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sway

18-4

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 久方振りに訪れる美叶の墓は、案の定土埃を被っており、いつ置いたかも知れない花も枯れていた。

「……やっぱりあいつら来てないな」

 思わず吐き捨てると、昇良が砂埃を手で払いながら呟いた。

「俺も死んだら、こうやって世間体の為に立てられた墓で放置されんのかな」
「親の知らないところで死ぬしかないよね、それか奴らよりも長く生きるかかな」

 墓石を清掃する手が、小刻みに震える。今目の前にあるものが美叶の墓石じゃなければ、間違いなく殴っていた。両親に対しては、怒り以外の感情が無いのだ。

「……お前って意外に図太いよな。そんな奴だったっけ? 初めはあんなにわんわん泣いてたのに」
「あれは生理的な涙だよ」

 墓石の清掃を終え、朔斗は項垂れるように膝をついた。後悔と自責の念に苛まれる中、合掌する。

「……親だからって逆らえずに居たけどさ、もっと早くに反抗してれば美叶は死なずに済んだのかな……」
「多分お前の所為じゃないよ」

 囁き、昇良はしゃがみ込んで手を合わせた。
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