、チビちゃん見て、もらいますね」
佳奈多はエドワード世の胸を撫でる。間もなくオーナーがやって来た。
「藤野君、おまたせ!怪我って、腰のとこのカサブタかしら?」
「あ、う、そ、そうです。お腹とか、背中にも、ちょっと、あって」
「え、お腹と、背中?…やだ、本当だ、増えてる…」
オーナーは腰の怪我を知っていたようで、笑顔でやってきた。しかし佳奈多の話を聞いて笑顔を引っ込める。オーナーはチビを抱き上げて触れた。体中をくまなく見回して眉をひそめている。オーナーの表情に、佳奈多は不安になってしまう。
「うーん…腰のね、気づいて病院に行って、感染性のものじゃないからって様子見になってたんだけど………ごめんなさい、藤野君。今日はチビ、バックヤードに下げるわね。たぶん、エドも一緒に来ちゃうと思うんだけど…」
「だ、大丈夫、です。また、来ます」
オーナーは何度もごめんねと謝って、チビを連れてスタッフルームに入っていった。エドワード1世もオーナーとチビの後をついていく。エドワード1世は一度振り返り、にゃあ、と鳴いた。少し不安げな、元気のない声だ。
「だいじょぶ、かな、チビちゃん…」
「大丈夫だよ。診察してるみたいだし、1世がいるし。大丈夫。他の猫さん、触る?」
肩を抱く大翔の胸に額をつけて、佳奈多は首を横に振った。佳奈多は大翔としばらく他の猫を眺めて、帰路についた。
佳奈多が大翔と猫カフェに訪れた1週間後。鬼嶋を通して、猫カフェのオーナーから佳奈多に連絡があった。
『藤野君、本当に、ありがとうね!チビちゃんね、感染症ではなかったんだけど…ちょっと、色々あってね…』
オーナーの話によると、チビのかさぶたは噛み傷だったらしい。他の猫に噛まれたものもあるが、自分で噛んだ傷がほとんどだったそうだ。その理由に佳奈多はぎゅっとスマホを握りしめた。
『新しく入ったにゃんこがね、エドのことが好きで追いかけ回してて…チビのこと、噛んじゃってたのね。腰はその時の傷で、すぐに気づいてエドともチビとも離したんだけど。まぁ、積極的で気まぐれな子で…時々エドにべったりくっついて離れないのよ。エドも嫌がってたけどしつこさに諦めたみたいで。チビとエドと3人で固まってる姿を見かけてはいたんだけど、チビにはストレスだったみたいね』
エドワード1世もオーナーも気づかないうちに、チビは自傷行為をしてしまっていたらしい。
佳奈多は高校生の頃を思い出した。姫を隣に置く大翔のそばで、佳奈多はいつもどうしたらいいかわからなかった。大翔が姫を傍に置くようになったのは佳奈多のせいだから自業自得だ。でも、チビは違う。チビが原因でもないのに大好きなエドワード1世に別の猫がくっついている。もどかしい、不安な気持ちは佳奈多が味わった以上のものだっただろう。
『チビだけ、違う環境で休ませてあげようと思って。エドと、その子の姿が見えない場所に、ね。預かってくれる先を、これから探すつもりなの…そんなわけでね、チビはね、しばらくお休み。エドはいるから、会いに来てくれると嬉しいわ。藤野君が気づいてくれて良かった。本当に、ありがとうね!』
「あ、の!ち、チビちゃん、僕、預かるの、駄目ですか?ひ、ひろくんに、あの、一緒に、住んでる人、聞きます!」
チビにはエドワード1世も彼にくっつく猫の姿も見えない場所で、ひとまず傷を癒やしてほしい。オーナーの願いに、佳奈多は賛同した。きっとそうしたほうが良い。佳奈多ならチビも懐いてくれているし、エドワード1世も安心して預けてくれるのではないだろうか。
佳奈多はその日、早速大翔に頼み込んだ。
「そうなんだ。いいよ」
勝手に決めてしまった申し訳なさで、佳奈多は何度も何度も頭の中でどう伝えるかを反復して大翔に伝えた。ぐずぐずと時間をかけてしまう悪い癖を直そうと、最近はなるべく事前に伝える言葉を覚えてから話をしているが、それでも伝えるまでに5分もかけてしまった。
そんな佳奈多に、大翔は急かすことなく待ってくれた上に、あっさりと承諾してくれた。
「い、いい、の?動物、猫、預かりだけど、連れて、きて」
「うん。チビちゃん気になってたし。いつ来るの?なにが必要か、オーナーに聞いておいて。一緒に準備しよう」
「う、ううぅ…うん…あ、ありがと、ひろ、くん…」
佳奈多は泣きながら大翔にお礼を伝えた。大翔は佳奈多のお願いはなんでも聞いてくれる。昔から変わらない。
大翔はあまり猫に興味がなさそうだった。でも、佳奈多がチビを預かりたいと言ったから、承諾してくれた。佳奈多は申し訳なさとありがたさで涙が止まらなかった。
「泣かないで、かなちゃん。大丈夫だよ。チビちゃん、うちで元気になるといいね」
「んっ…うん…ご、ごめんね、あり、がとう」
佳奈多は大翔の胸の中で何度も何度も謝罪とお礼を繰り返した。
その翌週、チビは佳奈多と大翔の家にやって来た。猫カフェのオーナーから借りたケージは佳奈多の身長よりも小さめで、エドワード1世が入ったらきっと、あまり身動きが取れないくらいの大きさだ。しかし、小さなチビには十分すぎるようだ。
リビングに置かれたケージの扉を開けて、佳奈多はチビに語りかける。
「ち、チビちゃん。チビちゃんの住むところ、リビング、です。他のお部屋、危ないから、行かないように、してね。玄関とか、絶対、出ちゃ、駄目だよ?」
「ぷな」
チビは小さな返事を返してくれたが、ケージの中で毛布に包まってじっとしていた。慣れない環境に、中々ケージから出てこないかもしれないとオーナーは言っていた。それから、チビは幼い頃にカラスに突かれて左側の耳や目が不自由だが、預かるにあたって、左の前後の足も不自由なのだと教えられた。
『いつもエドが咥えて歩いてるからあんまり知られてないのよね。高いところはエドがいないと登れないの。だからキッチンとか、いたずらの心配は少ないと思うわ』
チビは高いところに登れない。エドワード1世に連れて行ってもらっているのは、体が小さいからだと思っていた。佳奈多は知らなかった。何度も通っていたのに
「知らなくて、ごめんね」
「ぷ?」
「あ、足の、こと。たくさん、抱っこ、してたのに…」
「ぷなぁ」
チビとエドワード1世はいつも一緒にいた。エドワード1世がいない環境は、チビも不安だろう。佳奈多は高校を卒業して寮に入った日を思い出す。一人で、風の音すら怖かった。きっと今、チビも同じ気持ちなのだろう。
「大丈夫。ここは、怖いこと、ないよ」
「…ぷ」
佳奈多はじっと、動かないチビを見守った。傍で電子音が聞こえて視線を移すと、大翔がスマホを操作していた。
「う、チビちゃん、撮る?」
「ううん、かなちゃん撮り終えたとこ。ペットカメラあっちに置いたけど、チビちゃん映るかな」
「毛布から出てこないから、映らない、かも…僕、撮ってたの?」
「うん。チビちゃんと会話してるの、可愛くて。ペットカメラ買い足すね。かなちゃんもカメラ意識してね。かなちゃんの顔とチビちゃんが入るように」
「う!?カメラ、ぼく、買うよ?ひろくん、お金、いっぱい…」
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「ま、また、買った、の?」
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