異世界転移～治癒師の日常

第4章夏祭りの準備

夏祭りの準備 その4

急いでカバンに術をかけてある4つを持って商業ギルドに戻ると
「こちらはいくらでお譲りいただけますか？」と突然商売人の顔をしたビリーさんが聞いてきた。
「これは冒険者用に作ったものを行商人さんにも扱いやすいように改良したものです。先ほども申しました通り、魔力によって入る量が変わりますし、一度登録した人以外使用不可となっております。こちらは次にお持ちいただく商品の輸送費の半額ではいかがでしょうか」と私が提案すると、
「ひとまず帰りの商品で確認させて頂いて、輸送費の減額については次回の商隊で考えさせていただきたいのですがジーク様よろしいでしょうか」
「う～ん。使い勝手は冒険者ギルドで確認済みだが、ひとまずトメニやカンゲルスなどを入れてみてくれないか？」といってどう見てもカバンに入りきらない分を出してもらった。
「絶対無理でしょ」そういってビリーさんがカバンの一つに登録してある分を入れると、あの長いカンゲルスが易々入っていくのを確認した途端
「輸送費の分商品を多くこちらに持ってきます。ありがとうございます」と私の手を握って振り回した。
「それは一度登録したら破れない限りビリーさん、あなたのものです。それを頭に入れて次に来るときの仲間を決めて渡すといいでしょう」そうジークがいって今回の取引についての話し合いが終わった。
「他の村でも待ちわびているはずです。お忙しい中お留めして申し訳なかった。ほかの村へ行く時にそれぞれの村長にこれを渡してほしい。内容はかわらないので、そのまま渡していただきたい」
「了承しました。では回答は4日後にお届けします」そう言ってビリーさんは商隊を率いて次の村へと移動して行った。