クロスリンク 外伝

浅貴るお

文字の大きさ
上 下
31 / 51

クロスサポート 私の王子様 第3話

しおりを挟む
 もう、アイツとソイツの音楽は最高だった。
 中毒者のように、アイツとソイツのCDが出たら買った。
 初のツアーにも参加した。
 席はひどかったが、ソイツの生歌が聴けた。
 それだけでも貴重だった。
 来れなかった人も多くいたはずだから。
 生歌は放心ものだった。
 ライブが終わってもしばらくその場から動けずにいた。
「大丈夫ですか?」
 そんな時、声をかけられた。
 私は我に返り、振り返った。
 可愛らしい女性がいた。
 見ず知らずの女性だった。
 最初、なんで声をかけられたのか、分からなかった。
 時間が経つにつれ、状況を理解して行く。
 ああ、そう言うことか。私がずっと放心していたので、心配して声をかけてくれたのだ。
「すみません。大丈夫です。余韻に浸っていただけなので」
「そうだったんですね。すみません」
「いいえ。心配してくださってありがとうございます」
 そうして私は、ライブ会場をあとにするのだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

クロスリンク

浅貴るお
大衆娯楽
 運命的な出会いを果たしたミュージシャン2人の物語。

隣の人妻としているいけないこと

ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。 そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。 しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。 彼女の夫がしかけたものと思われ…

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

夫を愛することはやめました。

杉本凪咲
恋愛
私はただ夫に好かれたかった。毎日多くの時間をかけて丹念に化粧を施し、豊富な教養も身につけた。しかし夫は私を愛することはなく、別の女性へと愛を向けた。夫と彼女の不倫現場を目撃した時、私は強いショックを受けて、自分が隣国の王女であった時の記憶が蘇る。それを知った夫は手のひらを返したように愛を囁くが、もう既に彼への愛は尽きていた。

仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが

ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。 定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──

妻がヌードモデルになる日

矢木羽研
大衆娯楽
男性画家のヌードモデルになりたい。妻にそう切り出された夫の動揺と受容を書いてみました。

女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。

矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。 女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。 取って付けたようなバレンタインネタあり。 カクヨムでも同内容で公開しています。

振られた私

詩織
恋愛
告白をして振られた。 そして再会。 毎日が気まづい。

処理中です...