発端

くろねずみ

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スイミング

プロローグの終わり

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長い長い5分。
気付かれないようにつねる太腿。膀胱炎を覚悟しての我慢。もう限界は超えてしまっている。
けど、我慢を続けるしかない。
どれだけ厳しい我慢を強いられていたとしても、我慢ができなかったらお漏らしした大人として蔑みを受ける。

長い長い5分がやっと終わった。
先輩コーチの話では子供達はできる限り早く帰りたがるということだったけど、子供達はギリギリまで泳いでいたがる。
時間だからと強く言ってやっと水泳教室はお終いにできた。

そしてやっとおしっこができる。


それなのに
トイレを見て愕然とした。
並んでる。
子供達を押し退けて入ることなどできないし、待ってる間に次の一コマが始まってしまう。
次の90分、出口を塞ぎ続ける事はできない。できないけど、漏らすわけにはいかない。

もう止まっていることができない。
何となくシャワーのところに。

そして太腿を伝い、膝の裏を伝い、踵。
シャワーを捻る。
証拠隠滅。
心地良い。
身体が溶けていくような快感に身を委ねる。温かくなる水門が疼く。
悪戯に指を這わせたい衝動に駆られる。

「誰?」
感じた視線に快感が消える。
「宏樹ちゃん」
今は震えながらも堰き止めているけど見られた。
不思議そうにこちらを見る男の子にできる限り平静を装って聞く。
「どうしたの?」
「タオル忘れちゃったの」
「そっかぁ、風邪ひかないように気をつけてね」
「うん」

何か言いたげな男の子にもう一度確かめる。
「コーチ、水の妖精みたい」
力が抜ける。
「ありがとう」
バイバイをして、彼が気が付いていなかったことに安堵した。
まだ膀胱に残っていたものが何の抵抗もなく脚を伝う。


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