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第6章 王都へ
そう言えば謁見て?
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すっかりエステラント領の特産物の売り込みに行く気満々で用意をしていると
「マコト、そう言えばドレスは持っていないよな」とジークに言われて
「当たり前なこと聞かないで。そもそもなんでドレスがいるの?」と聞くと
「さすがに陛下に謁見するのにその格好はないだろ」と普段着にしている綿100%のブラウスとスカートを見てガイアスさんが言ってきた。
「そもそも陛下に謁見て?」と聞くと
「王都に行く理由が陛下に謁見することなのよ。もしかしてわかっていなかった?」とカリエさんに言われて頷くと
「ジーク!!ちゃんと説明したのよね」
「王都へは落人である私の挨拶を兼ねて行くとしか聞いていないのですが…」と言うと
「誰に挨拶に伺うか言っていないのね」と言われて
「はい」とうなずいた。
「今回国に報告は入っているの。それで国王陛下にきちんとご挨拶しておかないとこの先問題が起きるわよ」と言われて
「避けては通れないと諦めて採寸をされてこい」とジークと一緒に服屋さんに行かされた。そう言えば最近この街にも高級とは言い難いが、素敵なドレスを作ると評判のお店がやってきたんだっけ。
カランカラン
ドアベルを鳴らしながらお店に入ると
「いらっしゃいませ。今日はどのようなものをお探しですか?」と店主さんらしい女性が出ていた。
「あまり窮屈でなくシンプルなドレスが欲しいのですが」と言うと
「窮屈とは?」と聞かれたので
「多分コルセットを使ってしめつけたりするのでしょ?」と言うと
「確かに綺麗に見せるためにコルセットは使いますが、無理に締めることはしないですよ」と答えてくれた。
「しかし、どのドレスもかなり腰回りが窮屈そうに見えるのだが?」とジークが言うと
「これはご希望とはかなりかけ離れたものでございます。シンプルの方が良いと言うことは無理に飾ることがないので必要以上にしめなくていいのです。それに着付けがかなり大変になりますが、ご領主様は侍女をお連れになられるんですか?」と逆に聞かれてしまった。
「今のところその予定はない」とジークが言うと
「では本当にお一人で着られるもしくはもう一人補助する侍女がいれば着れるものと言うことで大丈夫でしょうか」
と聞かれたので
「それでお願いします。」と私が答えると早速奥に引っ込んで幾つかのデザインを持ってきてくれた。
その中であまり華美にならなく、それでいて品のあるものと言うことでオフショルダーで色を決める際
「やはり旦那様の色を基本にされる方が多いですよ」とジークの瞳の色であるスカイブルーを提示された。
「いえ婚約はしていないのでほかの色で…」と言って 色見本の生地を見せてもらった。それ以外だと髪の色である赤やライムから連想されるグリーンを当ててみたが、どうもピンとこない。結局スカイブルーにして貰って出来上がりは2ヶ月ぐらいかかるとはいかないが、3週間かかると言われた。やはりミシンを普及させて正解だった。
「あとは宝飾品だけだな」と言われたので、
「いいですよ。ただでさえドレスに靴、髪飾りと散財していますから」と言うと
「いいや。さっきの仕立て屋はミシン3台で引き受けてくれた。それに靴屋は魔獣の皮やお前が履いていたスニーカーの販売権で」
「じゃあ、宝飾店では何を提示するつもりでしたか?」ときくと
「もちろん魔道具としても使えるピアスとイヤリング。魔力があればピアスをなければイヤリングで特定の人と会話ができると言うやつだ」とドヤ顔で言われてしまった。
「それでOKが出るようでしたら伺うことにしましょう。大体においてこの街に宝飾店はなかったはずよ」と言うと
「大丈夫。王都へ行って話はつけている」はい?なんで変なところに行動力があるのかしら
「で、謁見の日取りは大丈夫ですか?」と聞くと
「ああ。2ヶ月後に決まった」なるほど王都への観光も込みで早めに行くことにしていたんですね。
「じゃあ、なま物はドレスができてから積み込んだ方がいいですね」と言うと
「そうだな。出来上がるまでもう少し時間があるから一度王都へ行かないか?」とデートのお誘いを受けた。
「マコト、そう言えばドレスは持っていないよな」とジークに言われて
「当たり前なこと聞かないで。そもそもなんでドレスがいるの?」と聞くと
「さすがに陛下に謁見するのにその格好はないだろ」と普段着にしている綿100%のブラウスとスカートを見てガイアスさんが言ってきた。
「そもそも陛下に謁見て?」と聞くと
「王都に行く理由が陛下に謁見することなのよ。もしかしてわかっていなかった?」とカリエさんに言われて頷くと
「ジーク!!ちゃんと説明したのよね」
「王都へは落人である私の挨拶を兼ねて行くとしか聞いていないのですが…」と言うと
「誰に挨拶に伺うか言っていないのね」と言われて
「はい」とうなずいた。
「今回国に報告は入っているの。それで国王陛下にきちんとご挨拶しておかないとこの先問題が起きるわよ」と言われて
「避けては通れないと諦めて採寸をされてこい」とジークと一緒に服屋さんに行かされた。そう言えば最近この街にも高級とは言い難いが、素敵なドレスを作ると評判のお店がやってきたんだっけ。
カランカラン
ドアベルを鳴らしながらお店に入ると
「いらっしゃいませ。今日はどのようなものをお探しですか?」と店主さんらしい女性が出ていた。
「あまり窮屈でなくシンプルなドレスが欲しいのですが」と言うと
「窮屈とは?」と聞かれたので
「多分コルセットを使ってしめつけたりするのでしょ?」と言うと
「確かに綺麗に見せるためにコルセットは使いますが、無理に締めることはしないですよ」と答えてくれた。
「しかし、どのドレスもかなり腰回りが窮屈そうに見えるのだが?」とジークが言うと
「これはご希望とはかなりかけ離れたものでございます。シンプルの方が良いと言うことは無理に飾ることがないので必要以上にしめなくていいのです。それに着付けがかなり大変になりますが、ご領主様は侍女をお連れになられるんですか?」と逆に聞かれてしまった。
「今のところその予定はない」とジークが言うと
「では本当にお一人で着られるもしくはもう一人補助する侍女がいれば着れるものと言うことで大丈夫でしょうか」
と聞かれたので
「それでお願いします。」と私が答えると早速奥に引っ込んで幾つかのデザインを持ってきてくれた。
その中であまり華美にならなく、それでいて品のあるものと言うことでオフショルダーで色を決める際
「やはり旦那様の色を基本にされる方が多いですよ」とジークの瞳の色であるスカイブルーを提示された。
「いえ婚約はしていないのでほかの色で…」と言って 色見本の生地を見せてもらった。それ以外だと髪の色である赤やライムから連想されるグリーンを当ててみたが、どうもピンとこない。結局スカイブルーにして貰って出来上がりは2ヶ月ぐらいかかるとはいかないが、3週間かかると言われた。やはりミシンを普及させて正解だった。
「あとは宝飾品だけだな」と言われたので、
「いいですよ。ただでさえドレスに靴、髪飾りと散財していますから」と言うと
「いいや。さっきの仕立て屋はミシン3台で引き受けてくれた。それに靴屋は魔獣の皮やお前が履いていたスニーカーの販売権で」
「じゃあ、宝飾店では何を提示するつもりでしたか?」ときくと
「もちろん魔道具としても使えるピアスとイヤリング。魔力があればピアスをなければイヤリングで特定の人と会話ができると言うやつだ」とドヤ顔で言われてしまった。
「それでOKが出るようでしたら伺うことにしましょう。大体においてこの街に宝飾店はなかったはずよ」と言うと
「大丈夫。王都へ行って話はつけている」はい?なんで変なところに行動力があるのかしら
「で、謁見の日取りは大丈夫ですか?」と聞くと
「ああ。2ヶ月後に決まった」なるほど王都への観光も込みで早めに行くことにしていたんですね。
「じゃあ、なま物はドレスができてから積み込んだ方がいいですね」と言うと
「そうだな。出来上がるまでもう少し時間があるから一度王都へ行かないか?」とデートのお誘いを受けた。
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