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序章
しおりを挟む「ぼくがおめがになったら、けんちゃんのツガイにしてくれる?」
それは菊島華の、幼い頃の夢だった。
森の中の華
森之宮家は、その地方で一番大きな製薬会社の創始者だ。
当主は代々アルファが務めている。先代が亡くなり、今は妻である森之宮翠がその地位にいた。
翠には二人の息子がいた。兄の森之宮健司と弟の森之宮裕司。二人は双子の男児だ。二卵性のせいか、顔も性格も真逆だった。大人びて優秀な健司と、粗暴で反発心の強い裕司。翠は健司を溺愛していた。次期当主は健司である。周りはもちろん本人も、そうであると信じて疑わなかった。
森之宮家にはもう一人、健司と裕司と同じ年の子供がいた。名前を菊島華という。オメガの両親の元に産まれた珍しい子供だった。オメガ同士が結婚し子供を産むことはほぼない。この地方に至っては過去に例がなかった。華の父親が亡くなり、オメガの母一人では華を育てられなくなったそうだ。話を聞きつけた先代に華は引き取られた。
幼い頃の3人は兄弟のように育った。しかし17歳になった今、それぞれの関係は変化していた。
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