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山田が立ち上がった。大翔を見に行くのだろう。一緒にいないと、きっと山田が大翔に怒られる。山田は怖いが、離れないほうがいい。
佳奈多は立ち上がろうとして、目の前に影ができた。体の大きな男子生徒が佳奈多の目の前に立ちはだかっていた。両隣にも生徒が腰掛けて、気づけば佳奈多は囲まれていた。山田は佳奈多の前に立つ男の隣で、美しい顔で笑っている。
「やーっと、二人でお話しできるね。ねぇ、かぁなちゃん?」
山田は歯を剥き出しにして笑った。佳奈多は山田のそんな表情を初めて見た。美しい顔なのに、ひどく醜い笑顔だった。
不穏な空気が流れている。逃げたいのに大きな男子生徒三人に密着されて逃げられない。
「いつもいつもいつもいつも、松…大翔様は、お前のことばっかり。本当に、本当に、腹が立つ。いい加減お前、空気読んで、さっさとどっか行けよ!」
バシッと音がして、頭がヒリヒリ痛くなった。佳奈多は山田に、頭を叩かれたらしい。思わぬ暴力に、佳奈多の全身に力がこもり、竦んでしまう。
「そんな、怒るなよぉ」
「可愛い顔が台無しだぞぉ?」
周りの男が猫なで声で山田を諌めた。楽しそうな声に、彼らが山田の取り巻きだと気づいた。気づいた時にはもう遅かった。
「さすが松本のお手付きだよな、こいつ。可愛い顔してるよ…あ、ヤマちゃんのほうがもちろん、可愛いよ?」
山田は舌打ちをした。
「うるせぇよ、脳筋ゴリラが…かなちゃん、安心してね。大翔様がいなくても、このお兄さん達が慰めてくれるから。だから淋しくないよね?ちょっとこいつらしつこいけど…この人数だから、お尻、いーっぱい、満足できると思うよぉ?」
山田と取り巻きがいやらしく笑う。意味を察して、佳奈多は頭を振って拒否した。彼らの話す意味はわかる。散々検索して調べたからだ。わかるからこそ、余計に怖かった。体が震えて歯が合わない。ガタガタと音を立てた。
彼らは佳奈多を蹂躙しようとしている。
「なんだよぉ、嫌がるなよぉ藤野君。どんなものが入るかなぁ?」
「どうせ松本君にいっぱいしてもらってんだろ?楽しみだな~」
「どんなプレイが、好きかなぁ。藤野君、一緒に、楽しもうよぉ」
彼らは勘違いしている。佳奈多と大翔が肉体関係にあると思っているらしい。佳奈多は怖くて何度も首を振った。
(違う。そんなこと、したことない!)
声も出せない佳奈多に、一人の男が尻に手を這わせる。割れ目を伝う指先が佳奈多の、まだ大翔にすら晒したことのない場所をぐりっと押した。瞬間、佳奈多は悲鳴を上げた。
「ひっ!い、いやだ!してない!やだ、いやだぁっ!」
「あっ、おい、黙らせろ!」
「ん、んぅ、ん”ーーー!!」
別の男が佳奈多の口を塞ぐ。佳奈多は振りほどこうとして頭と体を振り乱し、悲鳴を上げ続けた。
(怖い、怖い、助けて)
大翔の姿を思い浮かべても、彼は今ここにいない。コンビニのおじさんに襲われたあの夜、大翔の瞳が怒りで満ちたあの時と同じように、佳奈多の頭は真っ白になった。パニックになった佳奈多はもがき暴れたが、頭に痛みを感じて動きを止めた。佳奈多は山田に髪を掴まれていた。
「うるせぇな、黙れよ!してないってなんだよ、嘘つくならもっとマシな嘘つけ、ばぁ~か。あとでオススメのローション、プレゼントしてやるから。しっかりケツ穴ほぐしときな。こいつらでけぇから…くくっ……大翔様を見てくるから。お前ら、コイツ見張っとけ。あんま騒がせんなよ」
山田は佳奈多の頭をガクガクと振り動かして、乱暴に手を離した。ゴッと頭が揺れて、後から痛みがやってきた。山田は佳奈多の頭を拳で殴りつけた。山田は佳奈多を痛めつけることになんの躊躇もない。それは今佳奈多を拘束している彼らも、きっと同じだ。
大人しくしないと、もっとひどい目にあう。
佳奈多はぐっと声を殺した。静かになった佳奈多に、口を塞いでいた男が手を外した。
佳奈多は立ち上がろうとして、目の前に影ができた。体の大きな男子生徒が佳奈多の目の前に立ちはだかっていた。両隣にも生徒が腰掛けて、気づけば佳奈多は囲まれていた。山田は佳奈多の前に立つ男の隣で、美しい顔で笑っている。
「やーっと、二人でお話しできるね。ねぇ、かぁなちゃん?」
山田は歯を剥き出しにして笑った。佳奈多は山田のそんな表情を初めて見た。美しい顔なのに、ひどく醜い笑顔だった。
不穏な空気が流れている。逃げたいのに大きな男子生徒三人に密着されて逃げられない。
「いつもいつもいつもいつも、松…大翔様は、お前のことばっかり。本当に、本当に、腹が立つ。いい加減お前、空気読んで、さっさとどっか行けよ!」
バシッと音がして、頭がヒリヒリ痛くなった。佳奈多は山田に、頭を叩かれたらしい。思わぬ暴力に、佳奈多の全身に力がこもり、竦んでしまう。
「そんな、怒るなよぉ」
「可愛い顔が台無しだぞぉ?」
周りの男が猫なで声で山田を諌めた。楽しそうな声に、彼らが山田の取り巻きだと気づいた。気づいた時にはもう遅かった。
「さすが松本のお手付きだよな、こいつ。可愛い顔してるよ…あ、ヤマちゃんのほうがもちろん、可愛いよ?」
山田は舌打ちをした。
「うるせぇよ、脳筋ゴリラが…かなちゃん、安心してね。大翔様がいなくても、このお兄さん達が慰めてくれるから。だから淋しくないよね?ちょっとこいつらしつこいけど…この人数だから、お尻、いーっぱい、満足できると思うよぉ?」
山田と取り巻きがいやらしく笑う。意味を察して、佳奈多は頭を振って拒否した。彼らの話す意味はわかる。散々検索して調べたからだ。わかるからこそ、余計に怖かった。体が震えて歯が合わない。ガタガタと音を立てた。
彼らは佳奈多を蹂躙しようとしている。
「なんだよぉ、嫌がるなよぉ藤野君。どんなものが入るかなぁ?」
「どうせ松本君にいっぱいしてもらってんだろ?楽しみだな~」
「どんなプレイが、好きかなぁ。藤野君、一緒に、楽しもうよぉ」
彼らは勘違いしている。佳奈多と大翔が肉体関係にあると思っているらしい。佳奈多は怖くて何度も首を振った。
(違う。そんなこと、したことない!)
声も出せない佳奈多に、一人の男が尻に手を這わせる。割れ目を伝う指先が佳奈多の、まだ大翔にすら晒したことのない場所をぐりっと押した。瞬間、佳奈多は悲鳴を上げた。
「ひっ!い、いやだ!してない!やだ、いやだぁっ!」
「あっ、おい、黙らせろ!」
「ん、んぅ、ん”ーーー!!」
別の男が佳奈多の口を塞ぐ。佳奈多は振りほどこうとして頭と体を振り乱し、悲鳴を上げ続けた。
(怖い、怖い、助けて)
大翔の姿を思い浮かべても、彼は今ここにいない。コンビニのおじさんに襲われたあの夜、大翔の瞳が怒りで満ちたあの時と同じように、佳奈多の頭は真っ白になった。パニックになった佳奈多はもがき暴れたが、頭に痛みを感じて動きを止めた。佳奈多は山田に髪を掴まれていた。
「うるせぇな、黙れよ!してないってなんだよ、嘘つくならもっとマシな嘘つけ、ばぁ~か。あとでオススメのローション、プレゼントしてやるから。しっかりケツ穴ほぐしときな。こいつらでけぇから…くくっ……大翔様を見てくるから。お前ら、コイツ見張っとけ。あんま騒がせんなよ」
山田は佳奈多の頭をガクガクと振り動かして、乱暴に手を離した。ゴッと頭が揺れて、後から痛みがやってきた。山田は佳奈多の頭を拳で殴りつけた。山田は佳奈多を痛めつけることになんの躊躇もない。それは今佳奈多を拘束している彼らも、きっと同じだ。
大人しくしないと、もっとひどい目にあう。
佳奈多はぐっと声を殺した。静かになった佳奈多に、口を塞いでいた男が手を外した。
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