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「ヤマちゃん、こぇえ~…そんな怖がるなよぉ、今はなんもしないから。まじで、楽しみだなぁ」
「本当に可愛いよな、ちっちゃくて…大丈夫だよ、痛いことしないから…あぁ~泣いちゃった。可愛いな、ほんと可愛い」
男の中の一人がぐっとのしかかってくる。その男の手は遠慮なく佳奈多の体を這っていく。佳奈多は歯を食いしばって耐えていた。しかし涙は溢れて止められない。ただただ気持ちが悪くて仕方がない。
「この子、あんま感じてくんねぇなぁ…怖がっちゃってほんと、可愛いなぁ。ほら、藤野君、怖くないよぉ~気持ちよくなって、いいんだよぉ~?」
「お前が下手なんだろ」
「それか、まじで処女なんじゃね?」
男達が笑う。佳奈多は首まで熱くなった。佳奈多の反応を見て、佳奈多をまさぐっていた男の手が止まる。
「藤野君、…処女なの?」
佳奈多に密着していた男が耳元で囁く。佳奈多は耳をふさいで体を小さく丸めた。密着してくる彼らが怖くて気持ち悪かった。怯えた顔を見せればもっと興奮してつけあがる。佳奈多は膝に顔を埋めて、早く時が過ぎるのを待った。
体を撫で回す手が止まり、塞いだ耳を歓声が貫いた。「松本君」と叫ぶ声がこもって聞こえる。今、大翔が走っているようだ。
幼稚園の頃、大翔はかけっこでいつも一番だった。身体能力が高く、運動会で金メダルをたくさんもらっていた。それを見せてもらうのが、佳奈多はとても好きだった。小学校に入ってからはいつも佳奈多に合わせてくれていた。
(見たかったなぁ)
どうして自分は今、この人たちに囲まれてこんなに怖い思いをしているんだろう。突然、圧が消えた。男達が佳奈多から離れたようだ。それから間もなく、山田の上ずった声が聞こえた。
「すごかった!格好良かった、大翔様!もう、ぶっちぎりの1位で…走る姿もすごく、格好いい…!」
「ヤマちゃん…他の男を、そんなに褒めるなよ」
「だって、大翔様、本当に、…王子様みたい!素敵、大好きぃ…おい、いつまで泣いてんだよ。大翔様が来ちゃうだろ」
ゴツッと頭を殴られて、佳奈多は慌ててジャージで涙を拭いた。
「お前らもとっとと散れ。ほらかなちゃん、みんなにバイバイして?次会う時は、全裸だよ~」
「なぁ、ヤマちゃん、この子処女っぽいぞ?まじで、やっていいんだよな?」
「駄目っつってもやるけど」
「あ?んなわけねぇだろ。…でも、処女なら、いいな。ガッバガバにされて、大翔様に嫌われちゃえ~」
佳奈多の髪の毛を掴んだ山田に上向かされる。目の前で生々しい話をされて、羞恥で顔が熱くなる。山田に髪を離されて、佳奈多はすぐに下を向いた。俯いて涙を拭っていると、男達の気配が遠ざかっていった。
「大翔様!とても、素敵でした…!」
いつもの、山田の可愛らしい声が聞こえた。すぐに、大翔の声も耳に入る。
「かなちゃん、どうした?具合悪い?」
佳奈多はうつむいたまま首を横に振った。
さっきまで山田の取り巻きに囲まれていた。そんな話をしたら大翔が仕返しに行くはずだ。山田共々彼らは粛清されるだろう。コンビニのオジサンのように。しかし、取り巻きは体が大きかった。もしかしたら大翔が怪我をするかもしれない。
「私、保健室にお連れしましょうか?」
山田の声に、佳奈多は激しく首を横に振った。山田と、人の目の少ない場所に行きたくない。大翔は佳奈多の横に腰掛けた。
『どうしたの?大丈夫?何かあった?』
どう応えようかと思っていたが、大翔は何も言わなかった。山田の楽しそうな声だけが耳に入ってくる。きっと今までなら、大翔は佳奈多の異変に気付いてくれた。大翔はもう佳奈多に興味がなくなっている。気づいていて、無視しているのかもしれない。
佳奈多は絶望で長い時間、顔を上げられなかった。
「本当に可愛いよな、ちっちゃくて…大丈夫だよ、痛いことしないから…あぁ~泣いちゃった。可愛いな、ほんと可愛い」
男の中の一人がぐっとのしかかってくる。その男の手は遠慮なく佳奈多の体を這っていく。佳奈多は歯を食いしばって耐えていた。しかし涙は溢れて止められない。ただただ気持ちが悪くて仕方がない。
「この子、あんま感じてくんねぇなぁ…怖がっちゃってほんと、可愛いなぁ。ほら、藤野君、怖くないよぉ~気持ちよくなって、いいんだよぉ~?」
「お前が下手なんだろ」
「それか、まじで処女なんじゃね?」
男達が笑う。佳奈多は首まで熱くなった。佳奈多の反応を見て、佳奈多をまさぐっていた男の手が止まる。
「藤野君、…処女なの?」
佳奈多に密着していた男が耳元で囁く。佳奈多は耳をふさいで体を小さく丸めた。密着してくる彼らが怖くて気持ち悪かった。怯えた顔を見せればもっと興奮してつけあがる。佳奈多は膝に顔を埋めて、早く時が過ぎるのを待った。
体を撫で回す手が止まり、塞いだ耳を歓声が貫いた。「松本君」と叫ぶ声がこもって聞こえる。今、大翔が走っているようだ。
幼稚園の頃、大翔はかけっこでいつも一番だった。身体能力が高く、運動会で金メダルをたくさんもらっていた。それを見せてもらうのが、佳奈多はとても好きだった。小学校に入ってからはいつも佳奈多に合わせてくれていた。
(見たかったなぁ)
どうして自分は今、この人たちに囲まれてこんなに怖い思いをしているんだろう。突然、圧が消えた。男達が佳奈多から離れたようだ。それから間もなく、山田の上ずった声が聞こえた。
「すごかった!格好良かった、大翔様!もう、ぶっちぎりの1位で…走る姿もすごく、格好いい…!」
「ヤマちゃん…他の男を、そんなに褒めるなよ」
「だって、大翔様、本当に、…王子様みたい!素敵、大好きぃ…おい、いつまで泣いてんだよ。大翔様が来ちゃうだろ」
ゴツッと頭を殴られて、佳奈多は慌ててジャージで涙を拭いた。
「お前らもとっとと散れ。ほらかなちゃん、みんなにバイバイして?次会う時は、全裸だよ~」
「なぁ、ヤマちゃん、この子処女っぽいぞ?まじで、やっていいんだよな?」
「駄目っつってもやるけど」
「あ?んなわけねぇだろ。…でも、処女なら、いいな。ガッバガバにされて、大翔様に嫌われちゃえ~」
佳奈多の髪の毛を掴んだ山田に上向かされる。目の前で生々しい話をされて、羞恥で顔が熱くなる。山田に髪を離されて、佳奈多はすぐに下を向いた。俯いて涙を拭っていると、男達の気配が遠ざかっていった。
「大翔様!とても、素敵でした…!」
いつもの、山田の可愛らしい声が聞こえた。すぐに、大翔の声も耳に入る。
「かなちゃん、どうした?具合悪い?」
佳奈多はうつむいたまま首を横に振った。
さっきまで山田の取り巻きに囲まれていた。そんな話をしたら大翔が仕返しに行くはずだ。山田共々彼らは粛清されるだろう。コンビニのオジサンのように。しかし、取り巻きは体が大きかった。もしかしたら大翔が怪我をするかもしれない。
「私、保健室にお連れしましょうか?」
山田の声に、佳奈多は激しく首を横に振った。山田と、人の目の少ない場所に行きたくない。大翔は佳奈多の横に腰掛けた。
『どうしたの?大丈夫?何かあった?』
どう応えようかと思っていたが、大翔は何も言わなかった。山田の楽しそうな声だけが耳に入ってくる。きっと今までなら、大翔は佳奈多の異変に気付いてくれた。大翔はもう佳奈多に興味がなくなっている。気づいていて、無視しているのかもしれない。
佳奈多は絶望で長い時間、顔を上げられなかった。
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