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sway
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墓参りも終わり、些か安堵する。
墓地を出てからは、徒歩圏内には無いらしい昇良のお気に入りのアパレルショップを始め、メンズコスメチック専門店、スポーツ用品店と、彼の望むままに車を走らせた。
そして今は、キッチン用品を男二人で眺めている。無論、昇良の意向だ。離れようとすると手を繋いでくるので、程好い距離を保った。
こんな場所に二人で立っていると、自分たちの関係が分からなくなる。
容姿端麗で、仕事も出来て、人脈も広く、家事すらお手の物で、憎らしいほどに昇良は有能だ。そのような男と、無能な自分が何をやっているんだろうと考える。
「ちょっと向こうも見てくるか」
反射的に同行し、ついでに何となく陳列棚も見てゆく。
ふと、横目にずらりと並んだナイフがちらついた。
一瞬、景色が歪んだ。心臓がドクン、と大きく音を立てる。
通り過ぎてもなお、ナイフの先端が脳内で黒光りする。
――――昇良を縛って、あれで切り裂いたら。
知らず知らずにしていたおぞましい想像に、朔斗は息を飲んだ。
墓地を出てからは、徒歩圏内には無いらしい昇良のお気に入りのアパレルショップを始め、メンズコスメチック専門店、スポーツ用品店と、彼の望むままに車を走らせた。
そして今は、キッチン用品を男二人で眺めている。無論、昇良の意向だ。離れようとすると手を繋いでくるので、程好い距離を保った。
こんな場所に二人で立っていると、自分たちの関係が分からなくなる。
容姿端麗で、仕事も出来て、人脈も広く、家事すらお手の物で、憎らしいほどに昇良は有能だ。そのような男と、無能な自分が何をやっているんだろうと考える。
「ちょっと向こうも見てくるか」
反射的に同行し、ついでに何となく陳列棚も見てゆく。
ふと、横目にずらりと並んだナイフがちらついた。
一瞬、景色が歪んだ。心臓がドクン、と大きく音を立てる。
通り過ぎてもなお、ナイフの先端が脳内で黒光りする。
――――昇良を縛って、あれで切り裂いたら。
知らず知らずにしていたおぞましい想像に、朔斗は息を飲んだ。
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