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大翔の自宅で共に寝起きして共に通学する。幸せなのに、大翔の胸は常々ざわついていた。佳奈多はよくぼんやりと遠くを見ている。ふらりといなくなってしまうのではないかと思って怖かった。
「ひろくん。お着替え、いこ」
ジャージを抱えた佳奈多がそばにいた。最近は大翔が声をかけなくても、佳奈多がそばに来てくれる。高等部でも用意させた空き教室で、佳奈多と着替えをする。背後で服が擦れる音がする。
「ひろくん。見てない?」
「見てないよ。約束したでしょ?」
こうして着替える時に佳奈多を見たことは一度もない。着替えを見ないでほしいという佳奈多との約束を守り通していた。
「本当かなぁ…ふふ…ひろくん、変態だから、信じられない。ふふふっ」
楽しそうに佳奈多が笑う。こんな時、大翔はどう答えたらいいか迷ってしまう。
「かなちゃん。着替え、終わった?」
「さぁ。見て、確かめたら?」
「…いじわるしないで」
「終わったよ」
大翔は振り返る。佳奈多は下着一枚ですぐそばにいた。佳奈多は笑みを深める。
「興奮、する?変態だもん、ひろくん。勃起、した?」
歪んだ笑顔で佳奈多は言う。大翔は佳奈多のジャージを掴んで頭から被せた。
「だめだよ。ちゃんと着て」
ズボンも押し付けて大翔は背中を向けた。佳奈多の笑い声と、服が擦れる音がする。
白い肌も胸に見える桃色の突起も下着のなだらかな膨らみも。全て、大翔を欲情させるには十分すぎる。熱が集中してしまわないようにしながら、大翔は思う。
佳奈多は大翔に不思議な行動をするようになった。大翔との生活が始まってから少し経った頃だ。わざと肌をさらしてみたり、大翔を無視してみたり。佳奈多が大翔にどうしてほしいのかわからず、大翔は毎回反応に戸惑った。
佳奈多が挑発するかのような態度で嫌がったので、膝に乗せての食事も一緒に入る風呂もやめた。風呂は脱衣所で声をかけて、佳奈多の体が温まるよう気を配った。
佳奈多が楽しそうに笑っているからこれでいいのだろうか。大翔が背後を伺うと、佳奈多は着替えを終えていた。笑い終えた佳奈多はぼんやりしている。そんな佳奈多を見ていると、本当はもっと違う対応をしたほうが良いんじゃないかと悩む。
「行こう、かなちゃん」
「…うん」
大翔は佳奈多に片手を差し出す。佳奈多は素直に頷いて、大翔の手を取った。
自宅にいる時も、大翔は佳奈多から離れない。高校進学前までは居心地悪そうにしていた佳奈多だが、最近は何をされても笑って挑発をするか、無反応でそこにいる。ただ、スマホを手に取る時は大翔の存在を拒絶した。
ソファに並んで座り、大翔に画面が見えないようにスマホの背を大翔に向けたり体を動かしたりする。
「かなちゃん、何見てるの?」
「気に、なる?」
「そんなふうに隠されたら気になるよ」
「秘密。ふふ。見ない、でね?秘密だから。絶対」
風呂上がりで眠るまでの短い時間。スマホを両手で握って、佳奈多はくすくすと笑う。それからひとつ息をついて、またぼんやりとスマホを眺める。
気にならないわけがない。できるなら今スマホを奪ってでもでも確認したい。しかし、見ないでと言われた以上、見ることは出来ない。佳奈多の嫌がることはしたくない。
佳奈多の頬に触れると、佳奈多はびくっと震えて、それでもスマホは手放さない。顔をこちらに向けることもせず無視を決め込んでいる。
(あぁ、また、無視するんだ)
笑って大翔をばかにするような物言いのあとは大抵、大翔の存在を無視する。黙る佳奈多に、最初は必死に話しかけた。
「ひろくん。お着替え、いこ」
ジャージを抱えた佳奈多がそばにいた。最近は大翔が声をかけなくても、佳奈多がそばに来てくれる。高等部でも用意させた空き教室で、佳奈多と着替えをする。背後で服が擦れる音がする。
「ひろくん。見てない?」
「見てないよ。約束したでしょ?」
こうして着替える時に佳奈多を見たことは一度もない。着替えを見ないでほしいという佳奈多との約束を守り通していた。
「本当かなぁ…ふふ…ひろくん、変態だから、信じられない。ふふふっ」
楽しそうに佳奈多が笑う。こんな時、大翔はどう答えたらいいか迷ってしまう。
「かなちゃん。着替え、終わった?」
「さぁ。見て、確かめたら?」
「…いじわるしないで」
「終わったよ」
大翔は振り返る。佳奈多は下着一枚ですぐそばにいた。佳奈多は笑みを深める。
「興奮、する?変態だもん、ひろくん。勃起、した?」
歪んだ笑顔で佳奈多は言う。大翔は佳奈多のジャージを掴んで頭から被せた。
「だめだよ。ちゃんと着て」
ズボンも押し付けて大翔は背中を向けた。佳奈多の笑い声と、服が擦れる音がする。
白い肌も胸に見える桃色の突起も下着のなだらかな膨らみも。全て、大翔を欲情させるには十分すぎる。熱が集中してしまわないようにしながら、大翔は思う。
佳奈多は大翔に不思議な行動をするようになった。大翔との生活が始まってから少し経った頃だ。わざと肌をさらしてみたり、大翔を無視してみたり。佳奈多が大翔にどうしてほしいのかわからず、大翔は毎回反応に戸惑った。
佳奈多が挑発するかのような態度で嫌がったので、膝に乗せての食事も一緒に入る風呂もやめた。風呂は脱衣所で声をかけて、佳奈多の体が温まるよう気を配った。
佳奈多が楽しそうに笑っているからこれでいいのだろうか。大翔が背後を伺うと、佳奈多は着替えを終えていた。笑い終えた佳奈多はぼんやりしている。そんな佳奈多を見ていると、本当はもっと違う対応をしたほうが良いんじゃないかと悩む。
「行こう、かなちゃん」
「…うん」
大翔は佳奈多に片手を差し出す。佳奈多は素直に頷いて、大翔の手を取った。
自宅にいる時も、大翔は佳奈多から離れない。高校進学前までは居心地悪そうにしていた佳奈多だが、最近は何をされても笑って挑発をするか、無反応でそこにいる。ただ、スマホを手に取る時は大翔の存在を拒絶した。
ソファに並んで座り、大翔に画面が見えないようにスマホの背を大翔に向けたり体を動かしたりする。
「かなちゃん、何見てるの?」
「気に、なる?」
「そんなふうに隠されたら気になるよ」
「秘密。ふふ。見ない、でね?秘密だから。絶対」
風呂上がりで眠るまでの短い時間。スマホを両手で握って、佳奈多はくすくすと笑う。それからひとつ息をついて、またぼんやりとスマホを眺める。
気にならないわけがない。できるなら今スマホを奪ってでもでも確認したい。しかし、見ないでと言われた以上、見ることは出来ない。佳奈多の嫌がることはしたくない。
佳奈多の頬に触れると、佳奈多はびくっと震えて、それでもスマホは手放さない。顔をこちらに向けることもせず無視を決め込んでいる。
(あぁ、また、無視するんだ)
笑って大翔をばかにするような物言いのあとは大抵、大翔の存在を無視する。黙る佳奈多に、最初は必死に話しかけた。
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