おばあちゃんのお惣菜

コリモ

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美味しい惣菜屋さん

閑話 なんだこれ

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忙しい今を縫ってフーちゃんが帰ってくる束の間、隼人が聞いてきた。
「おばさん、これ竹の子でいいんだよなそれにこの太いフキって?」どうやら彼にしてみればフキは細いもの竹の子は太いものと思っていいるらしい。
「そうよフーちゃんもそう言っていたでしょ。この竹の子はこちらでは姫竹とか言われているみたいだけど私の地元では根曲がり竹と言ってチシマザサの若芽のことなの。孟宗竹の竹の子より遥かに細いでしょ。食感とかは夕飯に確認してね。それからこのフキは普段見ているのとは違って太く大きくなるタイプなの。このサイズならおでんや煮物に入れても煮崩れしないから美味しいわよ」と教えると
「おばさんの田舎って?じいちゃんに聞いてもよくわからないんだけど」と言うので
「そうね私もいい思い出はないわね。雪が多い地方だったことは確かよ」そう言って話を濁していた。




夜遅く隼人の祖父である海斗がやって来た。
「久しぶり。隼人は元気にやっているか?」開口1番にそう言って来た。
「隼人を家に来させてくれてありがとう。おかげで楽になったわ」そう言うと
「それはよかった。《大学へ進学するだけが人生じゃない》てわからせるためにも姉さんのところに連れて来たんだが、役に立っているか。そうかそうか」
「最近進んで仕事をしてくれるから重い鍋ふりは任せているの。何やら考えているみたいだからそのうち連絡があるかもよ」そう言うと
「そうかそうか。この先何になるんでもここで得た経験は得難いからな。うちじゃあ受験失敗した時に別の道を示してやれなかったから、型にはまらないおたふくが新鮮だったんだろうこれからも迷惑をかけるがよろしく頼みます」
「これ隼人が自分で味付けした惣菜なんだけど食べていく?」そう言ってひじきの煮物とフキとあぐら揚げと豆腐の味噌汁を出した。
「味噌汁は家族で食べる分として作ったから作り過ぎたんだけど、海斗が今日あたり顔を出すかなと思って煮物は取っておいたんだよ」そう言うと
「どれどれ。お、これはご飯が欲しくなるな。味噌汁のいい塩梅だし、店でも出せるか?」と言い出した。
「しばらくはその話をしないでね。文枝もいるけど昼は弁当を売りに行っているから私だけじゃあ店やって行けないから」
「文枝ちゃん頑張っているんだな。何かあったら声をかけてくれよ。なんとかできる範囲で助ける」そう言って帰ろうとしていると
「じいちゃん来ていたんだ」と隼人が帰って来た。
「こんな時間まで大変だな。頑張れよ」そう言って入れ違いに帰って行った。
「じいちゃん。なんしに来たんだろう?」そう聞いて来たので
「孫の顔を見に来たんだよ。さ明日も忙しんだからお風呂に入って早く寝なさい」そう言って私は今を片付けて部屋へと戻って行った。
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