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憂う春、君の視線
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「上がって」
適当に靴を揃えて、内玄関に招き入れる。
昨日、数ヶ月ぶりの片付けをしたばかりなので、部屋は整然としていた。
「飲み物淹れてくる、座ってて」
椿は礼をして、促されるままにカーペットに着座する。
「プラモデル好きなの?」
「うん、組むのがね」
殺風景な部屋を囲んでいる車やロボットのプラモデルを、椿はもう一度興味深そうに見回した。
紅茶を蒸らす間、その背中を眺めてみる。じっと見つめていると、椿の動きが止まった。
視線の先には屑篭があった。中には、血の染み付いたティッシュが幾つも放り込まれている。
「あ、ごめんそれ。気持ち悪いよね」
慌てて屑篭を撤去しようと駆け出すが、穏やかな声によって阻止される。
「大丈夫だよそのままで。僕は平気だから」
メガネレンズ越しの瞳が、ニッコリと笑う。彼の表情に、嫌悪感などは一切感じない。
寧ろその顔は、喜色を浮かべているようにも見えた。
適当に靴を揃えて、内玄関に招き入れる。
昨日、数ヶ月ぶりの片付けをしたばかりなので、部屋は整然としていた。
「飲み物淹れてくる、座ってて」
椿は礼をして、促されるままにカーペットに着座する。
「プラモデル好きなの?」
「うん、組むのがね」
殺風景な部屋を囲んでいる車やロボットのプラモデルを、椿はもう一度興味深そうに見回した。
紅茶を蒸らす間、その背中を眺めてみる。じっと見つめていると、椿の動きが止まった。
視線の先には屑篭があった。中には、血の染み付いたティッシュが幾つも放り込まれている。
「あ、ごめんそれ。気持ち悪いよね」
慌てて屑篭を撤去しようと駆け出すが、穏やかな声によって阻止される。
「大丈夫だよそのままで。僕は平気だから」
メガネレンズ越しの瞳が、ニッコリと笑う。彼の表情に、嫌悪感などは一切感じない。
寧ろその顔は、喜色を浮かべているようにも見えた。
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