異世界転移~治癒師の日常

コリモ

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第5章星祭りの夜

後片付け後片付け

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スコーンを焼いてお茶と一緒にジークが生活している部屋へ行くと
「すまん。このまま領主館へ行くことになった。何かつまめるものを作ってきてくれたのだろうが、食べている暇はない」と用意している間にガイアスさんがきたらしく、慌ただしくお兄さんたちを連れて出かけて行ってしまった。
仕方がない街に出てお祭りの後片付けを手伝おう。




街の様子を見ながらコハクと冒険者ギルドへ入っていくと
「すいません。どうしても捌き切れなくてまだトメニが入荷していないんです」と受付嬢が私を見つけてそう言った。
「まだトメニはありますから慌てないでください。それにエド様の騎竜であるミムル様の分も確保しなければならないのでしょ。うちは自分で採りに行くのでその分を回してください」と答えると
「ありがとうございます。今メリル様たちもいらしているので間に合うか心配だったのです」
「大丈夫メリア様たちは必要なぶんをご自分で採取されておりますから」
「キュイキュキュキュイー」〈そうそう。突然顔を出したんだから自分で手に入れなきゃ〉と横からコハクが口をだしたが、彼らには聞こえない。
「な、何か怒らせるようなことを言いましたでしょうか」とやはりビビリながら聞いてきたので
「大丈夫。自分で採取に行くべきって言っただけだから。というわけでコハクはこのままトメニを取りにこの間一緒に魔の森へ行ったの子たちと一緒に採取してきて私は街の後片付けを手伝うから」そう言って近くにいた最近ランクFになった子たちに
「コハクと一緒に魔の森へいってトメニを採取お願いできるかしら。もちろん指名依頼としてギルドに出させてもらうけど」と話すと
「僕らだけじゃなくランクGの子たちもいいですか?どうしてもお祭りの後片付けのお手伝いができないものだから」と第1回目の採取依頼で参加したシオンが声をかけてきた。
「大丈夫?大人やベテラン冒険者がついていけないわよ」と聞くと
「俺たちがついて行ってやるよ」とパーティグリフォンのクリスが声をかけてきた。
「お久しぶりです。お願いできますか?」
「まかしておいて。この子たちにトメニや薬草の採取方法なんかを教えてあげる」とメイが答えたので
「ではこちらに指名依頼お書類を作成いたしますのでこちらへお願いします」と受付嬢に促されてカウンターで手続きを終わらせると
「でもクリスさん、しばらく見なかったところを見ると長期で護衛の依頼を受けていたのでは?」と確認すると、
「大丈夫。ジハード様が来られた時の商隊の護衛で王都へ行った帰りになぜかクルド卿に捕まって昨日戻ったんだ」
「あ、昨日はすべてのギルドがお休みだったですからね」そう言って今日の帰還報告について納得いった。

「さ、ランクFとGの皆さん指名依頼が出ましたよ。依頼内容はトメニとラムとコルの採取です。必要なものはそれぞれ持っていると思いますので、パーティグリフォンのみなさんが今回の引率です。参加者はこちらのカウンターへ集まってください」とサブマスが声をかけると15~6人が集まってきた。
安心してコハクを預けて私は街の中へと戻って行った。
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